米国政府はなぜ多国籍企業や他国の企業を大切にするべきですか

米国が多国籍企業や他国の企業を大切にするべきですか－それはなぜ米国の益になるのですか 

　米国トランプ大統領が中国やメキシコが米国の雇用を奪っていると言って非難しています。確かに米国や日本を初め多くの先進国の企業が中国を初めとして他の発展途上国に行ってしまったために、先進国の雇用が少なくなってしまっています。　しかし、こうした発展途上国の発展は米国にとっても益があります。 

①米国企業が多国籍企業となることが米国に及ぼす益 

   米国の企業はおおむね自発的に発展途上国に出かけて行きました。それは、発展途上国の方が人件費がずっと安いからです。国によっては人件費が六分の一、十分の一の違いがあります。 

   さらに、中国やメキシコなどの発展途上国政府も教育に大変力を入れ、それらの国の個々の人々も教育熱が高いために、高学歴の若者が豊富に存在しています。ですから、先進国の企業がそこに目をつけて、発展途上国に自発的に出かけて行きました。ですから、企業が外国に行ってしまうことは、おおむね発展途上国の責任ではありません。 

　多くの企業は多国籍企業となっています。そのようにして、企業は製品の価格を安くする努力を払っています。それは、企業が生き残っていくのに必要です。人件費を節約するならば、製品の価格を安くできます。さらに、発展途上国にも高い教育を受けた良い人材があるので、多くの場合、質のよう製品を作ることもできます。　しかし、自国の企業が生き残れないような政策をとると米国に不利になるでしょう。つまり、今でも米国の人件費が中国やメキシコなどよりも安いのは事実なので、もし、米国内で生産するなら、工業製品の価格は高くなるでしょう。すると、その製品はあまり売れないでしょう。すると米国企業が生き残るのが難しくなります。　確かに、日本や他の先進国は人件費が高いので、苦戦していますが、発展途上国が人件費が安いのは事実なので、発展途上国に工場を持つ企業や、発展途上国の企業の方が有利になるでしょう。 

②多国籍企業の製品や発展途上国の製品を輸入することが米国人の益になる理由 

　多国籍企業が価格を安くする努力をした製品や発展途上国の製品を輸入をすることは、おおむね先進国に住む人々にも益があります。企業は安い人件費で製品を作るならば、製品の価格を安くすることができます。そのため、多くの工業製品は、以前より非常に安くなってきました。 

　例えば、アップルはあるデータによると、発売当初220万円もしたので当然米国内でも売れなかったようです。しかし、アップルは中国に工場を作り、製品の質の向上に努力を払い、現在では日本円で12万円弱のアップルのパソコンもあるようです。

Apple II computer. On display at the Musee Bolo, EPFL, Lausanne.Rama…

1977年当時このアップル製品は約51万円あまりだったようです今はアップル社の努力でもっと安く購入しやすくなっています　ですから、パソコンの価格も数十年前からすると非常に安くなって以前とすると三分の一、あるいはもっと安い価格で手に入れることもできるようになっています。そのため、米国の人々の多くがパソコンを購入することができるようになりました。そのため、非常に多くの人々がインターネットを利用できるようになり、以前よりも容易に情報を入手することができるようになりました。 

　さまざまな家電製品やその他の日用品を安くで手に入れられるという事は、米国の人々の生活をより容易に豊かにすることになります。このことは、米国製品の自動車、その他の電化製品にも言えるでしょう。工業製品が安くなり、平均的な米国人の生活がより安い価格でさまざまな工業製品を利用できるようになっています。

 

自国の製品が安くなる方が市民の生活は豊かな楽しいものとなります

　私たちは、単に自国の製品や自国の衣料品や果物などの農業製品だけでなく、外国の製品を楽しむことができると生活が楽しくなります。ですから、米国も、世界中のさまざまな性能と特色を持つ製品を輸入して、楽しむことができます。自国の製品しか利用できないという事は、良い物を楽しむことができないことを意味し、生活から多様性を奪います。 

　そうした交流をすることはまた、ビジネスチャンスともなります。そして、他国の企業の製品から学んで、自国の企業も成長していくことができます。

③中国やメキシコなど他の発展途上国の人々の経済状況が良くなることが米国に益をもたらす理由 

　もし、発展途上国の人々が貧困にあえいでいる状況であれば、その国々の人々は、米国から商品を買うことはできません。中国やメキシコなど他の発展途上国が多くの商品を米国から買えるのは、発展途上国が経済力をつけてきたからです。 

 Wikimedia Commons.アメリカ系メキシコ人メキシコ人は経済的に豊かになったので米国製品を買えるようになった

④中国やメキシコなどの発展途上国が米国製品を大量に購入している 

Below is a list showcasing 15 of America’s top trading partners in terms of US export sales; that is, countries that imported the most American shipments by dollar value during 2016. Also shown is each import country’s percentage of total American exports.

