イエスと統治体の権威に関する聖書的な考察(10-1)ユダヤ人から排斥されイエスはゼロからスタート

　　ヨハネです。正確な聖書の預言に関心のある聖霊で油そそがれたクリスチャンはエホバの証人の統治体が、正確な預言の解釈の論議を退けて、古い教えにとどまり続けるなら、どうしたらいいでしょうか。 

　(1)では、ゼロからスタートしなければならないことを説明しています。(2)では、過去に真の預言についてどのような進展があったかを説明します。 

(1)エホバの証人の統治体が聖書に基づく解釈を退ける場合ゼロからスタートする必要がある 

　一世紀にイエスは、神の王国の成員を産み出す「新しい契約の仲介者」となられました。(ヘブライ9:15新世界訳改訂版)そのようにして、「新しい契約」を中心とする新しいキリスト教を創始されました。(エレミヤ31:31,32新世界訳改訂版) 

　イエスが宣べ伝えた音信は、それまでのいわゆる古い契約、モーセの律法を中心とした宗教とは異なった新しい音信でした。イエスの宣べ伝えた新しい音信は、当時の大勢のユダや教の宗教指導者たちからは退けられました。 

モーセの律法を中心とした古い契約とは異なり・・・ 

イエスは新しい契約を中心とした新しい音信を宣べ伝えられた

 

　イエスは当時のユダヤ教の宗教体制か退けられた時に、どのように対応されたでしょうか。イエスは、古い皮袋に新しいぶどう酒を入れることはできないと言われました。そして、新しいぶどう酒は、新しい皮袋に入れると言われました。(ルカ5:37,38新世界訳改訂版) 

　イエスは、宣教のスタートは、既成のユダヤ人の「会堂で教え始め」られました。(ルカ4:15新世界訳改訂版)しかし、そのようにした時、イエスはユダヤ人の怒りを買って殺されそうになりました。(ルカ4:16,28,29新世界訳改訂版)

　そして、イエスの宣教の進展と共に、「ユダヤ人たちは，イエスをキリストと認める人がいれば会堂から追放するとの合意に達する 」という状況になりました。(ヨハネ9:22新世界訳改訂版)ですから、会堂では、イエスをメシアとして告白する人を会堂から排斥するようになりました。 

イエスは最初はユダヤ人の会堂で教えられたが・・・

イエスの教えはユダヤ人の怒りを買い殺されそうになり会堂で教え続けることはできなかった

 

　そのため、イエスはユダヤ人の会堂をご自分の教える業の基本的な拠点とすることはできませんでした。イエスは、自分で仲間を集めて、他の場所で教え始めました。そして、おおむね、ユダヤ人の会堂の中ではなく、「湖の岸辺」や「湖のほとり」、「山」の上、「辺ぴな場所 」で教えることをされました。(マルコ2:13;4:1;6:34,35。マタイ5:1,2新世界訳改訂版) 

イエスは会堂から追い出され屋外で教えざるを得なかった 

 

　イエスも、ほんとうは、雨露や暑さ寒さをしのげる建物の中で教えることをされたかったでしょう。だも、既成のユダヤ教からは受け入れられず仕方がなかったのです。もちろん、何千人もの聴衆がいたので、人数が多すぎて建物に入りきれなかったということもあったでしょう。 

　それで、イエスは、古い皮袋の組織の中で、教えるのではなく、使徒たちを中心としたご自分の仲間にあちこちの場所で、神の言葉を語りました。そのようにしてイエスは新しいぶどう酒を新しい皮袋に入れました。(ルカ5:38新世界訳改訂版) 

イエスは新しいぶどう酒を・・・

新しい皮袋に入れました

 

　使徒たちの活動には、イエスの復活後に、「マルコと呼ばれるヨハネの母親マリアの家」では、「かなり大勢の人が集まって祈っていた。」とあります。(使徒12:12新世界訳改訂版)おそらくイエスが宣教をしていた当時から、マルコの母親は、イエスをメシアとして受け入れる人で、イエスの弟子たちの集会場所として、自宅を提供していたのではないかと思われます。 

　ですから、天的な希望を持つクリスチャンは、もし、自分で真理であると考える聖書の解釈のために、エホバの証人から排斥されたならば、何らかの形で、今日では、ネットのウェブサイトや書籍などで、自分の聖書の解釈を公にするしかないでしょう。そして、一から自分の仲間を集めて、どこかで、その新しい聖書の解釈を話し合う取り決めを設けるしかないでしょう。 

(2)過去には時の経過と共にどのような進展がありましたか 

　エレミヤの時代には、エレミヤの預言の成就と共に、最初は不人気であったエレミヤの預言が真実であったことが知られるようになりました。エレミヤが予告していたように、バビロンが確かにエルサレムを包囲し、「攻め」、「滅ぼし尽くし」、ユダの地を「荒れ果て」させました。(エレミヤ25:9-11新世界訳改訂版) 

