書評Books 過去から問われる教会の「罪性」

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

東京基督教大学学長 山口陽一

『BC級戦犯にされたキリスト者
中田善秋と宣撫工作』
小塩海平 著
四六判・定価1,100円(税込)
いのちのことば社

中田善秋は日本神学校在学中の一九四一年、徴用でフィリピンでの宣撫工作に従事します。「宣撫」とは占領地の住民を懐柔することで、プロテスタントの工作班は一年で帰国しますが、中田は「日比両国のかけ橋になりたい」と一人現地に残ります。

一九四五年二月、日本軍はマニラの南八十キロのサンパブロで抗日ゲリラ掃討を名目に、華僑などの住民約七百人を虐殺しました。中田は二十数名を救出しますが、ラグナ俘虜収容所でBC級戦犯に問われます。助けられたフィリピン人は「日本人だから」中田を処刑すべきだと証言します。重労働三十年の刑を言い渡された中田は、復讐としての戦争裁判であると憤ります。しかし、巣鴨プリズンに移された中田は、戦後七年を経て自らの不当な苦しみは、戦争の犠牲となったアジアの人々が味わった苦しみであると考えるようになり、釈放運動にもかかわらず、内なる罪の自覚から出所を拒否します。一九五五年に釈放された中田は、教会に戻ることなく、家族には戦犯であったことを語らず、ただ死を前にした妻に洗礼を授けたとのことです。

二〇〇〇年に八十四歳で亡くなった中田の未公開資料は内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)に託され、「中田善秋研究会」が設立され、豊川慎の研究が発表され、二〇二一年にはNHKの番組「クローズアップ現代」が中田を特集し、巣鴨のキリスト者たちの文集『信友』は二〇二二年に復刻されました。

小塩海平は、日本人の加害性に着目することで「福音宣教」と「宣撫工作」を峻別し、この峻別ができない戦中戦後の教会を問います。小塩は、中田が戦犯とされてアジアの人々の苦しみを知り、宣撫伝道の悪を認識し、主の祈りの「われら」や使徒信条の「われ」において、この悪と対峙する教会論を模索したと考えます。一方、神学校や日本の教会は、宣撫伝道の罪性に気づかず、中田と母を迎えた神学校の会でも二人の苦しみは理解されなかったようです。小塩は、中田は教会に戻らなかったのではなく、戻るべき教会がなかったのであると洞察しています。

The Cross Pendant

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Emmanuel

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