18章は「バビロンの滅亡」について書いている。先週も指摘したように、バビロンとはローマ帝国のことである。当時キリスト教徒は、帝国による厳しい迫害にさらされていた。あからさまにローマを批判するような言葉は口に出せない。だからヨハネは、過去の歴史的出来事に言及するようなふりをして「大バビロンが倒れた」(2)と言い、それによってローマ批判を行ったのだ。これは、一種の暗号である。
序でに少し脇道に逸れるが、我々の教会の門の上には「イクシュスというギリシャ文字のついた魚の形が掲げられている。「イエス・キリスト・神の・子・救い主」と書き、その頭文字を取って順番に並べると「魚という単語になるところから、迫害時代のキリスト教徒たちは密かな信仰告白として、あるいは支配者側に気取られずに相互に連絡をとるための暗号としてこれを用いた。それと同じである。
しかし、なぜ「バビロン」なのか?当時、黙示録を読むすべての人にとって、「バビロンは、歴史的大事件と結びついた周知の名前だったからであろう。
紀元前7世紀後半、メソポタミヤではそれまでのアッシリヤに代わってバビロニヤが覇権を握り、当時の世界(中近東)を支配するようになった。代表的な王はネブカドレツアル(605-562)である。彼は大軍を率いてユダヤを侵略し、紀元前587年には首都エルサレムを占領する。こうして南王国ユダは滅亡、主だった人々はバビロンに強制連行された。名高い「バビロン捕囚」である。イラクのフセイン大統領が親衛隊の一つに「ネブカドレツアル軍団という名を与えたと言われたが、それはこの有名な王のイスラエルに対する圧倒的な勝利にあやかりたいと思ったからであろう。
ところが、紀元前539年には新興ペルシャ帝国のキュロス王がバビロンを征服し、50年間捕囚であったユダヤ人を解放する。この「捕囚からの解放は、「出エジプト」(エジプトでの奴隷状態からの解放)と並んで、深く民族の記憶に刻まれた。
ヨハネ黙示録が「大バビロンが倒れた」と書いたのは、「バビロン捕囚からの解放という民族の記憶を呼び起こしながら、「今のローマ帝国による支配・迫害も決して長くは続かない、やがてバビロンと同じようにローマも倒れて、我々は解放されるということを言うためであったろう。
「倒れた。大バビロンが倒れた」(2)。大ローマも倒れる。その理由が3節に挙げられる。「地上の王たちは彼女とみだらなことをしたからだ」。これは歴代の皇帝たちの退廃を指しているのであろう。「みだらなこととあるが、これは必ずしも性的な退廃に限らない。もっと広い意味で、人間的な退廃である。
たとえば、紀元37年から41年まで皇帝の位にあったカリグラは、自分は神であると言ってエルサレム神殿に自分の像を建てさせようとしたほか、ありとあらゆる悪行で知られる。最後は暗殺されたこの皇帝を描いた映画を見たことがあるが、胸が悪くなるほどだ。次に帝位に就いたクラウディウス(41-54年)は、四番目の后に毒を盛られて殺される。次が有名なネロ(54-68年)である。ローマの大火の元凶であり、キリスト教徒に罪を転嫁して迫害した。後に自殺する。ネロの後はしばらく収拾のつかないほどの混乱が続き、陰謀・暗殺・反乱・戦争が渦巻く。黙示録が書かれた頃の皇帝はドミティアヌス(81-96年)だが、彼は皇帝礼拝を推進するなど、多くの悪政を行った。そして、あろうことか自分の妻に殺される。「そこは悪霊どもの住みか、あらゆる汚れた霊の巣窟、あらゆる汚れた鳥の巣窟、あらゆる汚れた忌まわしい獣の巣窟となった」(2)と言われているのも、あながち誇張とは思われない。
皇帝ばかりではない。「地上の商人たちは、彼女の豪勢なぜいたくによって富を築いた」(3)。無論、ヨハネはここで「商いそのものが悪いと言っているわけではない。商行為は人間の生活にとってどうしても必要なものだ。どこの社会でも、謙虚な商人たちが慎ましく商いをしているお陰で、人々の暮らしは成り立って行くのである。だが、時として度を越したボロ儲けをして傲り高ぶる人々が現れる。
エゼキエル書26章以下に、海洋貿易で栄えた地中海岸沿岸の都市ティルスのことが書かれているが、この町の貿易業者たちは、美しく性能の優れた船を作り、地中海のあらゆる港と往来して商売をし、莫大な富を築いた。27章には品目リストが出ているが、それによれば銀・鉄・錫・鉛・青銅などの金属から馬・軍馬・らば・羊・山羊などの家畜まで、象牙・黒檀・トルコ石・さんご・赤めのうなどの高価な材料や宝石類から毛織物・亜麻織物などの布地、小麦・きび・蜜・油・乳香などの日常の食料品に及んだ。奴隷もある!ティルスは大いに栄え、そして傲り高ぶる。「わたしの姿は美しさの極みと己惚れた。
だが、エゼキエルはこの町に向かって「お前の心は富のゆえに高慢になった(28,5)と言い、だからバビロンのネブカドレツアル王によって滅ぼされると預言したのである。「軍馬のひづめで、町並みはすべて踏みにじられ、民は剣で殺され、巨大な柱は地に倒れる。彼らは財宝を奪い、商品を略奪し、城壁を破壊し、華やかな宮殿を壊し、石や木や土くれまで海に投げ込む」(エゼキエル書 26,11-12)。
そして因果は巡り、そのバビロンも傲り高ぶりのゆえに倒れる。「おごる平家は久しからず」。これが世界史の鉄則なのだ。旧約聖書はこのことを証言する。ヨハネが絶えず念頭においていたのはこのことであった。そして、「おごり高ぶって、贅沢に暮らして(7)いるローマも同じように倒れる、と警告する。「わたしの民よ、彼女から離れ去れ」(4)。今、世界の先進国と言われる国々は、アメリカも日本も、このこと心に留めるべきではないだろうか。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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