17章全体の見出しは、「大淫婦が裁かれるである。こういう表現にはいかがわしい響きがあっていささか辟易するが、ここに秘められた意味を探らねばならない。
旧約の預言者がしばしば都を女性に喩えていることは参考になろう。例えばイザヤは、エルサレムを「シオンの娘と呼び、この都が神の戒めに背いて信仰的・道徳的に堕落したときは、「どうして、遊女になってしまったのか、忠実であった町が(1,21)と嘆いた。ヨハネもこの章の最後で種明かしをしている。「大淫婦とは、「地上の王たちを支配しているあの大きな都のことである(18)。
では、この「大きな都とは何か? 「多くの水の上に座っている(1)とあるし、5節にも「大バビロンと言われているから、これはバビロンだとも思える。バビロンはユーフラテス川から引かれた無数の運河の上に栄えた都であった。しかし、ヨハネはここで「バビロンの名を使ってはいるが、実は別の町のことを考えている。ローマだ。
「地上の王たちは、この女とみだらなことをし、地上に住む人々は、この女のみだらな行いのぶどう酒に酔ってしまった(2)というのは、皇帝も市民もローマで爛熟した甘い生活に「はまっていたことを意味しているであろう。
ヨハネはまた、「赤い獣にまたがっている一人の女(3)の幻を見た。13章でもそうだが、「獣とは邪悪な政治体制のことである。それは「赤い色をしていたという。当時、赤は大変に高価な色であった。そう言えば、大淫婦も「紫と赤の衣を着ている。そして、「金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものや、自分のみだらな行いの汚れで満ちた金の杯を手に持っていた(4)。つまり、ローマは爛熟した物質文明の中にどっぷり漬かっていた。物の本によると、上流階級の人々は横になったままの姿勢で飲んだり食べたりし、腹が一杯になると別のものを味うために、わざわざ胃の中のものを吐き出して口をゆすぎ、さらに飲み食いを続けたという。「グルメブームにうつつを抜かしているどこかの国に似ている。
さて、この獣は「全身至るところ神を冒涜する数々の名で覆われて(3)いた。つまり、これは本質的に神に逆らう体制であって、「七つの頭と十本の角(3)を持つ。これについては7節以下で謎めいた解釈がなされているが、ここでは詳しく述べる時間がない。要するに第一世紀にローマを支配した皇帝たちのことだ、と言うに止めよう。歴代皇帝の内、何人かはまともだったが、カリグラ、ネロ、ドミテイアヌスなど、多くは道徳的退廃と理不尽なキリスト教徒迫害で知られている。
肝心なのは14節だ。「この者どもは小羊と戦うが、小羊は主の主、王の王だから、彼らに打ち勝つ。小羊と共にいる者、召された者、選ばれた者、忠実な者たちもまた、勝利を収める。小羊とはキリストのことである。「獣はキリストに勝てない。
卓越した経済力と軍事力によって当時の全世界を一極支配した大帝国、華やかな物質文明が次第に爛熟して行く中で贅沢をほしいままにしていたこの大帝国、皇帝を神として礼拝することを求め、自己絶対化の中で誇り高ぶっていたこの大帝国といえども、小羊(キリスト)には勝てない。これは、長く続いた迫害の後で事実となった。
第四世紀前半コンスタンテイーヌス帝のとき、この帝国は「奴隷の宗教といわれたキリスト教に屈服する。コンスタンテイーヌスはキリスト教に改宗、やがてローマはキリスト教を国教とするに至るのである。
先週の現代聖書研究会で、私は旧約聖書に出て来る巨大な海中の怪物「レビアタンについて話した。17世紀の英国の政治思想家トマス・ホッブズが近代国家の在り方を説明するためにこれを持ち出したことは知られている。彼は『リヴァイアサン』(英語風の発音)という本でこう述べた。―― 人間は自然のまま放っておくと、「万人が万人と戦うという状態になってしまう。これを避けるためには、個々人が自分の権利を放棄して主権者(=王)に委ねるのがよい。主権者が「リヴァイアサンにも比べられるような大きな力を持つことによってのみ社会の秩序は守られる、というのである。
ところで、最近「リヴァイアサンに言及した人がいる。福田和也氏は4月15日の朝日新聞夕刊で米国の思想家R・ケーガン氏の論文「強さと弱さの内容を次のように紹介した。―― カントの『永久平和論』のような、人間理性の進歩によって戦争は廃絶できるという理想論は現代ではもう通用しない。人間の自然状態は「万人が万人と戦う(ホッブズ)ことであり、これを克服することができるのは、「リヴァイアサンのような「怪物的な権力による恐怖と暴力だけだ。そしてそれは、軍事・経済・情報などすべての分野において卓越した力を持つアメリカである、云々。
ケーガン氏は「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)の中心人物で、この政策集団の発起人には、イラク戦争の主役を担った閣僚たちがずらりと名前を連ねているという。福田氏はこう言う。「アメリカは、自らをリヴァイアサンだと任じ、国際法も国連も無視して、圧倒的な武力で理不尽に敵を叩き潰してみせた。
アメリカは、その比類のない富と強さによって今の世界を動かす巨大な力である。正に現代の「レビアタンであり、「大淫婦にも似ていないことはない。だから、アメリカは秘められた意味を悟らなければならないだろう。このような巨大な力は、本当の意味で歴史を決定することは出来ない。「レビアタンは被造物の中で最も巨大で強力な存在だが、裁きの日に、「主は、厳しく、大きく、強い剣をもって逃げる蛇レビアタンを罰する(イザヤ書 27,1)と言われている。また、「小羊は主の主、王の王だから、彼らに打ち勝つ。これこそ、歴史の秘められた意味であろう。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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