イザヤ37章・み使いによるアッシリア軍の滅びは預言されていた

　ユダの王ヒゼキヤの時代にアッシリアが攻めて来てエルサレムを包囲しましたが、エホバはみ使いを遣わしてアッシリア軍を全滅させました。(イザヤ37:16)  イザヤ書を調べると、攻撃の際、アッシリアがどのように考えるかということや、超自然的な仕方でエホバがアッシリアを滅ぼすことが預言されていました。

　まず、エルサレムを攻撃する時にアッシリアがどのように考えて行動するかをエホバはイザヤ10章で預言されました。アッシリアは多くの諸国家を倒したので、エルサレムを倒すのも容易なことだと考えることが預言されていました。(イザヤ10:7)

　多くの諸国家は偶像の神に頼っていました。それで、アッシリアは、偶像に頼っていたアルパド、ハマト、サマリアなどの国々を倒したように、エルサレムも倒すことができると考えました。(イザヤ10:9-11)　それで、アッシリアの王は簡単にもろもろの諸国家の資産をかき集めることができると考えます。(イザヤ10:12)

　しかし、イザヤ10章によると、エホバ神はご自分に対するアッシリアの高ぶりを清算すると予告されました。アッシリアが諸国家を倒すことができたのは、その頼っていた偶像の神々が人の手の作、木や石であったからです。(イザヤ37:18,19)しかし、エルサレムで崇拝されていたエホバ神は違いました。

　エホバ神はエルサレムを防御し、助けることのできる生ける神でした。(イザヤ31:4)ところが残念なことにエホバ神を正しく崇拝していたのは、少数のユダヤ人だけでした。エルサレムの大多数の人々も諸国家の偶像に頼っていました。

　それで、エホバ神はエルサレムを背教の国民と呼んで、アッシリアを「わたしの怒りのためのむち棒」として遣わすと言われました。(イザヤ10:5,6)

AllenGathman(whip1)アッシリアはエホバの怒りを表すむち棒になることが預言されていました

　また、イザヤ31章の中では、神はアッシリアを「人間のものではない剣」によって倒すことが預言されました。(イザヤ31:8)そして、エホバはエルサレムを防御することを宣言され、イスラエルに偶像の神々から真の神のもとに帰るよう勧められていました。(イザヤ31:5,6)

　イザヤ37章によると、これらの預言がどのように成就したかが分かります。　アッシリアの王は高官ラブシャケを遣わして、アッシリアはハマト、アルパド、サマリアなどの偶像の神々に頼る諸国家も滅ぼしたのだから、エホバはエルサレムを救い出せないと言いました。そして、エルサレムの人々に降伏するようにと要求しました。(イザヤ36:16,19;37:11-13)

Sennacherib(as crown prince) on a relief from the Khorsabad,nowin the Louvre.(sennnacherib8)セナケリブのレリーフ

アッシリアは人間のものではない剣によって倒されることが預言されていました

　まさに、アッシリアの王セナケリブは、イザヤ10章に予告されていたようにエルサレムのヒゼキヤ王に言い送りました。エホバ神に頼っていたヒゼキヤ王はエホバ神に祈り、また、イザヤにそのことを言いました。

　エホバ神は、アッシリアがエルサレムに入ることはないこと、エルサレムを防御することを明言されました。(イザヤ37:33,35)　そして、そのことは、エホバが前もって形造っていたことだと言われました。「あなたは聞かなかったか。遠い昔の時代から、それがわたしの行うことである。昔の日から、わたしはそれを形造りさえした。今、わたしはそれをもたらす。」とエホバは言われました。(イザヤ37:26)

　そして、「わたしは必ずあなたの鼻に鉤を、あなたの唇の間にくつわを付け、あなたが来たその道を通って、確かにあなたを連れ戻すであろう。」と予告されました。(イザヤ37:29)

 エホバの宣告通り、エホバの使いが出ていき、アッシリア人の陣営で十八万五千人を打ち倒しました。朝には、アッシリアの兵士は死がいとなっていました。(イザヤ37:36)預言されていたように、アッシリアは人のものではない剣、つまりみ使いによって滅ぼされました。(イザヤ31:8)

Imagefrom page 816 of "The art Bible, comprising the Old and newTestaments : with numerous illustrations" (1896)by InternetArchive Book Images (hezekiah6)ヒゼキヤはエホバに祈り預言されていた通りエホバはみ使いを遣わしてアッシリア軍を倒しエルサレムを防御されました

　それで、預言されたようにアッシリアの王は、引き揚げてニネベに帰らなければなりませんでした。(イザヤ37:36)

　こうしたことは、この終わりの時にも起きます。終わりの時に、北の王は大患難の後、しばらくの期間全世界を支配しますが、山に逃れて平穏に暮らしている神の民を攻撃して、その資産を略奪しようと考えるようです。(エゼキエル38:8,13)北の王は、非常の大勢の軍勢を使って神の民を攻撃します。

　おそらくその時も北の王は非常に不信仰な考えに影響されて山に逃れている民の神が、偶像の神と同じだと考えるのでしょう。その時、昔良い王ヒゼキヤに支配されていたエルサレムを守られたように、エホバ神は神の民を防御されます。

　しかし、北の王の総攻撃を受ける前に、天的希望を持つクリスチャンは、おそらく北の王によって滅ぼされていると考えられます。(ダニエル8:24)しかし、北の王の総攻撃に対して、エホバ神の怒りが表され、北の王とその軍勢は超自然な仕方で滅ぼされます。(エゼキエル38:21-23)

　また、聖書は神の民が大患難の前にも北の王によっても攻撃されることを予告しています。神の民の律法違反のために、神の民は北の王によって攻撃を受けますが、残念ながら、その時には超自然的な神の助けはないようです。(ダニエル8:12)　

　しかし、その時、神の民は、預言が成就したことを見分けて、自分の足で再び立ち上がることができるのかもしれません。(啓示11:11)また、仲間から少しの助けを受けることはあるでしょう。(ダニエル11:34)

　エホバ神は、ご自分の民が罪から潔白になるために、諸国民から攻撃を受けることを許されます。(ダニエル11:35)私たちは淫行、偶像崇拝その他の神の律法違反を退け、エホバ神だけを崇拝しましょう。