裁き人2章・エホバの崇拝から引き離すアシュトレテの崇拝

正しいか間違っているかは別として、私は最善を尽くしましたが、これらは私の意見を表明しているだけです。

裁き人2章・エホバの崇拝から引き離すアシュトレテの崇拝

「こうして彼らはエホバを捨て,バアルやアシュトレテの像に仕えるようになった。」(裁き人2:13)

イスラエル人がエホバの崇拝から引き離された一因にアシュトレテの崇拝があります。聖書の中に出てくるアシュトレテの崇拝はどんな特徴があり、イスラエル人にどんな影響を与えたでしょうか。今日、私たちはエホバの崇拝から引き離されないようにどんな慣行に気をつけるべきでしょうか。

アシュトレテの崇拝は最初にカナン人の間で行なわれていました。カナン人が崇拝した神々の中で最も目立っていたのは、バアルでしたが、アシュトレテの崇拝も、バアルの崇拝と共に行なわれていました。アシュトレテとは、バアルの妻とみなされていた女神でした。

すでにアブラハムの時代には、アシュトレテにちなむ名前の都市がカナンにありました。(創世記14:5)また、イスラエル人がカナンの地を征服する前に、バシャンの巨人の王オグの居住地にアシュタロテという都市のことが述べられています。(申命記1:4)そこは、アシュトレテ崇拝の中心地だったのかもしれません。

パレスチナで出土するアシュトレテの女神の小立像は、性器を露骨に誇張した裸体の女神として表現されている場合が少なくありません。また、カナンを征服するにあたって、モーセの律法の中でカナン人の習慣である神殿娼婦や神殿男娼が禁じられていました。(申命記23:17)それで、バアルやアシュトレテの崇拝も含むカナン人の宗教は、売春や同性愛など堕落した性的慣行と関係していました。

カナン人の女神であるアシュトレテは、あるエジプトのテキストの中で、母神として、また同時に永遠に処女のままの神聖な娼婦として示されています。それで、アシュトレテの崇拝は、その偶像も示しているとおり、人間の肉欲に訴え、性的に腐敗堕落させる影響がありました。

イスラエル人は、カナン人を征服しましたがすべて打ち払うことはしませんでした。そのために裁き人の時代には、冒頭の聖句にあるように、エホバを捨てバアルやアシュトレテの像に仕えるようになりました。(裁き人2:13)

そのため、エホバはイスラエル人を周囲の諸国民の手に渡され、苦しむに任せました。それで、イスラエル人はバアルやアシュトレテの像に仕えたせいであることを認めて、敵の手から救い出してくださるようエホバに援助を叫び求めました。すると、エホバは裁き人を起こしてイスラエル人を救い出してくださいました。(サムエル第一12:9~11)

サウル王が死んだ時、フィリスティア人は、その武具をアシュトレテの像の家に置きました。(サムエル第一31:10)このことが示しているようにアシュトレテはフィリスティア人の戦いの神でもあり、彼らは戦いの勝利の誉れを自分たちの崇拝しているアシュトレテに帰しました。

ソロモン王が晩年になってエホバの崇拝から背教した一因は、シドン人の女神アシュトレテ崇拝にもありました。(列王第一11:33)ソロモン王は、異教の妻たちの影響力により、アシュトレテの偶像崇拝に陥ってしまいました。そして、ソロモン王は、シドン人の女神アシュトレテと他の神々のために高き所、即ち宗教建造物を築きました。(列王第二23:13)

ユダのヨシア王は、ソロモンの築いたアシュトレテと他の神々のための高き所を取り壊しました。それで、アシュトレテの崇拝は長い間、イスラエル人を宗教的に汚染し、エホバの崇拝から引き離していたことが分かります。

エジプトから出てまもない裁き人の時代のイスラエル人や、またエホバに忠実であったソロモン王や後世のイスラエル人がアシュトレテの崇拝に陥って、エホバから引き離されました。このことは、今日の私たちもアシュトレテの崇拝に気をつけなければならないことを示しています。

私たちは、聖書の高い性道徳の基準から引き離されたり、偶像崇拝に陥ってしまったりしないように、現代のアシュトレテの崇拝に気をつけなければなりません。

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