ニサン14日－イエスにとって最も重要な日(3)

ニサン14日－イエスにとって最も重要な日(3)

   ニサン14日は、イエスにとって最も試練になった時であり、イエスにとって最も重要な日でした。イエスはこの日完ぺきにエホバ神に対する忠誠と信仰を守られ、首尾よく贖いの犠牲を備えることができました。「ニサン14日－イエスにとって最も重要な日(1)」と(2)で、ニサン14日の記念式の制定からイエスがゲッセマネの園で拘引されるまでどのように語られ行動されたかを考察しました。 

　今回、(3)では、大祭司カヤファや総督ピラトまたヘロデ王などの支配者の前で、贖いの犠牲を捧げるという預言の成就に協力して行動されたことを考察します。 

(1)大祭司カヤファの前で 

　イエスは、ゲッセマネの園で拘引され、大祭司カヤファの家まで連れて行かれました。イエスを拘引した人々は、イエスを殴って愚弄していました。そして、夜が明けた時、祭司長と書士たち、民の年長者会が共にサンヘドリンの広間に集まりました。(ヨハネ22:66) 

　大祭司カヤファの家で、多くの者たちが偽証をしてイエスに不利な証言をしました。(マタイ26:59)その間、大祭司が「何も答えないのか。これらの者があなたに不利な証言をしているのはどうなのか」と尋ねましたが、イエスは「黙っておられ」ました。(マタイ26:62,63)

　彼らは、イエスがご自分を神の子だと言ったことに基づいて、冒とくの罪で死刑に定めました。(マタイ26:65,66。マルコ14:61,62,64。ヨハネ19:7;22:69,70)当然、イエスは神のみ子でしたから、イエスがご自分を神の子だと言われたことは、何ら罪ではなく、真実を語っておられました。 

(2)総督ピラトとヘロデ王の前で 

   その後、イエスは、明け方になってピラトの所に連れて行かれ彼の前で審判を受けました。(ヨハネ18:28)6時頃だったかもしれません。その時、祭司長と年長者たちがイエスに不利な証言を多く行いましたが、イエスは、何の答えもされませんでした。(マタイ27:42) 

　神はピラトが罪を犯すことを免れるようにある程度助けようとされました。ピラトの妻に夢を見させて「義人」イエスの処刑にかかわらないようにと言わせました。(マタイ27:19)それで、イエスもピラトが正しい裁きをできるようにある程度助けました。　

　イエスは、民を駆り立てて、カエサルに対抗して、自分が王キリストだと言って反乱を起こしているとして、訴えられていました。(ルカ23:2,14)しかし、イエスはピラトに、ご自分の弟子たちがイエスを引き渡さないように戦わなかったことを述べられました。(ヨハネ18:36)また、イエスが税を払うことを禁じていたというのは、偽りで、イエスはカエサルに税を払うようにと言っていました。(マタイ22:21) 

　　しかし、イエスはピラトにご自分の王国がこの世のものではない事や、ご自分の地上の人生の目的が真理を証しすることであるということを立派に証しされました。(ヨハネ18:37)イエスは、苦難の時でも、ご自分が立派なエホバの証人であることを示されました。(イザヤ43:10)イエスは、支配者たちの前で立派に証言され、弟子たちに模範を残されました。(マタイ10:18) 

Christ in front of Pilateイエスはピラトにいくらか証しをされたが死刑になるために反対者におおむね反応されなかった 

  ピラトはイエスがヘロデの管轄区であるガリラヤから来ていることを知ると、ヘロデのもとに送りました。しかし、イエスはヘロデからかなり多くの言葉で質問をされましたが、イエスは何も答えられませんでした。しかし、祭司長と書士たちが次々とイエス・キリストを激しく訴えました。(ルカ23:9-11)ヘロデは、イエスをけなした後、ピラトのもとに送り返しました。 

   もし、イエスが饒舌にご自分を弁護しておられたら、イエスは見事に罪がないことを立証され、イエスを釈放せざるを得ないことになってしまったかもしれません。しかし、イエスは、ご自分が罪とされる時にどのようにふるまうかについてのイザヤ書の預言を覚えておられました。 

　そのイザヤ書の預言は、次のようになっていました。「彼は激しい圧迫を受け，苦しめられるままに任せていた。彼はそれでも口を開こうとはしなかった。彼はほふり場に向かう羊のように連れて行かれ，毛を刈る者たちの前で黙っている雌羊のように，自分も口を開こうとはしなかった。」(イザヤ

53:7) 

Paulイエスは毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように黙って苦しみに耐えることが預言されていた

 

　イエスは敵対者たちから不利な証言や非難をされる間、イザヤのその預言の言葉を心の中で思い巡らされたことでしょう。それで、イエスは、贖いの犠牲の死を遂げるという預言が成就するのに協力して、黙っておられました。 

　ピラトは、イエスが死に値することをしていないと気づいていましたが、群衆の要求に迎合して、イエスを杭につけるように引き渡しました。(ヨハネ19:4。マタイ27:26)イエスは贖いの犠牲を遂げるという預言が成就するように、ご自分が罪とされるままにされました。 

　イエスは預言が成就するのに協力されました。キリストが首尾よく贖いの犠牲となってくださったので、地上から人々が買い取られて十四万四千人は、神の王国に入ることができます。(啓示14:3)また、人類はその神の王国のもとでアダムが当初持っていた完全さにまで引き上げられ、神の王国の千年統治の後の試みの後、永遠の命を享受することができます。(啓示7:17) 

イエスが贖いの犠牲を備えてくださったために144000人と大群衆は永遠の命に導かれる 

　今年2018年のイエスの死の記念式は、3月31日(土)の日没後になります。イエスが死に至るまでエホバ神に忠誠を保って贖いの犠牲を捧げて下さったおかげで私たちは、罪が覆われ、天であれ、地上であれ永遠の命に導かれることになります。(マタイ20:28。ヨハネ3:16)エホバ神とイエス・キリストに感謝して、イエスの死の記念式に出席しましょう。 

2018年3月31日土曜日のキリストの死の記念式に出席してキリストの贖いの犠牲に感謝を表明しましょう