9の黙想

箴言１０：９の黙想

「まっすぐに歩む人は安らかに歩む。曲がった道を歩む者は自ら知られないようにする。」（箴言10：9）

箴言10章は、義なる者と悪しき者の生き方を対比し、神に従う人生の祝福と、邪悪な道を歩む者の結末を明確に示しています。その中でも箴言10：9は、誠実な生き方がもたらす平安と、悪しき道を歩む者の不安を対照的に描いています。この御言葉を現代社会に適用しながら、私たちがどのように誠実に生きるべきかを考えてみましょう。

１．まっすぐに歩む者の平安

「まっすぐに歩む人は安らかに歩む」という言葉は、誠実で正しい道を歩む者が、心の平安と安全を得ることを示しています。これは、単に表面的な正しさではなく、神の前での正直な生き方を意味します。

私たちは日々の生活の中で、誠実に歩んでいるでしょうか。神の前にまっすぐな生き方をしているでしょうか。

詩篇37：23－24に「主は、人の歩みを確かにされる。その人の道を主は喜ばれる。たとえその人が倒れても、打ち捨てられることはない。主がその人の手を支えてくださるから」とあるように、神に従う者は、たとえ困難があっても、主によって支えられるのです。

たとえばビジネスの場面で、不正な利益を得ようとせず正直に働く人は、長期的に信頼を築き、心の平安を持って生きることができます。逆に、不正を行う人は、常に発覚の恐れに怯え、不安な日々を送ることになります。

２．曲がった道を歩む者の不安

「曲がった道を歩む者は自ら知られないようにする」という言葉は、悪しき者が常に自分の悪事が知られないようにと恐れていることを示しています。不正や欺瞞の道は、一時的には利益をもたらすかもしれませんが、最終的には露見し、破滅を招きます。

ルカの福音書12：2-3を見ると、「覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはありません。それゆえに、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみに出され、奥の間で耳打ちしたことは、屋上で言い広められます」とあります。人間の目をごまかすことができても、神の目から隠れることはできません。

政治や企業のスキャンダルが明るみに出るのはその典型です。不正が暴かれ、社会的な信用を失い、時には法的な制裁を受けることもあります。曲がった道を歩むことは、結局のところ不安と破滅へと続く道なのです。

３．誠実な歩みを貫くために

私たちは、日々の選択の中で『まっすぐに歩む』か、『曲がった道を選ぶ』かを問われています。誠実な歩みを続けるためには、私たちの価値観や行動の基準を、世の常識ではなく神の言葉に置くことが大切です。

詩篇119：105に「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です」とあるように、聖書の言葉を日々の判断の基準とするなら、迷いや誤った選択から守られます。またそのような誠実な生き方は、神との関係だけでなく、人との関係にも表れます。人を欺くことなく正直に生きることで、信頼関係を築くことができるのです。

今日の一言：誠実に歩む者には平安が伴う

鶴田健次

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