国を愛する心と「愛国心」

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

通知表の表紙が神社の絵

 昨年度2002年公立小学校で六年生の通知表の社会科評価項目にはこんな項目が新設されています。「わが国の歴史や伝統を大切にし国を愛する心情を持つとともに、平和を願う世界の中の日本人としての自覚を持とうとする」。この項目はABCの三段階で評価されることになっています。そして驚くべきことに福岡市の通知表の表紙には「神社」の絵が載っているのです。愛国心と日本人としての自覚が神社と結びついているのだと暗にいっているのでしょうか。

 「国を愛する心情」などを通知表に使った小学校のある市町は、全国の中で福岡市67校(最多)に次いで、埼玉県(熊谷市、行田市、川里町、騎西町)が二番目に多い37校となっています。身近な町の学校で、すでにこんな動きがあるということに、大変な危機感を覚えています。

 沖縄、アイヌ、アジアの人にとって、日の丸と君が代、神社、天皇は侵略の象徴であり、天皇の赤子を増やすための道具であったことを、若い人はもう知りません。今このような歴史を背負っていることさえ知らないこどもたちと若い先生が君が代をうたうとき、私は「無邪気な日本人」と心の中で思い、また私もかつて無邪気であったことを思い出すのです。

一億総ざんげ

 先日、平和集会である人がこんなことを話されました。「私は今日の出席者の中でおそらく最高齢かと思います。15歳のときに敗戦を迎えました。当時『一億総懺悔』ということばが流行りました。それはアジア諸国に対する懺悔ではなく、天皇陛下に申し訳ない、自分たちの力が足りなかったばかりに負けてしまった、と天皇にざんげした言葉でした。そう天皇陛下のためにみな命を捧げることが愛国心だったからです」。

 精神科医である、なだいなださんが70歳を過ぎて書かれた『神、この人間的なもの』(岩波新書)の中で、約60年前の日本のファシズムという戦争の狂気についてこう述べています。

 「おまえは感じなかったかね。正直に白状しろよ。おれはあの狂気の只中で、ある種の幸福を感じていたよ。一種の酔いだね。自分たち日本人は優秀であるという優越感。つかの間の戦争での勝利が、気分を高揚させてくれて、そして周囲のものと感じる一体感。見知らぬ人間と固く仲間として結ばれて、運命を共にするという安堵感。そうした幸福感にしびれていたよ。(中略)そうか。だからあの狂気の時代をなつかしむ人間もいるのか。(中略)国のために死ぬことが〈幸福な死であること〉の象徴化が靖国さ。家族が靖国に祀られている人間は、なかなかこの宗教から自由になれない」。

 私はこの本を読みながら、今までどうしてあのような残虐な戦争をなしえたのかという疑問が解かれるような思いでした。戦争や愛国心が、同じものを愛し命までも捧げられる運命共同体のような一体感を私たちに与え、それぞれの心の奥にある不安や孤独感に向き合うことをごまかし、集団の中の安心感を与えるものなのです。このような愛国心ということばの持つ狂気の催眠にかからないために、今一度歴史を想い起こすしかないのだと思います。

 私は三年間のアメリカの大学での留学を終え日本に帰国しようとした際に、日本への再入国を拒否され、自分の家にも帰ることができない、という苦しみを味わうことがありました。このことを通して「国を愛する」という想いを強くしたように思います。いえ「国を愛した」というよりもそこに住む人々や、自然への愛でした。

 「愛する」ということは自分の内側から自然にわいてくるものであって、スローガンのように掲げたり、ちゃんと愛しているかいないかと他者が評価できるはずもありません。

 日本の北、サハリン(樺太)には旧日本軍に拉致された朝鮮人が四万人以上いて、いまだ何千人もの人が祖国に戦後一度も帰れず、いまもそのことだけを夢みて暮らしています。このように侵略や戦争によって、家族と祖国から引き裂かれた人々の抱く「愛国心」は、日本に住み、国を奪われたことのない人々のいう「愛国心」とは比べようもない別のものです。

 日本が「愛国心」ということばを使うとき、アジアの人々は無残に殺された家族の記憶をたどるでしょう。日本の愛国心が、過去にアジアの人々を死に追いやったのですから。そして多くの日本人も「愛国心」のもとに亡くなっていったという歴史をこのことばは背負っています。

 「愛国心」は戦争を呼び、死をまねく恐いことばでもあるのです。

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