列王第二22章・判断の間違いで早死にしてしまった良い王ヨシヤ

列王第二22章・判断の間違いで早死にしてしまった良い王ヨシヤ

「ヨシヤは治めはじめたとき，八歳で，エルサレムで三十一年間治めた。そして，彼の母の名はエディダといって，ボツカト出身のアダヤの娘であった。」(列王第二22：1)

　エホバに是認され、エホバの目に正しいことを行なうよう努力した王の治世は長い傾向があります。なぜなら、エホバの保護があったからです。しかし、冒頭の聖句にあるようにユシヤ王は、39歳の若さで死にました。ヨシヤ王はエホバの目に正しいことを行なうように努力したのに、なぜ比較的に早死にしたのでしょうか。病弱で比較的に短命であったと考えられるヒゼキヤ王も54歳まで生きていました。

ヨシヤ王が短命であったのは、エジプトの王ネコの言葉に聴き従わなかったためです。エジプトの王ネコはユーフラテスのほとりで別の王と戦うために出てきました。ヨシヤは戦うために出て行きました。

ネコはわざわざヨシヤに使者を遣わして、自分が戦うのは別の家に対してなのだから、自分の命のためにやめるようにと言いました。そして、親切に、「わたしと共におられる神のゆえに、自分のためにやめなさい。神があなたを滅びに陥れさせることがあってはなりません。」と言ってよこしました。(歴代第二35:21)

それでヨシヤは無用な戦いをして命を危険にさらす必要はありませんでした。聖書は、エジプトの王ネコの言葉は、神のみ口から出たと述べています。(歴代第二35:22)ところが、ヨシヤはそのネコの言葉に聴き従いませんでした。それで、ヨシヤはその戦いで命を失うことになりました。

　それまでに、ヨシヤ王は、神殿で見つかった聖書の神の言葉に恐れを示し、イスラエルの中から偶像を取り除き、神殿でのエホバの祭りを再興していました。(歴代第二34:33;35:19)このように、ヨシヤ王は、エホバの是認を求めていたので、エホバの是認と保護があったはずでした。

しかし、ヨシヤ王は、ダビデ王のように、問題が起きるたびに、慎重にエホバのご意志を確かめませんでした。もし、ヨシヤ王が、エホバのご意志を預言者や祭司を通して確かめていたら、おそらく時ならぬ死を経験しないですんでいたことでしょう。ヨシヤ王は長生きして、良い統治を長く続けることができていたかもしれません。

けれども、ヨシヤ王は、エホバの前に正しいことを行なっていたので、必ずエホバの助けがあって、戦いに勝利を得ることができると思い込んでいたのかもしれません。ところが、ヨシヤ王は、そういった間違った判断により、命を失ってしまいました。

ヨシヤ王は、エホバ神のご意志を確かめませんでした。このことから、たとえエホバの目に正しいことを行なっていても、一つの判断の間違いによって命を失ってしまうことがあるということが分かります。

私たちは、たとえ、エホバの目に正しいことを行なっているという自覚があるといっても、判断を間違って危険なことをしても奇跡的な保護があるかのように勘違いしないようにしなければならないことが分かります。私たちは、問題が起きるたびに、慎重にエホバのご意志を確かめるべきであることが分かります。

今日、私たちは祈りによって、慎重に聖書の中にある原則を見い出すようにすることにより、エホバのご意志を確かめることができます。また、聖書の原則に精通している人に相談することも助けになります。

　また、エホバは異教の神を崇拝する諸国民の王の口によって語られたことが分かります。それで、私たちは異教の偶像崇拝者の語ることであっても、一抹の真理が含まれているかもしれないと考えて、謙遜に耳を傾けるべきことをも、ヨシヤ王の事例は示しています。