箴言15章・内密の話し合いがないなら計画が挫折する

　　聖書は、計画を達成するために内密の話し合いが必要であると述べています。「内密の話し合いがないところには、計画の挫折があ(る)」と述べています。(箴言15:22)聖書には内密の話し合いがなかったために結果が悪かった例や、内密の話し合いのために物事が順調に進んだ例がどちらも述べられています。　例えば、ダビデとエホバの祭司アヒメレクの間の意志の疎通の欠如は悪い結果を招きました。ダビデ自身は、サウルに反抗していなかったのに、サウルはダビデを殺そうとしていました。ダビデは祭司アヒメレクのところに行って食べ物と剣を所望した時に、自分がサウルから追われる立場にあることは秘密にしました。(サムエル第一21:1-3,8)　しかし、内密の話し合いが欠けていたために、祭司アヒメレクは、サウルから状況を尋ねられた時に、賢明な答え方をできませんでした。(サムエル第一22:12-15)そのために、祭司たち八十五人と、祭司の町ノブが攻撃されて大勢のエホバの崇拝者が殺されました。(サムエル第一22:18,19)　もし、ダビデが、祭司アヒメレクと内密の話し合いをしたなら、アヒメレクは賢明に行動できていたかもしれません。　例えば、ダビデが、自分はエホバ神から油注がれているが、サウルから追われていることなど状況を話していたとしたら、アヒメレクはダビデに協力しつつ、サウルに賢い答え方ができた可能性もあります。あるいは、ダビデに協力しなかった可能性もあります。いずれにしても、祭司たちとその住む町ノブの人々の虐殺は避けられたかもしれません。　その際に、ダビデはエドム人ドエグの存在に気づいていました。(サムエル第一21:7)エドム人ドエグは信仰の無い邪悪な人で、エホバの祭司たちを殺すことをなんとも思わない人でした。それで、ダビデはドエグをその場から去らせて、アヒメレクと二人きりになって内密な話し合いをするという配慮が必要だったでしょう。確かに、内密な話し合いは、信頼できる人の間だけでするべきです。　この出来事は、内密の話し合いが欠けている場合、「計画の挫折」、物事がうまくいかないことがあることを示す事例かもしれません。　ダビデは、内密の話し合いをして物事がうまくいったこともありました。ダビデは、アヒトフェルという自分の有能な助言者の裏切りにあった時、自分の親しい友フシャイを含めた自分の仲間たちと内密に相談しました。ダビデは、フシャイが息子のアブサロムのところに行ってアヒトフェルの助言がうまくいかないように働くように、また、祭司たちとその息子たちを通して反逆者であるアブサロム側の状況を伝えるようにと取り計らいました。(サムエル第二15:33-36)　ダビデとフシャイ、祭司ザドクとアビヤタル、また彼らの二人の息子たちの間に内密の話し合いが行われて、ダビデたちの側は首尾よくアヒトフェルの効果的な助言を挫折させました。それで、内密の話し合いをすることによってダビデは窮境を乗り切ることができました。　また、ダビデの周囲にいる人たちが内密の話し合いをすることもありました。ダビデの息子のアドニヤが勝手に自ら王になろうとしました。バテ・シバは、ソロモンの母親であり、エホバ神はソロモンを王として選んでおられました。ダビデは状況は知りませんでした。その時、預言者ナタンとバテ・シバは、ダビデが適切に行動するように促す方法をふたりで内密に話し合いました。(列王第一1:11-14)二人は神のご意志が行われるように協力することにしました。 まず、バテ・シバがダビデに状況を説明し、そして、次にナタンがバテシバの話を確証しました。ダビデは、二人から話を聞いたので、正しく状況を認識することができました。そして、ナタンとバテ・シバは、ダビデ自らソロモンが王として即位するよう取り計らうように動かすことができました。(列王第一1:28-30)　

ナタンはバテシバと内密の話し合いをしてダビデに状況を話しましたナタンとバテシバの話し合いはうまくいきました　 これらの例は、「相はかることによって計画はかたく立てられる」という聖書の言葉も思い出させます。(箴言20:28)　また、別の例もあります。アブラハムと妻のサラは、自分たちを守るために内密の話し合いをしました。サラが美しかったので、アブラハムが夫であることが周囲に知られるとアブラハムが命が脅かされる危険がありました。それで、アブラハムとサラは実際にそうでもあったのですが、周囲には兄妹であると公言することにしました。(創世記12:10-13;20:13)その計画は、ほんのしばらくの間は、アブラハムとサラを守りました。

Abraham lied twice about his wife Sarah, each time telling the half-lie, half-truth, that Sarah was his sister. The Philistine king Abimelech, like the Egptian Pharaoh, tried to take her as his wife, but God warned him not to touch her (Genesis 20). (abraham4) しかし、いずれにせよ、アブラハムとサラはエホバ神の取り計らいで保護されることになりました。(創世記12:14-19)また、イサクとリベカも、自分たちを守るために、一時的に自分たちが兄妹だと偽りました。(創世記26:7-9)　このように聖書は、内密の話し合いが欠けた時、物事がうまくいかない例や、話し合いが行われて、物事がうまくいく事例が述べられています。私たちは、問題に直面した時、一人で問題を抱え込んだり、一人で勝手に行動するのではなく、内密の話し合いをするのが知恵があります。良い計画を成し遂げるために内密の話し合いは不可欠です。

2012-04-15_16.49.18　by misawakatsutoshi (discussion1)計画を成功させるためには内密の話し合いが不可欠です