啓示17章－新・大娼婦が座る緋色の野獣は何を表わすか(23)北の王のキリスト教に対する態度と事態

　北の王は、当面、自国が南の王の攻撃に成功するという預言に関心を持つだろうことが予期できます。　北の王は、真のキリスト教にどのような立場をとるでしょうか。 

(1)北の王はおおむね背教したキリスト教に考慮を払う 

　北の王は、「要害の神に対しては，自分のその地位からも栄光を帰する。」ということが預言されています。(ダニエル11:38)「要害の神」に栄光を帰するとは、何を意味するのでしょうか。わたしは北の王は、「要害の神」つまり、北の王がエホバ神の真の崇拝に敬意を示すという意味なのかと解釈してきました。 

　北の王は「子羊のような二本の角」のある野獣になるのですから、キリスト教に考慮を払うのは確かです。(啓示13:11)彼は、改宗することになるでしょう。しかし、ダニエル書の他の聖句は、北の王が聖書に不忠実なクリスチャンを「滑らかな言葉」によって「背教に導き入れる」と預言されています。(ダニエル11:32)ですから、その改宗するキリスト教は、背教したキリスト教でしょう。

北の王は子羊のような二本の角のある野獣で一見キリスト教に見える 

　聖書は、南の王に対して攻撃を加えるために緋色の野獣に加わる者たちが、「命の巻き物」にその名が記されていないことが預言されています。(啓示13:3,8)「命の書」に名が記されていない者は、「火の湖に投げ込まれ」るという前途があると述べられています。(啓示20:5)ですから、聖書は北の王と彼に従って緋色の野獣に属する者たちが復活しないことを預言しています。 

 ですから、北の王は真のキリスト教に改宗して、南の王に攻撃を加えることができないことが分かります。ですから、北の王が考慮を払うキリスト教はおおむね背教したキリスト教です。

   

(2)北の王は真のキリスト教の預言に触れる機会もあるでしょう 

　しかしながら、その流れで、真のキリスト教の預言に触れる機会もあるでしょう。しかしながら、北の王は真のキリスト教に改宗する程までは、真のキリスト教に注意を払わないでしょう。しかしながら、北の王は、「その父たちの知らなかった神に対して，金により，銀により，宝石により，望ましい物によって栄光を帰する。」と預言されています。(ダニエル11:38)それで、北の王は、キリスト教を攻撃しながら、キリスト教のためにお金を使うという矛盾したことをします。 

(3)二人の証人が殺される結果世界の宗教情勢はどうなるか 

　ダニエルの預言は、神にささげられる賛美の犠牲が取り除かれてしまうことを預言しています。(ダニエル11:31)二人の証人は実際に命を失うクリスチャンも多いでしょう。ですから、この預言が成就する時、キリスト教はかってなく世界的に低調になり、無神論やイスラム教が隆盛を極めそうになるでしょう。しかし、違った方向に動く事態の変転があるでしょう。 

　というのは、イスラム教の北の王は、キリスト教国に敗北して、おそらくキリスト教のプロテスタントに改宗することになります。ダニエルの預言では、北の王は、「聖なる契約をひぼうし」「聖なる契約を離れる者たちに考慮を払う」ことが預言されています。(ダニエル11:30) 

　「聖なる契約を離れる者たち」つまり、聖書中の聖なる契約から背教する者たちに北の王は注意を払います。(ダニエル11:30)

つまり、彼は、背教したキリスト教に改宗します。おそらく、米国の主流のキリスト教教派であるプロテスタントになるのではないかと思います。 

北の王が考慮を払うのは背教した戦うキリスト教 

　北の王は、「子羊のような二本の角」を持つ野獣となることが預言されています。(啓示13:11)それで、キリスト教の本拠地が荒廃するのは、キリスト教の内部の宗派の争いという事になるのでしょう。それは「違反」のために起こります。(ダニエル8:12) 

　ですから、北の王がキリスト教に改宗することにより、キリスト教の勢力はある程度保たれることになるでしょう。 

(4)預言が成就しおそらく米国の捕らわれのクリスチャンたちも解放され神が高められる 

　このことが起きたなら、それは神が存在しないことを意味してはいません。物事の進展は、かえって真のキリスト教の預言に注目させることになるでしょう。聖書はそのように事態が発展することを予告していたのですから、聖書の背後に預言に霊感を与えられる真の生ける神が存在することを示しています。 

　さらに、おそらく外部から神は人を遣わして、米国に捕らわれになっているクリスチャンたちが捕らわれから解放されるように取り計らわれるでしょう。(イザヤ43:14)そして、解放されたクリスチャンの一部は、故国に戻って、再び真のキリスト教を再開するでしょう。しかし、その時は、大患難の直前ですから、クリスチャンは山に逃げなければなりません。(マタイ24:15,16) 

　多くのクリスチャンたちは山に逃げることにより、命を保つことができるでしょう。このような事態の変転は、聖書の神に誉れをもたらすことになるでしょう。(啓示7:11-15) 

　しかしながら、この二人の証人がローマカトリックとギリシャ正教会の教会員たちであるという解釈はまだ一考の余地があるかもしれません。まだ、この解釈に反する聖書的な根拠を見つけたら解釈の変更をするかもしれませんので、申し訳ありません。