暴力的テクストに向き合う誠実さ

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

青山学院大学非常勤講師、中山キリスト教会牧師 河野克也

 

『旧約聖書の平和論 神は暴力・戦争を肯定するのか』
南野浩則 著
四六判・288頁 定価2,200円(税込)
いのちのことば社

 

本書はメノナイト派の旧約聖書学者、南野浩則氏による渾身の平和論です。平和(シャローム)を単なる「戦争がない状態」ではなく、「神の意志が実現している状態」と定義します。「戦争がない状態」は、往々にして圧倒的な軍事力・政治力によって他者を抑圧・平定することで勝ち取られる現実がありますが、それに対して著者は、聖書の平和は人の支配・圧政からの解放によって実現される、暴力を徹底的に排除した神の支配であり、聖書を「神のことば」と告白する私たちは、この神の価値観である「社会的な弱者の解放と人々が共に生きていける共同体づくり」(解放と共生)に参与することが求められていると主張します。それはメノナイト派の非暴力抵抗主義の背景から聖書の平和を解釈したものですが、聖書自身がその理解を提示しているということが、全体を通して説得的に論じられます。
本書の特徴の一つは、聖書中に存在する暴力的なテクストに正面から向き合う誠実さにあります(第1章)。戦争の記述は均質ではなく、エジプト脱出からカナン定着期においては「戦人(いくさびと)」として描かれる神ヤハウェへの信頼が強調されるのに対して、王朝時代には自国の軍事力への依存が増し、神ヤハウェの役割が縮小するように変化することが鋭く分析されます。ダビデがクーデターによって統一王国を成立させ、近隣諸国への侵略戦争を行ったとの指摘は、私たちに相当の覚悟を要求します。しかし著者は、王朝以前の記述さえ、ヤハウェの戦いをイスラエルの正義の戦争とするイデオロギーの表出として俎上に乗せます。旧約テクストの著者たちもそれを読む現代の私たちも、「自らの特定の価値観や社会的な状況を背景としながら」、それぞれに「解釈作業」を行っているという事実に正面から向き合う点もまた、特徴の一つでしょう(同氏の『聖書を解釈するということ』が参考になります)。
2章以下では旧約聖書の平和が非暴力、解放、正義、創造、抵抗の視点からそれぞれ説得的に提示されます。より深く学ぶためにも、ディスカションの問いや参考文献などを記した手引きを作っていただけると感謝です。
(月刊「いのちのことば」二〇二二年十一月号より)

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