啓示12章－(1)預言はどの時点を預言しているか

啓示12章－(1)預言はどの時点を預言しているか

　啓示12章の解釈にトライしてみます。啓示12章は要旨はこうです。天の女が登場し、天での戦争が預言されています。また、「神の王国とそのキリストの権威が実現した」という発表があります。(啓示12:10)天では、キリストの側の勝利ですが、地上では、天から追い落とされたサタンに、女は迫害され，女は逃げます。

啓示12章には太陽と月と星で装う女が龍に迫害され逃げます

(1)啓示12章がどのような文脈にあるか－啓示12章までの流れ

　啓示12章はどんな流れに置かれているでしょうか。啓示8章から11章までは、第一から第七のみ使いがラッパを吹きます。み使いがラッパを吹くと、通常、いつも、何らかのメッセージの発表があります。

啓示12章までに七つのラッパが吹かれるたびにメッセージが発表される

　啓示11章の預言では、二人の証人が大いなる都市で捕らわれになり、遺体として短期間にそこに置かれることになります。(啓示11:7,8)大いなる都市とは、大いなるバビロン、つまり、南の王米国を表わしているので、神の民の一部は、米国に捕らわれとして連れて行かれることになるようです。(啓示18:21)

二人の証人が大いなる都市大いなるバビロンに連れて行かれることが予言されている

　さらに、啓示11章では、第七のみ使いがラッパを吹くと、天で神の王国は神とキリストの王国になったという発表が大きな声で行われます。(啓示11:15)二十四人の長老が神に感謝をします。しかし、彼らは、「地を破滅させている者たちを破滅に至らせる時が到来しました」とも、言います。(啓示11:16-18)

七人目のみ使いがラッパを吹くと天に神の王国が設立されたという発表がされる

　エレミヤ書では、バビロンが「破滅を来たす山」と呼ばれ、エホバはバビロンを「攻め」ます。(エレミヤ51:25)ですから、エレミヤ書では、この「地を破滅させている者たちを破滅に至らせる時」とはメディア・ペルシャが、バビロンを攻める時になぞらえられる時です。その時になぞらえられる時とは、北の王が南の王に対して三度目の最後の総攻撃を加える時を意味しているのではないかと思います。(ダニエル11:40)

　啓示11章では、神の王国が成立したという発表があります。(啓示11:15-17)ですから、神の民が苦難を経験した後、神の王国が成立することになります。一方、啓示12章の神の王国が「実現した」とは、成立した神の王国がサタンの一味を天から投げ落とすことにより、実際に権威を行使したことを意味していると思います。(啓示12:10)

将来神の王国が勝利してサタンと悪霊が天から投げ落とされる

　ですから、啓示12章の神の王国が実現する時とは、大患難が起きる直前になるのではないかと思います。そして、サタンの一味が地上に投げ落とされて「災い」が「地と海」に起きるのですから、大患難という災いが起きることを意味すると考えるのは妥当ではないかと思います。(啓示12:2)

　しかし、天ではミカエルとその軍勢が勝利し、神の王国の権威が実現するとはいうものの、まだ地上にいる神の女は、地上で悪魔サタンの迫害により苦難を経験し続けます。

　それで、啓示12章までに天的な希望を与えられたクリスチャンは神からの音信を発表していかなければならないことが示されています。また、神の王国は大患難の前に天で設立するものと考えられます。また、神の王国が設立する前に、天的な希望を与えられたクリスチャンは悪魔サタンから逃げる必要が生じます。