ネヘミヤ5章・ネヘミヤは仲間のユダヤ人を気遣う

「それにまた，わたしも，わたしの兄弟たちや従者たちも彼らの中で金や穀物を貸し付けています。どうか，利息を取って貸すこのことをやめようではありませんか。」（ネヘミヤ5：10）

ネヘミヤは、ペルシャの王宮での献酌官という立場を置いて、エルサレムの城壁を建て直すために、ユダの地の総督となりました。ネヘミヤは、ユダの地の総督である間、エホバの崇拝を第一にして、同時に仲間のユダヤ人を気遣いました。私たちはどのようにネヘミヤの模範にみならえるでしょうか。

ネヘミヤが、率先してエルサレムの城壁を建て直そうとしている間、あるユダヤ人たちがたいへんな窮状にあるという報告が、ネヘミヤにもたらされました。

それは、ユダヤ人が食べていくために、息子や娘を奴隷にしなければならず、畑とぶどう園をかたにして借金しなければならないという報告でした。流刑からもどった一部のユダヤ人たちは、経済的に困窮していました。（ネヘミヤ5：2～5）

　ネヘミヤは、その報告を聞くや、非常に怒りました。そして、ネヘミヤたちは、諸国民に売られたユダヤ人の兄弟たちを力の及ぶ限り買い戻しました。そして、ネヘミヤは、その問題について、熟考しました。すると、経済的に裕福で仲間のユダヤ人を助ける立場にある人たちが、仲間のユダヤ人から、高利を要求するという問題があることが分かりました。

ネヘミヤは、その問題を扱うために、大集会を取り決めました。ネヘミヤは、エルサレムの城壁の再建という大事業に携わっていましたが、忙しすぎて仲間のユダヤ人を気遣うことができないということはありませんでした。ネヘミヤは、仲間のユダヤ人を助けるために、大いに時間を割きました。

そこでネヘミヤたちは、諸国民に売られたユダヤ人の兄弟たちを力の及ぶ限り買い戻していることを、仲間のユダヤ人に言いました。それなのに、ユダヤ人の兄弟たちは、仲間のユダヤ人に奴隷として売られなければならないのですかと、ネヘミヤは、言いました。すると、経済的に裕福なユダヤ人たちは、ネヘミヤに何も言えませんでした。（ネヘミヤ5：8）

それで、ネヘミヤは、冒頭の聖句にあるように、困窮した仲間のユダヤ人たちに利息をとって貸すことをやめるようにと勧めました。そして、仲間のユダヤ人の畑やぶどう園、家など利息の一部を彼らに返すように勧めました。（ネヘミヤ5：10，11）

ネヘミヤの勧めはモーセの律法と調和していました。イスラエルに対する神の律法は，困窮している仲間のイスラエル人に利息を課して貸し付けることを禁じていました。例えば、レビ記には、「あなたの兄弟が貧しくなり、あなたの傍らにあって財政的に弱くなる場合、・・・その者から利息や高利を取ってはいけない。」と規定されていました。（レビ 25：35～37。 申命記 23：19）

今日の私たちは、モーセの律法のもとにいませんが、モーセの律法よりも、すぐれたキリストの愛の律法のもとにいます。（ヨハネ13：34，35）仲間のエホバの崇拝者が経済的に困窮したときには、その余裕がある場合、お金を貸してあげたり、差し上げたりすることができます。その際、利息をとって仲間の崇拝者たちの負担を増し加えることのないようにできます。そのようにして仲間の崇拝者たちに対する自己犠牲的な愛を実証することができます。（ヤコブ2：15～17）

　このように無私の気持ちで助け合うことは、大患難の前に山に逃げる時、特に必要になるでしょう。その時には、経済的に余裕のある人は、山に逃れたい貧しい人のために財政的にも犠牲を払うことができるでしょう。あるいは、自分が逃れた家に他の人を招き入れることができます。そうするならば、本当に多くの人が命を助けられることになるでしょう。

　このことは、「すべての国民と部族と民と国語の中から来た、だれも数えつくすことのできない大群衆」が、「大患難から出て来る」という預言の成就に貢献することでしょう。（啓示7：9，14）

歴代第二20章・無力な者たちを敵の同士討ちで助ける