Canada: US$266 billion (18.3% of total American exports)Mexico: $231 billion (15.9%)China: $115.8 billion (8%)Japan: $63.3 billion (4.4%)United Kingdom: $55.4 billion (3.8%)Germany: $49.4 billion (3.4%)South Korea: $42.3 billion (2.9%)Netherlands: $40.4 billion (2.8%)Hong Kong: $34.9 billion (2.4%)France: $32.4 billion (2.2%)Belgium: $32.3 billion (2.2%)Brazil: $30.3 billion (2.1%)Singapore: $26.9 billion (1.8%)Taiwan: $26 billion (1.8%)Switzerland: $22.7 billion (1.6%)

　2016年の時点で、メキシコは米国製品を購入するする国のトップ2で中国はトップ3です。両国とも従来発展途上国とみなされていましたが、経済発展を遂げたため、米国製品を大量に購入できるようになりました。ですから、メキシコが経済発展を遂げることは米国にとって輸出が増える結果になります。

　そして、中国やメキシコなどの発展途上国の人々の経済力がついてきた理由の一つは、多国籍企業が発展途上国で経済活動を行ない発展途上国の人々が経済的に向上したからでもあります。そのために、中国やメキシコなどの発展途上国が米国製品の良い買い手となってきました。 

　そして、中国やメキシコがこれからも経済的に発展していくならば、さらに一層、米国製品の良い買い手になるでしょう。それは、世界の他の国々に関しても言えます。経済的に発展していけば、そして、米国と平和的な関係にあるならば、南米やアフリカ、また、中東さえも、米国製品の良い買い手になっていくでしょう。　ですから、米国が中国やメキシコや他の発展途上国が順調に経済発展を遂げるように助けることは、結局米国製品の輸出が増えるという結果になります。それは、自国の企業が中国やメキシコなどの発展途上国で工場を建てて企業活動をすることを許すことも意味します。米国政府はとりわけ、隣国のカナダやメキシコなどとの関係を良好に保つことは米国にとって益になっていきます。 

　とりわけ、諸国家は平和である時、他国から輸入できるのですから、他国の平和を保ち、紛争がおこらないように助けて、経済的に発展していくようにすることは、結局米国の益になります。さらに、それらの米国と貿易関係のある発展途上国を軍事的に攻撃して、その経済力を損なわないようにすることが必要であることは言うまでもありません。

　米国は、メキシコとも良い関係を保つことがとりわけ必要です。なぜならば、メキシコは隣国なのでメキシコの米国からの輸入量はとても多いです。メキシコは、米国製品の非常に大きな買い手になっています。 

　　あるデータによると、メキシコは、電気・電子機器 21.5%、産業用機械 14.5%、　自動車および同部品 12.0% などを輸入しています。そして、メキシコの輸入相手国は米国、中国、日本の順になっていますが、米国からはなんと49%、つまりメキシコの輸入額のほとんど半分は米国からです。それで、メキシコは確かに経済発展のために米国製品の良い買い手になっています。

 

⑤外国の政府や企業と友好的にビジネスをするべき理由

　経済状況の良い国を調べてみると、多言語ができる人の多い国家です。そして、他国との貿易などの交流を盛んに行っている国家です。例えば、アフリカはおおむね国民の収入が少ないですが、モルディブはアフリカで最も経済状況のいい国です。それはその国が他国との平和な関係を保ち、多言語国家であるからです。　シンガポール、ルクセンブルク、ドイツなど自国語だけでなく英語や外国語のできる人々の多い国々は、経済的に有利な立場に立ちます。さらに、それらの諸国家は移民や外国人を受け入れている国家でもあります。そのため、多くの諸国家と平和的な貿易や交流を行なう事ができ、それは経済的にプラスになります。

⑥米国が移民を受け入れ続ける方が米国の経済発展にとって益になる理由

　従来、米国は移民国家であり、米国内に多国籍の人々が生活しています。移民は自国の人々と貿易を行いそれは米国に収益をもたらしてきたでしょう。確かに、多くの移民が正規の法律的な手続きを踏まずに米国内に移住してくることが米国の悩みの種になっていることは理解できます。さらに、移民がさまざまな犯罪を引き起こすことが米国にとって悩みの種であることは理解ができます。

　しかし、そのような問題は、多くの移民を受け入れている国家で生じています。それらの国家は、諸民族が平和に暮らすように対策をとっています。シンガポールは、あまりにも、ひとつの国民や民族だけが固まって暮らしすぎないように、共に多民族が生活するように住宅に取り決めを設けています。その結果、シンガポールでは民族間の反感は抑えられているようです。

　さらに、移民に平和教育を行うことは、平和裏に諸民族が共存するように助けます。さらに、多くの場合、米国に新たに入ってきた外国人は、通常、米国民がやりたがらない重労働や単純労働を行ってくれるという実情があります。そのため、従来の多数派である米国の白人は、ホワイトカラーなどのより高給の職業につく機会が多く開かれているというのが実情でしょう。

　さらに、別の機会にまた詳しく述べますが、もし、米国が従来の多数派である白人に雇用をもっと与えたいということであれば、白人にもっと職業教育を施すことの方がもっと効果的です。その方が米国の全体的な経済発展をそのまま続けていくことができます。

 

　ですから、移民が存在することは、米国にとって経済的にプラスになっているはずです。

 

　

  

⑦経済的に密接な関係にある諸国家との共存を考える必要

　それで、今日、経済は多くの諸国家が互いに依存している状況なので、ただ単に米国の経済だけを考え自国の雇用の数だけを無理やり上げるということは難しいです。米国は経済的に密接に依存関係にある諸国家との共存を考える必要があります。つまり、ウィンウィンの関係を持つようにし、相互に経済発展を遂げるように協力することができます。　それで、中国やメキシコを始め、カナダや日本やドイツその他の経済的に密接な関係のある国と友好的な関係を保つよう米国にお勧めします。