日本同盟基督教団・安城中央キリスト教会 伝道師 山下 亮
「すべてのことを、不平を言わずに、疑わずに行いなさい。それは、あなたがたが、非難されるところのない純真な者となり、また、曲がった邪悪な世代のただ中にあって傷のない神の子どもとなり、いのちのことばをしっかり握り、彼らの間で世の光として輝くためです。」
(ピリピ二・一四~一六前半)
この聖書のみことばは、私が就職活動に励んでいた日々の、所属教会の年間テーマ聖句でした。
そして、同時にそれは私自身の就職活動のテーマ聖句ともなりました。
いのちのことばをしっかり握り、彼らの間で世の光として輝くために、これから導かれる企業へ遣わされていく。そのように意気込んでいた日々を、あらためて懐かしく思い出しています。
それは、今回の特集、「落ち着かない時代に、じっくりと聖書を読もう」というテーマで執筆の依頼をいただいたためです。
企業で働いていた頃のことを振り返りつつ、また、今日のコロナ禍の状況に思いをめぐらしながら、あらためて日々の歩みの中で聖書を読むことについて考えてみたいと思います。
毎日朝早く起きて、じっくりと聖書を読む時間をとって、心も体も整えられて仕事へ向かう……という生活リズムで歩めたらどれほど素晴らしいだろうか―。
そのような姿を理想としながらも、私自身の現実は、時間との戦いの連続で、朝五~十分のみことばと祈りの時間をコンパクトにとる、という慌ただしい朝が多かったことを記憶しています。
どうしても朝に時間をとれないときもしばしばありました。そのようなときは、覚えている暗唱聖句をいくつか思いめぐらしながら会社へ向かう、ということを次善の策として用いていました。
そんな私にとって、じっくりと聖書を読むことができる時間、それは、カフェに立ち寄るときでした。
その頻度は月に一~二回と、じっくり聖書を読む時間としてはとても十分な頻度ではないでしょう。それでも、コーヒーを飲みながらじっくりと聖書を読む時間は、私にとっては憩いのひと時でした。
聖書を読むことを通して、仕事を通して、人間関係を含むさまざまな失敗や自分自身の醜さといった、あらゆる罪に気づかされ、いたたまれない思いになります。彼らの間で世の光として輝くため、という姿には程遠い、哀れな現実に直面させられるのです。
だからこそ、日々みことばに養われ、みことばが教えている基準に照準を合わせることの大切さに気づかされ続けました。人を恐れずに、神を恐れ、神に信頼するようにと、繰り返し、聖書のみことばから励まされた経験が思い出されます。
また、当時は、教会でもお互いに日々のデボーションの分かち合いをする時間がありました。そのような交わりを通しても、慌ただしい日常の中にあってみことばに聴き続けることを励まされました。
やがて私自身は、牧会の働きをするように召され、退職し、神学校での学びへと導かれました。
二〇二〇年三月に神学校を卒業し、妻と二人の子どもたちと共に伝道師として派遣されましたが、それはちょうどCOVID-19の感染拡大と重なるタイミングでした。人々の生活様式も大きく揺さぶられ、変化を強いられる日々が続いています。
COVID-19の影響で働き方に大きな変化を強いられた方も少なくはないでしょう。在宅勤務といったような生活様式の変化は、ご自身の聖書を読む習慣にも多かれ少なかれ影響を及ぼしているのではないでしょうか。
今回、執筆をするにあたって、かつての職場の上司や大学時代の友人(いずれもクリスチャンです)の近況を伺いました。在宅勤務によって、通勤をしなくなることに伴う運動不足解消のために、ランニングなどに励む時間、家族との関わりや家事の時間にもその時間が振り分けられているようです。
同時に、その時間の一部を用いて、朝に散策をして、屋外でみことばに親しむ時間や、夜に聖書のみことばを聴く時間を確保している、と伺いました。働き方の変化による、時間の用い方の変化においては、このように、お一人おひとりにおいて、さまざまな工夫が必要とされていることでしょう。
COVID-19の影響による働き方の変化は、私たちの時間の用い方だけでなく、人間関係にも変化をもたらしているのではないでしょうか。在宅勤務もその一例ですが、良し悪しは別として、お互いの物理的距離が離れるようになりました。
あるいはそのような状況の中で、人間関係が希薄になり、その楽しみも悩みも、以前より薄れていることはないでしょうか。
このことによって、「曲がった邪悪な世代のただ中にあって……いのちのことばをしっかり握り、彼らの間で世の光として輝くため」という私たちの意識が薄れることがないようにしたいと願います。
日々みことばに聴き、みことばを握って、主の証人として歩みつつ、周囲の人々のただ中に遣わされていることを心に留めたいと思います。
落ち着かない時代の中にあっても、私たちは、弱さの内にある私たちを強めてくださる、不変の神のことばに信頼し、聴き従い続けましょう。
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