祈ること、その幸い すぐれた祈祷文に導かれる幸い 『きょうの祈り』再々版に寄せて

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

新しい一年の始まりに、祈りを通して日々神との個人的な交わりをもつことの恵みを確認する。祈りを導いてくれる良書も紹介。

 

日本長老教会・池戸キリスト教会 牧師 古川 和男

 

もっぱら「自由祈祷」で育った評者は、神学校で初めて「成文祈祷」に出会いました。祈る時、用意された文を読むだなんて馴染みがなく、なんだか形式的でいかがわしいシロモノでした。いや、「完全原稿」の説教だって、「堕落」に思えた(笑)ものです(神学校の教授でも、その最たる方が、本書の編著者・小畑進牧師でした)。ひどく抵抗しながらも、じきに、よく準備して丁寧に言葉を書き下ろすことの大切さを得心するようになったのでした(そして、自分の「自由祈祷」の貧相さ、不自由さも……)。

 

評者の手元にある『きょうの祈り』は自筆で「一九九〇年六月十六日」とあります。神学校卒業後、牧師として迎えられた教会での三か月目ごろです。毎日一ページずつディボーションを助けてもらいました。冒頭の短い聖句から続く祈りの言葉は、自分だけで読んでも到底予想しない告白です。豊かで深く、主への信頼に満ち、人間の罪も美しさも知った、応答の言葉に魅了されました。聖書の読み方を一新してもらった箇所は数え切れず、今でもそこを読むたびに『きょうの祈り』を思い出します。「あなたもあの仲間だ」と詰問した言葉こそペテロの背教を食い止めたのだ(二月十九日)とか、ヨブへの悪き知らせが一度にではなく一つずつ順次に知らせて、であった配慮(五月六日)とか……。
ただ、あのころの自分は、本書の「美文」を真似して、自分も感銘を与える祈りができるようになりたい、なんて願望が強かったと省みます。「上手な祈り」という褒め言葉は、祈りの誤解でしょう。本書を今読み返すと、そこにあるのは「美辞麗句」などではなく、澄んだ目で自らと人と聖書を、そして、主を見ていた「告白」だったと気づきます。その根底には、恵みの神の主権を徹底する神学と、そこから生まれる深い霊性、加えて現実の人間に対する温かくも鋭い理解が脈打っているのです。

 

本書の初版発行の一九七七年から半世紀。この間に、世界的に「礼拝改革」が前進しました。私たちの教会も、多くの教派に遅れて、長年取り組んだ「新礼拝式文」を完成しました。
公的な祈祷書だけでなく、私的な祈祷集も多く出版されました。個人的には、ヴェロニカ・ズンデル『祈りの花束』(新教出版社)がお気に入りです。現代の教会内外の事情に向き合う中での式文も紹介されるようになりました。「聖書の言葉を声に出して読む」のも祈り、読んだ聖書を思い巡らし続けることも祈り、と確認されるようになりました。最大の成文祈祷「主の祈り」の解説書も多数読めます。評者は、C・S・ルイス『神と人間との対話』(新教出版社)や、ジェームズ・フーストン『神との友情 あなたを変える祈り』(いのちのことば社)から大きく影響されました。
また、「霊性神学」が成熟し、祈祷の前提となる《神との関係性》理解が明確にされてきたことも、ありがたい動向です。祈りが目指すのは、「立派な祈り」ができることより、もっと大事なこと、主との交わりそのものなのですから(参照・エペソ1・15〜23)。
最近はスマートフォンで聖書朗読を聴いたり、祈祷文も付した聖書日課を読んだりできるアプリケーションがあることも時代の大変化です(評者の愛用アプリはCentering Prayerです)。

 

現代は、本書執筆時よりも「祈りの手ほどき」が充実しました。「はしがき」で編著者は「祈祷論がほとんど不毛に近いことへの無念と、現実になされている祈りの内容やことばの貧弱さに対する残念……」と嘆いていますが、その甲斐もあってか、確かに祈りのリソースは豊かになったのです。
もちろん、書物の出版と、実際の祈祷者としての成熟とは、あくまでも別のこと。とはいえ、主との交わりを豊かにする手がかりがはるかに多くなったことは確かです。編著者を知る方が、こんな話をしてくれました。「小畑先生から『人が祈っている時は、自分も心の中でその祈りの言葉を復唱しているといいよ』と言われて、今でも実践しています」と。さすがだなぁ〜とうなったエピソードです。
本書を手にした三十年前に、自分で聖句索引を作りました。当時のワープロで、どう作ったかも、誰にあげたかも覚えていませんでしたが、その縁で、今回この原稿を依頼されました。そして、小畑牧師が最後の十三年を仕えた教会の牧師として、この原稿を書いています。なんと思いがけない道を、主は備えてくださるのでしょう!
「自由に祈り心の翼を広げる」―復刊の帯に添えられた言葉です。本書を開くと、駆け出しのあのころ以上に、今、この文句がしっくりきます。
「……御霊も、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、何をどう祈ったらよいか分からないのですが、御霊ご自身が、ことばにならないうめきをもって、とりなしてくださるのです。」(ローマ8・26)

 

※古川氏による『きょうの祈り』聖句索引はこちらからご覧いただけます
https://wordpress.com/post/kzkgw.wordpress.com/839

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