神がこの事物の体制に終わりをもたらされるのは不当なことですか

　神は、人間の自由意志を尊重していないでしょうか。また、神はご自分がいなくても人間社会が機能するように造るべきでしたか。神はこの事物の体制の終わりにはご自分の支配権を認めない人々を滅ぼされます。これは、不当なことですか。考えてみましょう。　

　神は、ご自分の支配権を尊重しない人々を滅ぼすことを警告しておられるので、神は人間の自由意志を尊重していないでしょうか。　神は、エデンの園で、アダムに、ご自分に逆らって善悪の知識の木の実を食べるならば、死ぬと警告されました。(創世記2:17)神が人間にご自分の支配権を尊重するように求められたのは不当なことだったのでしょうか。

　アダムとエバは、神の支配権に逆らいました。(創世記3:6)しかし、その後、エホバ神は、アダムとエバを即座に滅ぼされるのではなく、自分たちで生き続けるに任せました。しかし、聖書はアダムが930歳で死んだと述べています。(創世記5:5)

　アダムが死んだのは、神の人間の設計が不完全だったからでしょうか。そうではありません。聖書は神の「み業は完全」だと述べています。(申命記32:4)神は人間が生き続けるために周到に最善の準備をされました。

　神は人間が存在できるように宇宙を細心の注意を払って準備されました。　　例えば、科学者は、重力、電磁力、弱い核力、そして強い核力のすべてを支配する定数が、ある狭い範囲の値をとって初めて、生命が存在できることを明らかにしました。これらの定数が注意深く設定されていないと、生命にとって必要な原子、分子、元素、恒星、及び惑星は存在し得ないのです。　　物理学者のポール・デイビーズは、「誰かが自然界の数字を微調整しました」と述べました。

HorseheadNebula(cosmos1)神は生命を存在させるために宇宙を創造された時に物理の法則すべてを微調整されました神は人間が存在するようになる幾十億年も前から人間を生き続けさせるために最善のことを取り計らわれました

パラダイムの転換　

　この物質宇宙の物理の法則は人間や生命が生きられるように神によって微調整されています。　　また、この地球は、その上に生命が存続するために、銀河系の中での位置も、太陽からの位置も、ここでなければならないという位置にあります。神は、地球上に生命が存続できる位置に地球を置かれました。

SolarSystem, in Perspective by NASA Goddard Photo and Video(solarsystem1)地球は生命が存在するのに太陽からの距離はここでなければならないという位置にあります

　多くの科学者は、宇宙が約145億年前に始まったと考えています。ですから、神は、地球上に人間や生命が存続できるように最善の努力を払われ、そのための準備は、何十億年も前から始まっていました。

　

　また、神は健康に永遠に人間が生き続けられるように、自然界の病原菌に対処する免疫の機能を人間に与え、また、自然界に健康に良いありとあらゆる種類の植物と物質を備えました。

FreshVegetables by ConstructionDealMkting(vegetables6)神が人間の健康に良いありとあらゆる食物を備えられたことは神が人間の最善の益を図っておられることを示しています

　ですから、神は、愛と親切に基づいて、人間がいつまでも生き続けることを願っておられ、そのためにありとあらゆる準備をしてくださいました。　　しかし、今、人間がいつまでも生き続けることができないということは、そのための必須の条件が満たされていないことを意味します。人間は平和に幸福に生き続けるためには、人間は、神の支配権を尊重する必要があります。

　　神は、人間のために、最高の努力を払われたのですから、物質の体でなる人間が神に依存し続ける必要があるのは、人間の本質です。　　物質の体の人間は本来滅びる有限の存在です。(詩編103:15)物質の体でなる人間は、神に維持していただいて初めていつまでも生き続けることができる存在なのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(flower)物質の肉体の人間は野の草花のように滅びる存在なので生き続けるために神に支えていただく必要があります

　また、人間は神から知性と自由意志を与えられています。ですから、もし、その自由意志がひとりひとり無制限に行使されるならば、必ず分裂と不一致が生じます。　しかし、神は宇宙と知的な被造物の間で、ご自分との間に、また被造物の間に平和と一致があることを望まれました。その理由で、エホバ神は、知的な被造物に、ご自分の支配権を尊重することを求められます。

　　　完全に創造されたアダムやその時代の人々が非常に長生きしたにもかかわらず最後には死んでしまったことは、人間が生き続けるために、神の支配権を尊重する必要性を証明しています。　そして、アダムの子孫の歴史が戦いと流血で満ちていたことも、人間が平和に幸福に生き続けるために神の支配権を尊重する必要があることを示しています。

AerialBombing by The National Archives UK (war)人類の歴史に戦いが絶えなかったことは人間社会に神の支配権が必要であることを示しています

　それで、人間には、自らを平和と幸福の内に支配していく力はありません。聖書は、「人が人を支配してこれに害を及ぼした」と述べています。(伝道の書8:9)人間が他の人間を支配すると多くの場合、虐待が生じます。(伝道の書4:1)

　神の支配権を尊重するというのは、人間が平和に幸福に生き続けるための唯一の方法です。また、それが最大多数の人間男女にとって最善の結果をもたらします。それ以外の支配形態は人間に害をもたらします。(伝道の書8:9)

　　人間は、自由意志を最大限に行使して、あらゆる政治形態を試して失敗しました。ですから、神は、辛抱強さの限りを尽くしても最終的には、最大多数の人間の幸福のために、ご自分の支配権をあくまでも認めようとしない人間を滅ぼすとしても仕方のないことです。

　神は私たち人間の生殺与奪の完全な権利と力を持っておられます。(使徒12:21-23。ルカ12:20,21)しかし、神はそのような力があるにもかかわらず、人間に対して最大限の辛抱強さを示されます。

　最後に、神がこの事物の体制を終わらせる時は、神を信じない人々が神を愛して神に従う人を攻撃して滅ぼそうとする時です。(エゼキエル38:18-22)ですから、神が何もしなければ神に信仰を抱く人々が滅ぼされてしまうというタイミングです。　　神が、ご自分の民を総攻撃して滅ぼそうとする人々を滅ぼされるのは、ご自分に頼る人々を守るためです。ですから、最後には、神がこの事物の体制を終わらせるのは正当なことです。

　神は、この事物の体制が存続することを許されて、人間に最大限に自由意志の行使を許されます。しかし、人間が平和と幸福のうちに永遠に生き続けるためには、その自由意志は、ある程度制限される必要があります。　それで、神がご自分の支配権に対する権利を主張されて、最終的には、神の支配権を認めない人が滅ぼされたとしても、神は不当なことをされたと言うことはできません。

　神が人間に対してなさることは、愛の気持ちから人間の最善の益を図って行っておられるのです。私たちは愛の神エホバを信頼して崇拝しましょう。(ヨハネ第一4:8)