啓示15・16章－七人のみ使いが七つの災厄を注ぎ出す(9)神の怒りの鉢が注がれる地とは何か

啓示15・16章－七人のみ使いが七つの災厄を注ぎ出す(9)神の怒りの鉢が注がれる地とは何かそれはいつか?

　啓示16章から、七人のみ使いは神の怒りの七つの鉢から地に注ぎ出します。それは、聖なる所から出る大きな声が七人のみ使いにそう命ずるからです。(啓示16:1)そして、第一の者が鉢の中から地に注ぎ出すと野獣の印を持ち、野獣の像を崇拝している者たちに、悪性のかいようが生じました。(啓示16:2)これは、何を意味するのでしょうか。

(1)第一の者が神の怒りを注ぎだす地とは何を意味するのか 

　この第一の者は、地に神の怒りを注ぎ出します。(啓示16:2)一方、第二の者は、海に注ぎ出します。(啓示16:3)この第一の者が神の怒りを注ぎ出す「地」とは何を意味するのでしょうか。 

　啓示の書には、対照的な地と海がよく出てきます。(啓示7:1;12:12)比ゆ的な地にも海にも人が住んでいます。地は海よりも安定しています。(イザヤ57:20,21)そして、地は天の女を救助する側に立つことさえあります。(啓示12:16)しかし、地から野獣が出て来る場合があります。実際、北の王は地から出てきます。(啓示13:11)そして、地に住む者たちは、致命的な打ち傷から回復した野獣をみな崇拝することさえします。(啓示13:3,4,12)

　また、地に住む者たちは、野獣に惑わされます。(啓示13:14)地に住む者たちは、エホバ神を確固として崇拝しているわけではないからです。それゆえに、神は地に住む者たちを試みられます。(啓示3:10)

　ですから、地に住む者たちとは、神の民の側に立つことがある一方、時代の潮流に動かされて野獣の崇拝に傾く傾向がある一般社会を表わしていると解釈していいのではないかと思います。

(2)この預言が成就し始めるのはいつか 

  第一の者が地に神の怒りの鉢を注ぎ出すと野獣の印を持ち野獣を崇拝する者たちに悪性のかいようが生じる時とは、いつなのでしょうか。第一の者が鉢から地に注ぎ出した時に、野獣の像が存在していました。(啓示16:2)啓示13章によると、「子羊のような二本の角のある野獣」が地に住む者たちに「剣の一撃を受けながら生き返った野獣のために像を作る」ように提唱します。(啓示13:11,14) 

子羊のような二本の角を持つ野獣は・・・・ 

北の王・・・・     

　これは、ダニエル書に預言された、北の王が「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を据えることと同じことを指していると考えられます。(ダニエル11:31)「嫌悪すべきもの」とは像を意味します。(エゼキエル7:20)北の王は荒廃をもたらす像を作ったことになります。 

北の王は・・・・ 

野獣の・・・・ 

野獣の像つまり荒廃をもたらす嫌悪すべきものを造るーこの時に神の怒りの鉢が地に注がれる 

　それで、第一の者が神の怒りの入った鉢を地に注ぎ出すのは、北の王が南の王に対する二度目の総攻撃に失敗して後、聖なる所を汚す、つまり、あるエホバの崇拝の拠点を軍事攻撃し、荒廃させる時のことです。(啓示16:2)その時とほとんど同時に、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」が据えられることになっています。(ダニエル11:31) 

　その野獣の像が存在するようになってから、七人のみ使いの第一の者が、神の怒りの入った鉢を地に注ぎ出します。(啓示16:2)たぶん、この怒りの鉢を注ぎ出す絶好のタイミングというのがあるのでしょう。(伝道の書3:1)