折り鶴に祈りを込めて・・・
ラスベガス日本人教会 砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を
今日はわが教会の折り鶴ミニストリーに関するブログの第2弾です。前回の折り鶴ミニストリーのブログでこのミニストリーの成り立ちや現在の活動状況、またこの働きに多くの方々が参加している事などをご紹介いたしましたが、今回はこの働きに重荷を持って参加されているひとりの姉妹のお証しをご紹介いたします。この姉妹はお名前を坂東美恵子姉妹と仰います。教会にはご主人の一郎兄弟、娘さんの一美姉妹、そして今年2歳になるお孫さんのエミリー・愛子ちゃんと親子三代で集っておられ、わが教会では唯一の親子三代の大変祝福されたご家族のお母さんです。いつも千羽の鶴を三週間ほどで折りあげ、教会へ届けてくださいます。 このミニストリーが教会の働きとして正式に発足したのは昨年でしたが、みえこ姉妹はそのずっと前から個人的に教会員やその家族、また教会と繋がっている方々に千羽鶴を折り続けてこられました。それは病気や怪我をわずらった方々に一日も早く完治してもらいたいという美恵子姉妹の心からの祈りが形となって表れたものでした。実は美恵子姉妹は以前、病を患った方々をとてもつらい気持ちで見送られた経験があります。美恵子姉妹は日本で18年間、保母として働かれていました。その頃二人の教え子を病気のために失いました。一人は3年間教えた園児でしたが、ある時へんとう線の手術を受けた後、麻酔から目覚めることなく亡くなりました。「教え子のために何も出来なかったが、その子のために私にできることは何だろう」と考えられた姉妹は翌日のお葬式までに300羽の鶴を折り、亡き教え子に送りました。それからしばらくして二人目の園児と出会います。この子は生まれてからずっと白血病を患い、病院暮らしをしていました。ある日両親は子供の主治医から、幼稚園にでも通わせるように、と告げられました。それは、子供の命がもうわずかである事を意味していたのです。両親はわが子を受け入れてくれる幼稚園を東京中探し全て断られ、ようやく美恵子姉妹が勤めていた幼稚園にたどり着きました。「この園長先生はどういうわけだか他の幼稚園では絶対に受け入れない子でも受け入れる方だったのよ。そしてどういうわけだか、いつもその様な子供たちは私のクラスに来るの。」と時々遠くに視線を向けながら、また時々こちらをじっと見つめながら真剣にお話を続けられました。この子供を受け持たれた頃、美恵子姉妹のクラスには他に自閉症の子が二人いたそうで、時に二人の自閉症児を両脇に抱えながら白血病の子供の世話をして・・・という具合でとても大変だったそうです。でもその子は本当に毎日喜んでいつも笑顔だったので、美恵子姉妹は心からの愛情を注いでその子の幼稚園生活を支えました。そしてその子は幼稚園での一年を何とか過ごし卒園しましが小学校の入学式から一週間後、亡くなりました。その子の病気の故に「もしかしたら・・・」という気持ちは在園中からあったので、姉妹は鶴を折り続けました。お葬式の日、その子のお棺には姉妹が折った千羽鶴が入れられていたそうです。これらのことがきっかけで美恵子姉妹はその後千羽鶴を折って病の人々に送るようになりました。「何とか良くなってほしい」、ただその願いだけだったそうです。そしてアメリカへ移住してこられ、この教会に集うようになられてからは10人以上の方々に千羽鶴を送られました。当時はひとりで折っていたので、紙の裏に御言葉やお祈りを書いて折りました。書くたびに、折るたびに「神様、何とか助けてあげてください。」と祈りながら毎日続けました。そしてそんなある日、日本で闘病していたお兄さんが亡くなりました。お兄さんは大変な病を患った方で、糖尿病から始まって耳下腺がん、肝臓がん、肺がん、甲状腺がん、そして最後は脳腫瘍といった具合でした。 お兄さんのそばにいることが出来なかった姉妹は鶴に祈りと思いを込めてお兄さんに送りました。ちょうど肝臓がんを発症した頃でした。「もう危ない」という連絡を受けて日本へ向かっている途中の飛行機の中で、お兄さんは亡くなりました。 「死は嫌い」と姉妹は言います。実はお兄さんはクリスチャンではありませんでした。このことがさらに折り鶴の働きへと姉妹を導くことになりました。「とにかく病気の人々が癒されてほしい、人は皆死ぬけれど皆神様を信じて救われてほしい、折っているときはそう祈っています。だから一羽でも多く折って一人でも多くの人に届けたい。」これが姉妹の祈りです。さらに姉妹は折っていると喜びが沸く、もっと時間がほしいと言いました。またご両親を亡くされた経験から、病に関係なくお年寄りの方々のためにもっと千羽鶴を折りたいと言っておられます。折り鶴ミニストリーはこうした働き人ひとりひとりの祈りに支えられています。なぜなら主は祈りの一つ一つを聞かれ御旨にかなって聞き届けてくださるからです。一羽一羽の折り鶴に込められた祈りのなんと尊いことでしょう。美恵子姉妹に、またすべての働く方の奉仕に心から感謝して、ラスベガス日本人教会はこれからもこの働きに励んでいきます。主の豊かな祝福が折り鶴ミニストリーとすべての働き人の上にありますようお祈りいたします。
「主よ。聞いてください、正しい訴えを。耳を留めてください、私の叫びを。耳に入れてください、欺きのくちびるからでない私の祈りを。」(詩篇17:1)(ブログ制作チーム: Sue)