イザヤ1章・犠牲を捧げても神が祈りを聞かれない理由―殺人と心霊術と淫行と不公正

　エホバ神の是認を得るために、ただ単に多くの犠牲を捧げても無駄です。イザヤ1章には、昔のユダが多くの犠牲を捧げても、神が祈りを聞かれないということが述べられています。

　「あなた方の多くの犠牲は、わたしに何の益になろう。」とエホバ神は言われています。さらに、神は、「雄羊の全焼燔の捧げ物や肥え太らせた動物の脂はもう沢山だ。わたしは若い雄牛や雄ヤギの血を喜ばない。」と言われます。(イザヤ1:11)

(animalsacrifice)ユダは神の多くの動物の犠牲を捧げましたが神から無益だと言われました

　エホバ神は、「あなた方がたなごころを伸べるとき、わたしはあなた方から目を隠す。たとえあなた方が多くの祈りをしようとも、わたしは聴いてはいない。」と言われています。ユダの人々が多くの犠牲を捧げても、ユダの人々の祈りが聞かれないのはなぜでしょうか。

(prayer52)神がユダの捧げた多くの祈りを聴いてはいないと言われたのはなぜだったのでしょうか

　エホバ神は、昔のユダを「ソドムの命令者たちよ。」また、「ゴモラの民よ。」と呼ばれました。(イザヤ1:10)ユダの人々がソドムとゴモラに関連付けられているということは、ユダの人々は同性愛をしていたのかもしれません。　そして、イザヤは、「わたしたちの神の律法に耳を向けよ。」と言いました。(イザヤ1:10)

　ユダの人々は神の律法に耳を背けてそれに違反していました。そのために、たとえ多くの犠牲を捧げても彼らのエホバ神への祈りは聞かれませんでした。ユダの人々は、何をしていたのでしょうか。

　神は祈りを聞かれない理由として、第一に流血、つまり殺人を挙げられています。「あなた方のその手は流血で満ちている。」と言われています。(イザヤ1:15)ユダの町々には、「義が宿って」いました。しかし、今は、「殺人をする者たち」がいるようになりました。(イザヤ1:21)

Bloodyfingers ... 78/366 by Skley (bloodyhand1)ユダの手が流血にまみれていたので神は祈りを聞かれなかったのです

　

　イザヤが存命中に治めた王の中で、ヒゼキヤの父だったアハズはエホバの目にとても悪いことを行いました。アハズの時代にユダは堕落しました。聖書はアハズが自分の子たちを偶像の神に火で焼いて捧げたことを示しています。(列王第二16:3)　　ですから、アハズの悪い手本はユダの人々に悪影響を及ぼし、ユダの人々は、自分たちの子供たちだけでなく、他の人々の命を奪うことを何とも思わなくなったでしょう。

　　また、ヒゼキヤが真の崇拝を回復させる努力を払った後、ヒゼキヤの子マナセは、また、ユダをはなはだしく堕落させました。イザヤが死んでしまった後のマナセの治世中には、エルサレム全体に殺人がはびこるまでになったことを示しています。　イザヤの努力にもかかわらず、ユダの人々は、悪い王たちの影響力によって悪の淵に沈んだのです。(列王第二21:16)

　さらに、ユダの人々は心霊術にも陥りました。モーセの律法は占い、魔術、魔法、霊媒などあらゆる形の心霊術を禁じていました。(申命記18:10-12)ところが、イザヤによると、ユダの人々はエホバの崇拝のための大会や集会の時に、「怪異な力」に頼りました。(イザヤ1:13)

　聖書は「怪異な力」を用いることと占いの罪を関連付けています。(サムエル第一15:23)ですから、怪異な力を用いるということは、心霊術に頼ることを意味しています。　　聖書は心霊術の背後に悪霊がいることを示しています。(使徒16:16)それで、ユダの人々はエホバを崇拝しながら、悪霊崇拝とかかわっていました。当然、エホバ神は、ご自分に捧げられる犠牲を嫌悪されました。

Tarotcards, Oracle Cards, Runes, Crystal Healing, Divination Techniques byemerald_sa (divination3)占いや魔法などの心霊術は悪霊と関係することになり神との良い関係のためには避ける必要があります

　エホバ神は、犠牲として捧げられた「香」について、「わたしの忌むべきものである」と言われました。(イザヤ1:13)また、ご自分の崇拝と悪霊崇拝を混ぜ合わせることについて神は、「わたしは我慢できない。」と言われています。(イザヤ1:13)　それで、神へどんなに多くの犠牲を捧げたとしても、殺人や心霊術などの神の律法の違反がある場合、それはエホバ神にとって嫌悪すべきものであり、神の是認は得られないことを知っておくべきです。

　また、神の是認を失わせたユダの振る舞いの中に、やもめや父なし子を不公正に扱い虐待したことが含まれていました。(イザヤ1:17,23)それで、エホバ神は、社会的な弱者を思いやりをもって扱うことを求めておられます。(詩編68:5。マタイ7:12)　　エホバ神は、シングルマザーの家庭や、孤児ややもめを虐待しないように、その訴えや言い分に耳を傾けることを求めておられます。

　　また、イザヤ1章の中では強調されてはいませんが、イザヤはユダの人々が「姦淫」や「売春」を行ったことを非難しています。(イザヤ57:3)ですから、ユダの人々は性道徳に関するエホバ神の基準も踏みにじっていました。　　それで、神の是認を得るために、単に神に犠牲を捧げるだけでは不十分であることが分かります。殺人や心霊術や淫行に関する神の律法を守ることが求められます。

　そうしなければ、神の是認と保護は得られません。また、祈りを聞いていただくこともできません。また、加えて、社会的な弱者に対して思いやりをもって接することをエホバ神は求めておられます。

　　エホバ神の是認を得るために、神の律法に違反する殺人、心霊術、淫行、同性愛などを避け、社会的弱者に思いやりをもって接することに心がけましょう。