ニサン14日－イエスにとって最も重要な日(2)

(1)ペテロは不十分な信仰に基づいて行動しイエスの試みは最大限になった 

　イエスが祈りを終えられるとユダに率いられた群衆がイエスを捕えるためにやってきました。(マタイ26:46,47)イエスが捕えられたので、ペテロは、剣をとってイエスを守るために戦おうとしました。(マタイ26:50,51)しかし、ペテロは、「たとえ共に死なねばならないとしても，わたしは決してあなたのことを否認したりはしません」と言っていたように、戦って死ぬとしても、イエスの側に立とうとする気持ちがあったのです。(マタイ26:35) 

  しかし、イエスはペテロを制止して剣をもって戦うことを許しませんでした。(マタイ26:52)ペテロが剣を抜いたことは間違っていたのですが、ペテロは確かにイエスに対して忠誠心を持っていたのです。 

　後ほど、イエスが大祭司カヤファの家に拘引されて行った時も、ペテロはついて行きました。(マタイ26:57,58)他の弟子たちは、そこまでついて行ったという記録はありません。ペテロは、そこでイエスを三度否認してしまいました。(マタイ26:71.72,74)ペテロは、イエスが神の子でありキリストであるという信仰を持っていましたが、ペテロの信仰と忠誠心は十分強くありませんでした。(マタイ

16:16) 

Waiting For The WordBy: Waiting For The Word

Peter Denies Christ 1ペテロの信仰と忠誠心は十分に強くなくイエスを否認してイエスの試みを大きなものとした

   

 

　でも、イエスは、弟子たちによって救い出されるのではなく、捕えられて行かなければなりませんでした。イエスは、贖いの死を遂げなければならなかったのです。また、エホバ神は、イエスの忠誠が疑問の余地のないものであることを証明させたいと考えておられたのかもしれません。そして、イエスの忠誠があらゆる人を励ますものにしたいと考えておられたのでしょう。 

　そのために、イエスは、追随者も散らされ、孤立無援の立場になり、イエスにかけられたストレスはとても大きなものになりました。ゼカリヤ書に「牧者を打って，群れのものたちを散らせ。」という預言があり、それはイエスに成就しました。(ゼカリヤ13:7。マタイ26:31)「弟子たちはみな彼を捨てて逃げて」行きました。(マタイ26:56)しかし、イエスは、それでも、最後までご自分の信仰と忠誠を保たれました。 

　また、ペテロはイエスはご自分が死ななければならないと何度も説明していたのですが、そのことを十分理解していませんでした。(マタイ20:28;26:2)そのためにイエスを助けるために戦おうとしたことを制止されたことは、ペテロの気持ちをくじいたことでしょう。しかし、ペテロは、イエスが贖いの犠牲を遂げるために死ななければならないことを理解していなければならなかったのです。(マタイ20:28) 

　また、イエスは「人の前でわたしとの結びつきを告白する者は皆，人の子も神のみ使いたちの前でその者との結びつきを告白します。しかし，人の前でわたしのことを否認する者は，神のみ使いたちの前で否認されるのです。」と説明されていました。(ルカ12:8,9) 

　ですから、ペテロが人前で三度イエスを否認したことは明らかに、ペテロの失敗でした。それでも、ペテロがある程度の忠誠心を抱いていたことは事実でした。それで、イエスはペテロの信仰が尽きないように祈願されました。(ルカ22:32)そして、ペテロはイエスの復活後、イエスに対する愛と忠誠を再び表明する機会を与えられて、イエスとの関係を修復することができました。(ヨハネ21:15) 

(2)イエスは預言が成就するよう自発的に協力された 

　イエスは、ペテロに、「あなたは，わたしが父に訴えて，この瞬間に十二軍団以上のみ使いを備えていただくことができないとでも考えるのですか。」と言われました。(マタイ26:53)

そのように行動することによりみ言葉が成就するように、ご自分が進んで死のうとしておられることを示されました。 

Waiting For The WordBy: Waiting For The Word   JAMES TILLACK 

Waiting For The WordBy: Waiting For The Word   HERBERT RUDEEN - ear restored  イエスは進んで捕えられ預言が成就するよう協力された

 

　イエスは、エホバ神の長子であり、み使いの頭であったので、み使いに対しても強大な権力を持っておられました。(ユダ9)それで、み使いの十二軍団とは、み使いの全員ではないかもしれませんが、イエスは、相当数のみ使いたちを備えるようにエホバ神に依頼することができたのです。 

　しかし、イエスはご自分が贖いの犠牲を捧げて死ぬという預言が成就するようにみ父にそのような要請をすることはありませんでした。ですから、み言葉の預言が成就するために、み子の自発的な協力があったということが分かります。 

　それで、イエスは、ニサン十四日の最初に記念式を制定されました。そして、イエスにとって弟子たちがみなイエスを見捨てて散ってしまったことはイエスのストレスを大きくしました。そして、イエスの神への信仰と忠誠心は最大限に試みられました。しかし、イエスは、完璧に忠誠を守られ完全な贖いの犠牲を神に供えることができました。 

　今年は、キリストの死の記念式は、2018年3月31日(土)の日没後です。エホバの証人は、全世界の王国会館と他の施設で、記念式を祝います。イエスの死の記念式に出席して、イエスの遂げられた贖いの犠牲に感謝を表明しましょう。イエスの犠牲のおかげで、わたしたちは大患難を通過し、神の王国が完成し、人類が皆完全になり、永遠の命に導かれるという結果に導かれるのです。 

2018年3月31日(土)エホバの証人のイエスの死の記念式に出席してイエスの贖いの犠牲に感謝を示しましょう

 

　ニサン14日の残りの部分は、次の記事で考察します。