うつ病(3)-心理的な原因
正しいか間違っているかは別として、私は最善を尽くしましたが、これらは私の意見を表明しているだけです。
うつ状態、うつ病の原因またきっかけとなるものに、(a)人生における喪失体験や(b)対人関係上のトラブル、(c)オーバーワーク、(d)長期にわたるストレスなどがあります。
(a)喪失体験
1)人との離別を経験する。たとえば、身近な人(家族、知人、恋人など)との離別も喪失体験になります。
子供のヨセフが死んでしまったと考えた父親のヤコブは、そのまま死んでしまうのだと言って何日間も泣き続けました。(創世記37:34,35)
2)物や立場などを失う
財産などの金銭を失うあるいはなくす、また、職場でのリストラや左遷のように立場や収入を失う
Sacked Connaught workers lobby Norwich City Council by Roger Blackwell 失業はうつ病の原因になりうる 聖書の中では、ヨブという神の僕は、全財産を失い、十人の子供をなくし、体中に腫れ物ができるという病気になって、憂うつな気持ちになり死にたいと言いました。(ヨブ10:1) 3)身体の健康を害する(がんなどの重い病気になる)(b) 対人関係上のトラブル 対人関係上のトラブルもうつ状態やうつ病の原因になります。最近、多くみられるのは職場での人間関係のもつれなどです。(c) 身体的な疲弊(オーバーワーク) 企業によっては、夜遅くまで、就労を余儀なくされるところがあります。身体的な疲労が連日のように続くと、疲労が蓄積し、徐々に不眠や倦怠感がみられはじめ、ひいてはうつ状態にまで発展しかねません。専門家は、自分の精神的,情緒的,身体的な能力を超えることがはっきりしている」日課を果たそうとすることはうつ病を引き起こすと述べています。(d)長期にわたるストレスと思い煩い 英国に住む研究者のジョージ・ブラウンとティアリル・ハリスの行なった調査によると,うつ病の婦人は条件の悪い住居や緊張した家族関係といった「大きな困難」を抱えており,その割合はうつ病にかかっていない女性より3倍も大きいことが分かりました。そうした困難は,少なくとも2年間,「相当の,しかも大抵は絶え間ない苦しみ」を引き起こしました。 他にも、専門家は、うつ病の原因となるストレスを生む状況として、次のようなものを挙げています。『不幸な結婚,救いの手が差し伸べられないスラム生活,思いやりのない上司,長期に及ぶ戦い』などです。長期にわたるストレス、感情面の緊張はうつ病のきっかけとなります。 それでも研究者のブラウンとハリスは,うつ病の原因が逆境だけではないことに気づきました。また、クライン博士は,急な坂道を登る途中で故障を起こす車にうつ病患者をなぞらえ,次のように語っています。「その場合,ある意味では坂を登ったという事実がいけなかったのですが,また一方ではエンジンの調子がよかったら故障も起きなかったとも言えるでしょう。ですから,環境から生じるストレスが急に病気を引き起こすかもしれませんが,元々生物学的な欠陥,つまりエンジンに悪い所があるはずです」。 ですから、逆境はうつ病の原因、きっかけになりますが、研究者は、もともとその人自身の脳内に化学的不均衡を生み出す欠陥があるはずだと述べています。そして、多くの証拠は、ある種のうつ病に関しては、当人の考え方が脳内の化学的不均衡の重大な原因となることを示しています。 次回は、「うつ病(4)-うつ病になりやすい考え方」を取り上げます。[関連する記事]
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