箴言29章・すぐに激怒する者は多くの違反を犯す
正しいか間違っているかは別として、私は最善を尽くしましたが、これらは私の意見を表明しているだけです。
ことわざにも短気は損気という言葉がありますが、聖書はすぐに激怒する人が罪を免れないことを述べています。箴言には、「怒りやすい者は口論をかきたてる。すぐに激怒する人は多くの違反をおかす。」と述べられています。(箴言29:22) ですから、激しやすい人は、人々の間に争いを引き起こし神の目に罪を犯しがちです。しかも、その罪は数が多くなります。すぐに激怒するという特質は、神に是認されません。短気、すぐに激怒するという特質を持っているならば、私たちは、自分の感情を制御するように努めるべきです。 すぐに激怒して、罪を犯したどんな人の例が聖書に登場するでしょうか。例えば、弟のアベルを殺したカイン、エホバの崇拝者たちを殺したサウル王の例があります。 カインは、エホバへの捧げ物として地の実りを捧げました。そして、弟アベルは羊の群れの初子の中から捧げました。エホバはアベルの捧げ物を好意をもってご覧になりましたが、カインとその捧げ物に対しては好意を示されませんでした。すると「カインは非常な怒りに燃え」ました。(創世記4:3-5) エホバ神は、「なぜあなたは怒りに燃えているのか。・・・善いことを行うようになれば、高められるのではないか。」と述べて、カインが罪を犯す危険があること、怒りを制御して良いことを行うようにとわざわざ助言されました。(創世記4:6,7) しかし、カインは自分が低められたことに激怒しました。ですから、カインの怒りは、カインの謙遜さの欠如ゆえでもありました。また、聖書はアベルが兄弟カインに対して愛を抱いていたことを示唆しています。(ヨハネ第一3:11,12)ですから、アベルが生きていれば、アベルの存在はカインにとって益になることもあったはずです。しかし、アベルは怒りのゆえに洞察力も示しませんでした。 また、カインはアベルに対するねたみを抑えませんでした。そして、神の助言を考慮して、善いことを行うように努めることもありませんでした。カインは自分の怒りの感情に任せました。 その結果、カインはアベルを殺すという大罪を犯しました。(創世記4:8)その結果、例え、地を耕しても実りを得られないというのろいを受け,その罪のために逃亡者になりました。(創世記4:9)
Sacrifices of Cain and Abel (cainabel3)カインはアベルの捧げ物が是認されたので非常な怒りに燃えてアベルを殺害するという大罪を犯しました また、サウル王も怒りに任せて行動しました。ダビデが戦いにおいて勝利を収めた時に、人々は「サウルは千を討ち倒し、ダビデは万を。」とサウルよりもダビデを褒めました。すると、「サウルは非常に怒るようになり」ました。(サムエル第一18:7,8) サウルがすぐに激怒したのは、 サウルの謙遜さの欠如も災いしていました。私たちは、自分よりも有能な部下から益を得ることもできます。ダビデが戦いにおいて有能であることは、サウルの軍隊が強いことを意味したので、サウルにとっても益になったはずです。しかし、サウルは、「まだ彼に与えていないのは王権だけだ。」と述べて、ダビデを自分のライバルとして、敵対視するようになりました。(サムエル第一18:8)Saul and his men searching for David. (saulanddavid1)サウルはダビデが自分より褒められたことに激怒してダビデを殺そうとしました また、サウルはダビデの人間性に洞察力を働かせませんでした。ダビデの方では、サウルを押しのけて王になろうという意図は少しも持っていませんでした。(サムエル第一24:6)しかし、サウルは、ダビデの命をねらうようになり、ダビデを何度も殺そうとしました。それだけでなく、サウルはダビデを助けたエホバの祭司たちとその家族を殺しました。(サムエル第一22:16-19) エホバの祭司にしても、サウルに対して悪い意図は何も抱いていませんでした。(サムエル第一22:14,15)しかし、サウルは怒りに任せて洞察力を失い、エホバの民を大勢殺すという重大な流血の罪を犯しました。サウルの怒りは、サウルに多くの罪を犯させました。 聖書が述べている通り、すぐに激怒する人は、エホバの前に殺人などの大罪を犯す可能性が高くなります。またすぐに激怒する人は、謙遜さが欠けており、他の人の良い特質やすぐれた能力を高く評価するということがありません。高慢さのゆえに助言に耳を傾けなかったり、洞察力を働かせることができなかったりします。 もし、私たちがすぐに激怒する傾向があるならば、聖書を読んで、謙遜さや洞察力を身につけましょう。また、怒りにかられた時には、神に祈って怒りを抑えて罪を犯さないように努力しましょう。怒りを感じたら神に祈って制御する助けを願い求めるようにしましょう