エホバの証人の統治体を超えて正しいことを発表するのはエホバにせん越なことですか

 

User:Alecmconroy - Created on en:wikipedia by User:Alecmconroy and ready for transfer to Commonsエルサレム会衆からアンティオキア会衆に長老がやってきて聖書的に不正確なことを教えました―その時パウロはどうしたでしょうか

  パウロは、真理にいた期間は、エルサレム会衆の長老団よりも、短かったのですが、「パリサイ人で，民のすべてから重んじられる律法教師」ガマリエルについて聖書を勉強していました。(使徒5:34)それで、パウロの聖書の知識は、非常に詳細なものでした。

   パウロは、「たとえわたしが話し方の点で熟練していないとしても，知識の点では決してそうではありません。」と語ったことがありました。ですから、聖書に関する知識と理解という点で、パウロはエルサレム会衆の長老団より、優れていたと言えるでしょう。(コリント第二11:6)

   そのために、パウロは、キリストの到来と共に、ユダヤ教が廃止され、律法を守る必要がなくなったということを、聖書から理解をしていました。(ローマ10:4。エレミヤ31:31,32)それで、パウロは、まず、当時のクリスチャン会衆の中心部に働きかけました。

　パウロは「エルサレムにいる使徒や年長者たち」と話し合いをしに行ったと聖書は記しています。(使徒15:2)その話し合いの際、ペテロは割礼を守る必要はなくなったと述べました。(使徒15:10,11)また、ヤコブは聖書の預言に基づいて、非ユダヤ人のクリスチャンがモーセの律法の要求に従う必要はないという結論を出しました。(使徒15:15-19)

　そして、その結論を諸会衆に知らせました。その時、エルサレム会衆の長老団は、正しい反応を示したと言えます。彼らは聖書を考慮して、それに基づいて判断を下しました。

　ところが、ガラテア人への手紙によると、後になって使徒ペテロは、その時に得られた結論から離れてしまったようです。割礼組、すなわち、モーセの律法に従うべきだという考えを持っていた長老たちに対する遠慮から、エホバに受け入れられるようになった異邦人のクリスチャンとの交わりを避けました。(ガラテア2:12)

　その時、パウロは、どうしたでしょうか。自分より、真理において長いエルサレム会衆の長老団のペテロや「割礼組」の聖書から逸れた意見を重んじて、自分が聖書的に正しいと考えることを黙っていたでしょうか。(ガラテア2:12)　パウロは、自分が聖書的に正しいと考えることをその当時エルサレム会衆の長老団の主なメンバーであったペテロにはっきり言って、非難しました。(ガラテア2:11,14)

 

 Rembrandt's Two old men disputing, 1628. This painting has been thought to depict Peter and Paul.新参者のパウロはエルサレム会衆の長老団の主要なメンバーに聖書からはっきりと話しました

　　さらに、パウロは、エルサレム会衆の長老団の考えと異なることを、他の会衆の成員には、黙っていたでしょうか。そうではなく、パウロは、エルサレム会衆の長老団が正しいことを発表するのを待ちませんでした。

　確かに、エルサレム会衆の長老団は、話し合いで、正しい結論に達したと考えられるものの、聖書的な理解で、弱い所があつたので、真理からそれそうになったのです。　パウロは、エルサレム会衆の長老団に対する働きかけがが十分に効を奏しなかった時、自分が聖書的に正しいと信じることを、エルサレム会衆の長老団を通さずに、発表しました。パウロはそのことについて諸会衆に直接手紙を書きました。

 パウロはエルサレム会衆の長老団の発表を待たずに諸会衆へ聖書的な正しい理解を伝えました 

　パウロは、そして、キリストの到来と共に、クリスチャンは律法を守る必要がなくなり、割礼を受ける必要がないことを聖書から論じました。(ガラテア2:16)

　パウロが行なったことは、せん越だったでしょうか。パウロが諸会衆に書いた手紙が聖書の一部になりました。このことは、使徒パウロの行動をエホバ神が是認されたことを示しています。パウロは、イエスから直接任命を受けた「諸国民への使徒」として聖書の中で尊ばれています。(ローマ1:5;11:13)

　そして、結局、当時のエルサレム会衆の長老団に属する長老が書いた書物よりも、パウロが書いた書物の数と量が多くなりました。パウロが第一に従ったのは、エホバ神であり、聖書でした。パウロは、聖書の正確な知識において勝っていたので、エホバに用いられたと言えます。

　パウロは、一世紀のエルサレム会衆の長老団の権威に盲従はしませんでした。聖書に第一に従いました。ですから、今日、もし、エホバの証人の統治体の聖書的な解釈に間違いがあると考える場合、統治体が、聖書の正しい解釈に到達して付き従うようになるのを待つのではなく、統治体の経路を通さずに発表することは、決してエホバを超えたせん越なことではありません。　それは、一世紀のパウロのやり方に従っています。エホバ神に是認されることです。

　今はネットの時代なので、自分が聖書的に正しいと考える真理を、ブログやホームページを使って公表することもエホバに是認されると思います。それは、パウロが行なった方法と調和しています。