ブック・レビュー 『宝の法則 ─ 喜んでささげるための6つの鍵』
聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。
神田 英輔
日本国際飢餓対策機構「キングダム・コンソーシアム」特命大使
究極に豊かになりたい人にとって必読の書
物質的に繁栄している日本社会に立てられた日本の教会では、二元論の影響を強く受けているせいもあるかも知れませんが、お金や持ち物について語ることは霊的でないと思われているふしがあります。しかしこの書は、お金や持ち物の問題こそが霊的な生活の中心を占める問題であることをはっきりと指摘してくれる名著です。
神礼拝の本質は、自分自身を神にささげることですか、この書は、お金や時間を神にささげること、そして、お金や物を用いて隣人を愛し、隣人に仕えることが、神礼拝を具体化することであり「自分の宝を天に蓄える」ことであるということを見事に書き表してくれています。お金や持ち物に対して「心が一新」される時に「富に仕える者」が「神に仕える者」に変革されると語り、富や持ち物がいかに私たちの偶像になりやすいかを明確に指摘してくれています。
著者は、宝の法則を理解するための鍵として六つの点を挙げています。神は、全てのものの所有者である。私は神のお金の管理者である。私の心はいつも、神のお金を置いている所にある。私の故郷は天国であって、この地上ではない。点(地上での生涯)のためだけでなく、線(天国での生涯)のために生きるべきである。物質主義に陥らない唯一の方法は、ささげることである。神が私たちに与えてくださるのは、生活の水準を上げるためではなく、ささげる基準を上げるためである。 私たちを「イエス・キリスト」に似る者に変えるために神が用いられる最高の手段が「犠牲的にささげる」ことなのだということを、明解に教えてくれるこの本を是非みなさまで学び合い、実践につなげていくことをお勧めします。