　そのために、ユダの悪い王であったゼデキヤでさえ、エレミヤに敬意を払ったり、ある程度、協力することさえしました。(エレミヤ21:1,2; 29:1,3; 37:18-21) 

エレミヤの語った預言が成就したのでゼデキヤ王でさえある程度エレミヤに敬意を払った

 

　バビロンでは、真の崇拝を擁護していたのは、最初は少数派でほとんどダニエルとその仲間しかいなかったのかもしれません。ダニエルは、エレミヤの預言と調和して、バビロンが倒れるという預言をしました。(ダニエル5:25-28)ダニエルはエレミヤの預言を研究してエルサレムの荒廃が七十年で終わることを知りました。(エレミヤ9:2) 

　そのため、エホバの真の預言者たちの支持者たちは増えていきました。神の言葉聖書に信仰を抱く人々が増加していきました。時が経過して、バビロンが倒壊した時に、エホバの助けを得て、エホバの崇拝を復興するために、エルサレムに帰還したユダヤ人の数は多くなりました。最初に帰還したのはおよそ五万人くらいと記載があります。(エズラ1:5;72:65,65)

 

最初の数人から聖書の真の預言によって行動する人は数万人に増えました

 

　一世紀にも、イエスの支持者は数が多いとは言え、最初は、数千人の規模でした。ある時、イエスの話を聞いていた男性の数が「約5000人」だったと記録されています。 (マタイ14:21新世界訳改訂版)女性の追随者たちの数が多かったと思われるので、おそらく、その時は女性と子供たちも合わせるとイエスの追随者たちの数は、一、二万人以上はいたでしょう。 

　当時のイスラエル国家の人口は、一世紀のエルサレムで行われた過ぎ越しの祭りの出席者の人数について述べたヨセフスによると少なくとも百万人はいました。おそらく、当時の全体の人口はそれよりもとても多かったと思われます。ですから、イエスの追随者たちは、無視できない規模でしたが、最初は少数派だったのです。 

 

イエスの追随者たちは一万人以上はいたと思われますがそれでも少数派でした

 

　確かに、イエスは「滅びに至る門」を「通って入っていく人は多く」、「命に至る門は狭くてその道は狭められており，それを見つける人は少ない 」と言われました。(マタイ7:13,14)最初は、とりわけ少数派だったのです。 

イエスは命に至る道を歩む人は最初は少数派だと言われた

 

　しかし、イエスの預言は成就していきました。イエスは、まずご自分の死と復活を予告され、それは成就しました。(マタイ16:21新世界訳改訂版)イエスの弟子たちは、その証拠を見ました。 

イエスの弟子たちは復活後のイエスを目撃して信仰を強め宣教に励むことになった 

 

　　それで、イエスの預言の成就を観察して、イエスに信仰を抱く人は、増えていき、キリスト教は、勢力を増していきました。そして、イエスが予告されたように、エルサレムが「陣営を張った軍隊 」、すなわち、ローマ軍によって軍事攻撃を受けて荒廃するという預言も成就することになりました。(ルカ21:20新世界訳改訂版)そして、イエスの弟子たちは、山に逃げて生き延びました。 

初期クリスチャンはイエスの命令通りエルサレムから山に逃げた

イエスの予告通りエルサレムが荒廃したのを見てクリスチャンたちは信仰を強めた

 

　残念ながら、イエスの予告通り、新しく設立されたクリスチャン会衆に「偽キリスト」や「偽預言者」による背教も起きました。(マタイ24:11,24新世界訳改訂版)しかしながら、背教したキリスト教が当時のローマ帝国の国教になりました。 

　それで、イエスの予告が成就したことによって聖書に信仰を抱く人も増えました。そして、イエスは残念ながら、背教が起きて、キリスト教徒の全体の数が増加することを最初に予告されていました。(マタイ13:33新世界訳改訂版)それで、真のクリスチャンによって、また、背教したキリスト教という両方の形で、キリスト教の音信は広まっていき、キリスト教を奉じる人は増えていきました。 

　ですから、とにかく、過去においては、真のクリスチャンも背教したクリスチャンもさまざまな形で増加をしていきました。そして、どちらのグループも熱心な宣教活動を行い全世界にキリスト教を信じる人々はとても多くなりました。それで、日本では、仏教徒や神道信者や無神論者が多数派ですが、世界的にはキリスト教徒は多数派になっています。 

今日さまざまな宗派のキリスト教は世界的に多数派になっています

　それで、イエスはゼロからスタートされましたが、とにもかくにもキリスト教は全世界に広まるという結果になりました。ですから、聖書的な根拠のある聖書の解釈のために聖霊で油そそがれたクリスチャンが証人から排斥されるならば、とにもかくにも、また、ゼロから仲間を集めてスタートする必要があります。