死をおそれないで生きる インタビュー 細井 順 さん(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)続き

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

ヴォーリズ記念病院へ

 そして二〇〇二年、ヴォーリズ記念病院へ。この病院は、建築家としても社会事業家としても大きな足跡を残したW・M・ヴォーリズが開設した結核療養所に端を発する。折しもヴォーリズ来日から、三年後に百周年を迎えようとしていた。細井さんは、その記念事業としてのホスピス設立にかかわるために招かれたのだった。

 当初、ヴォーリズ自身が手がけた古い建物を建て直してホスピスにする構想だったのだが、ヴォーリズ建築への関心の高まりの中、建物の保存運動が起こり、計画はいったん頓挫してしまう。

 「折衝など大変なことも山積みでしたが、ホスピスを望む声も多かったですし、それほど苦労には感じませんでした。逃れる道のない試練はない、最終的には神のみこころがなるだろうと確信していましたから。それに、入れ物が大事ではなく、そこでどんなケアをするかが肝心だと思っていました。ただ、私が来る前からホスピスへの熱意をもって奔走していたスタッフの気苦労は、非常に大きかったと思います。中には、待ちきれずに退職した人もいました」

がん患者として

 開設のめどがなかなか立たない中、二〇〇四年春に細井さんは自らの身体の異変に気づく。腎臓にがんができていたのだ。すぐに摘出手術が行われることになった。

 「がんだからといって、特に大きなショックを受けることはありませんでした。専門外の病気ならもっとジタバタと慌てたかもしれませんが、一通りのことがわかるので、冷静に自分の病気を分析していました。いつかは順番に死んでいくわけだし、死に対するマイナスイメージもありませんでしたから。手術は痛くて嫌だなというぐらいで、家族は自分がいなくなっても大丈夫だと思っていました。ただ、自分がいなくなったためにホスピス開設ができなくなってしまうのは申しわけないので、何としても後継者を探さねばという思いはありました」

 一方で、患者として医療現場を見ることにもなった。

 「それまでとは逆の立場から見ることで、気づかされた点も多々ありました。一番大きかったことは、医療者は“患者”と思って接しているけれど、患者はひとりの人間として見てほしいと思っているいうことでした」

 手術は無事に終わり、術後の経過も順調だった。程なく仕事にも復帰できた。

ホスピスの力

 ヴォーリズ記念病院のホスピスは、当初の予定より少し遅れたものの、二〇〇六年一月に着工し、二〇〇六年秋に無事完成した。

 「一般病棟からホスピスに移ってきただけで、見違えるように顔つきが変わった患者さんがいました。それまでは病気に直面して、どうしようと思い悩んでいたのが、ホスピスという場の力とそこで働く人たちの力が相まって、自分ではどうすることもできなくても、これで良いんだと思えたんです。それを見て、ホスピスの役割を改めて感じて、本当に建てて良かったなと思いました」

 細井さんは、ここでは白衣は着ないという。「医者の権威を象徴するよろいですからね。ホスピスには似合わないと思うようになりまして」

 また、外来の診察室も、医師と患者が向き合うのではなく、家族とともに円卓を囲むような構造になっている。

無力の人から学ぶこと

 今夏、著書『死をおそれないで生きる|がんになったホスピス医の人生論ノート』が刊行される。本書では、がん告知、闘病、仕事復帰までを克明に記録した日記が収録され、ホスピスで出会った多くの患者の死から見えてきた人間の生き様やそこで培われてきた死生観などが語られている。死をおそれず、今を生きるための励ましのメッセージだ。最終章の「今がんと歩むひとに」は、がん治療を受ける上での実際的なヒントが、ホスピス医兼患者の視点で描かれていて興味深い。

 細井さんは本書に寄せる思いを、こう語る。

 「死の前では人間は本当に無力です。生きなくちゃ、がんばらなくちゃという視点だけでは、立ちゆかなくなります。人間にとって本当に大切なのは、無力な者同志であっても人が人のそばにいること。ひとりでは生きられないし、ひとりでは死ねない。それをホスピス医として、次の世代に伝えていきたいんです」

 細井さんは今日もホスピス医として、人と人とが支え合うことの大切さを訴えていく。

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