“夢と希望を与える偉業”
ラスベガス日本人教会 砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を
今日は、“iPS細胞”について考えてみました。野田首相が『夢と希望を与える偉業』と言われましたが、この度、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞されたことは、日本の科学技術力の高さを証明するとともに、多くの人々に夢と希望を与える偉業であったことを思います。「従来の常識を覆した」と言われる英ケンブリッジ大学のジョン・ガードン博士のカエルの細胞初期化から約半世紀。世界中の研究者たちを驚かせた山中教授の研究成果は、今後の再生医療の実現に明るい希望の光を投げかける大きな意味を持つものです。 “iPS細胞”とは何か人間の皮膚などの体細胞に、極少数の遺伝子を導入し、数週間培養すると、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力を持つ多能性幹細胞に変化します。これが人工多能性幹細胞と呼ばれるもので、英語でInduced Pluripotent Stem cell(iPS細胞)と言います。その名付け親が、世界で初めてiPS細胞の作製に成功した山中教授です。体細胞が多能性幹細胞に変わることを、専門用語でリプログラミングと言いますが、山中教授が見出されたわずかな遺伝子の操作でリプログラミングを起させる技術は、まさに幹細胞研究における画期的な発見です。“iPS細胞”の活用iPS細胞は、病気の原因の解明、新しい薬の開発、細胞移植治療などの再生医療に活用できると考えられています。難治性疾患の患者の体細胞からiPS細胞を作り、それを神経、心筋、肝臓、膵臓などの患部の細胞に分化させ、その患部の細胞の状態や機能がどのように変化するかを研究することで、今まで分からなかった病気の原因が解明できるようになるのです。また、その細胞を利用すれば、人体ではできない薬剤の有効性や副作用を評価する検査や毒性のテストが可能になり、新しい薬の開発が飛躍的に進むと期待されています。さらに、iPS細胞は、あらゆる組織や細胞に変化するので、患者の細胞からiPS細胞を作れば、病気や怪我でだめになった組織や臓器に、拒絶反応なく正常な組織を移植する再生医療が実現できるようになるのです。神戸市にある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターは、患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を網膜細胞に変化させてシートを作り移植することで、失明につながる難病を治療する臨床研究を来年度にも始めようとしています。また、東京大学などは昨年12月、ヒトiPS細胞から大量に血小板を作成する方法を開発し、献血に代わる安定した血液製剤作りにつながるものとして大きな注目を集めています。あるいは、これまでアルツハイマー病などの神経疾患患者から神経細胞を採取し研究することは非常に困難でした。体の負担が大きく、心停止後は神経細胞がすぐに死んでしまうからです。ところが、この状況をiPS細胞が打破したのです。人間の体は、なんという驚くべき神秘に満ちていることでしょうか。山中教授の研究成果は、確かに賞賛に値する素晴らしいものですが、それよりも遥かに驚くべき事実は、この世の科学が、まだその素晴らしさの1%すら知り得ていない底知れぬ魅力を秘めた人間を創造された至高者なる神がおられるということです。今日の一言: 人間は神が造られたものを発見しているに過ぎない平安鶴田健次ブログランキングに参加しています。クリックで応援をお願いいたします。