既に気づいている人も多いと思うが、ミカ書 4,1-3 の内容は、イザヤ書 2,2-5と殆ど一字一句、同じである。
ミカは、紀元前8世紀後半に南王国ユダで活躍した預言者で、イザヤとは時代も場所も近いから共通点が多い。ただ、イザヤがエルサレムの上流階級の出身であるのに対してミカは農村地帯の出身だと言われている。このことが、両者の思想や表現にいくらかの違いを与えている。だが、社会の不正を糾弾して主の裁きを預言している点、また、そのような不正な社会に対しても終わりの日における神の救いを約束している点では、本質的に同じである。今日の箇所についても、「ミカがイザヤの言葉を取り入れたのだ」とか、「いや、その逆だ」といった議論があるようだが、二人とも共通の関心を抱いていたので期せずしてこの言葉に注目した、ということではないか。
さて、ミカ書の見出しは「終わりの日の約束」となっている(イザヤ書は「終末の平和」)。「終わりの日」とか「終末」というのは、聖書の基本的な信仰の一つである。「終末」と言うと直ぐに「恐ろしい破滅」を連想する人も多いようだが(死!)、実は恐ろしいばかりではない。
例えば、私は歯医者が苦手で、ガリガリが始まると自然に体が強張ってしまうのだが、その時、「こんなことが永遠に続くわけではない。直ぐに終わるさ」と自分に言い聞かせて苦痛に耐える。このように、「終わる」ということは、場合によっては慰めともなる。
我々の世界には苦しみや悲しみが満ちているが、神がやがてそれを終わらせて、真の平和(シャローム=人間の本来の姿)を来らせて下さる。その希望を、聖書は「終末」というのである。
現在の世界の現実は、ミカがこの直前の段落に書いている通りだ。「指導者たちは正義を忌み嫌い、まっすぐなものを曲げ、流血をもってシオンを、不正をもってエルサレムを建てる…」(9節後半-11節)。今の日本にも、これはそっくり当てはまるであろう。権謀術策・談合・汚職・暴力等々。だが、このような暴力と不正の支配も、永遠に続くわけではない。それは必ず終わる。必ず!
「終わりの日に」と預言者たちは言う。「主の神殿の山は、山々の頭として堅く立ち、どの峰よりも高くそびえる。もろもろの民は大河のようにそこに向かう」(1)。これを、傲慢な「ユダヤ教絶対主義」と解釈すべきではない。「主の教えはシオンから、御言葉はエルサレムから出る」(2)も同様で、いわゆる「シオニズム」の意味に取るべきではない。そうではなく、正義と公平を求める神の意志が、やがてすべての人に正しく理解される、ということであろう。終わりの日には、必ずそうなる。
その日には、「主は多くの民の争いを裁き、はるか遠くまでも、強い国々を戒められる」(3a)。この言葉には、現代にも通用するようなリアリテイーがあるのではないか。「多くの民の争いを裁き、はるか遠くまでも」というのは、全世界的(グローバル)な広い視野のことのように受け取れるし、「強い国々を戒められる」というのは、「神は大国の横暴を喜ばれない」という意味に読める。その点で、この聖句は極めて現代的な意味合いを持つ。
現代では、超大国アメリカを旗頭に先進八カ国が世界を動かしているが、これはしばしば横暴である。そのことに抗議するために、途上国の意見を代弁しようとする人々がここ数年、サミットの会場に押しかけているが、暴力行為は良くないとしても、主は「強い国々を戒められる」という聖句を反映しているようにも思われる。この言葉には、強い国々は真剣に耳を傾けなければならない。
さて、その後で、あの美しい言葉が来る。「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」!
周知のように、この聖句はニューヨークの国連ビルの、道路を隔てて向かい側の壁に刻まれている。これは、国連が発足した時の理想であった。また、マヘリヤ・ジャクソン(アメリカのゴスペル・シンガー)は繰り返してこの聖句を歌い、聴衆に感銘を与えた。さらに、1981年、NATOの「中距離核ミサイル配備」に反対して世界中に平和デモが広がった時、東独(当時)の教会青年たちが勇気を奮って胸につけたバッジにもこの聖句が記されていた。二千数百年前に語られた言葉が、現代社会の中でこれほどの影響力を持ち得たのは、驚くべきことである!
しかし、我々は同時に、自分たちの胸に巣食っている諦めについても知っている。すなわち、――このような理想は、この世では遂に実現不可能なのではないか、だから預言者たちも「終りの日に」と言ったのだ、という諦めである。
だが、何も努力しない内から「そんなことは不可能だ」と決めてかかるのは良くないであろう。良い例を挙げたい。――中米のコスタリカは人口約350万人、面積は四国と九州を合わせたほどの小国で、しかも北はニカラグア、南はパナマという紛争多発地帯と国境を接する。この国が1949年に成立した現行憲法第12条で、いくつかの条件つきだが、「軍隊は廃止する」と明確に規定した。さらに83年には「積極的永世中立」を表明、軍隊を持たないが故に信頼されて、中米諸国の「和平サミット」の開催にこぎつけた。今日まで50年、問題は起きていないという。87年には、アリアス大統領に「ノーベル平和賞」が授けられた。
これを見ても、聖書の言葉には現実的な力があるということが分かるだろう。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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