文学ジャンル別聖書の読み方ガイド 第27回 知恵文学の解釈 下

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

関野祐二
聖契神学校校長

 ● 箴言の解釈

○ 箴言の知恵とは
教会に行き始めた頃、この漢字がシンゲンと読めずに恥をかいたのも懐かしい思い出。三十一章あるから毎日一章で一か月分ですよ、とのアドバイスに感心したものです。箴言は、同じく知恵文学のヨブ記や伝道者の書など、人生の根本的問題と格闘する思索的文書とは対照的な格言集。日本のことわざや金言と同様、日々の生活において賢い選択をするための実際的態度やふるまいを、歯切れ良く覚えやすいフレーズで教えます。人が責任ある大人へと成長するための、基本的態度と行動パターンがあるのは古今東西共通でしょう。箴言は、愚かな人生と知恵ある人生を鋭く対比させます。前者の特徴は、暴力的犯罪(一・一○―一九)、不用意な約束(六・一―五)、怠惰(七―一一)、悪意ある不誠実(一二―一五)、性的な、特に神への不潔(二・一六―一九、五・三―二○他)、後者は、貧しい者への配慮(二二・二二、二七)、子どもたちの訓練(二三・一三、一四)、飲酒の節制(二三・二九―三五)、両親への尊敬(二三・二二―二五)など。
○ 箴言は非宗教的?
箴言には「主」が出て来る箇所もあるのですが(一・七、三・五―一二、一五・三、八―九、一一、一六・一―九、二四・一八、二一など)、全体としては少なめ。誤解を恐れず申し上げるなら、みこころにかなう生き方のためには、万事が厳格に宗教的でなければならないわけではないのです。このスタンスは重要で、あまりに禁欲的な、まるで衣食住や物質的事柄を諸悪の根源のように考える極端を是正してくれます。「正しすぎてはならない」のですね。
○ 楽しく味わって
箴言とは、短くて記憶しやすい真理表現。正確さや適用範囲に限界はあっても、リズムや反復、覚えやすいことばなどの工夫で、真理の詳細よりも方向性を示しているのです。だから、字義通りの読み込みや普遍化は危険。たとえば、「あなたのしようとすることを主にゆだねよ。そうすれば、あなたの計画はゆるがない」(一六・三)とのみことばに従い(?)、自己中心の計画が成功するよう「神にゆだねて」失敗した際、みことばの約束に疑問を持つのは不適切でしょう。みこころに従って生きるなら、「神の成功の定義に従って」成功するはずですから、聖書の他の箇所と整合しないような利己的生き方を箴言に見いだしてはならないのです。箴言は、覚えやすいように原則を短く誇張して述べていますから、解釈する際には常識感覚と正しい判断、そしてユーモアのセンス(二五・二四、三○・三三など。他にも探してみませんか)も必要。時代や文化の隔たりもあるので、子定規に適用すると誤ります。良き行いの詩的ガイダンスと考え、ゆったり楽しく味わってはいかが?
● 雅歌の解釈

○ 雅歌が知恵文学?
なぜこの書が聖書にあるのか、と不思議に思うほど、男女の愛と性が大胆率直に描かれた雅歌。誰をどう愛するかは、人生の基本的な選択にかかわる重要な知恵を必要としますから、それを教える雅歌はりっぱな知恵文学と言えましょう。愛と性は、「見よ。それは非常に良かった」(創世一・三一)と宣言した神の創造の一部。しかし、それらは罪によって堕落し、神の意図した喜びと祝福の源になるどころか、欲望と搾取による自己満足の手段となり果てました。だからこそ、人類に備わった愛と性の能力は、創造の目的に従い雅歌の助けで正しく用いてこそ、神の栄光を現すものとなるのです。

○ 全体転移と寓喩化の誤り
雅歌には、これを「キリストと教会の愛の関係」と読む解釈の歴史がありますが、私たちが避けるべき誤りのひとつは「全体転移」。ことばや概念が用いられる時はいつでもその特徴と意味を伴うと考える傾向です。あたかも、「愛」ということばが常に恋愛の意味を含み、「神が世を愛された」とのみことばには恋に落ちたとのニュアンスがあると仮定するようなもの。これに「寓喩化」というもう一つの誤りを加えて雅歌に適用するとどうなるでしょうか。預言書には、雅歌に似た恋歌が、イスラエルに対する神の愛のアレゴリーとして存在します(イザヤ五・一―七、ホセア二・二―一五、エゼキエル一六章、二三章)。そこで初期の解釈者は、もしこれが神とイスラエルの関係を示すアレゴリーなら、雅歌のような恋歌は同種の恋歌に違いないと結論し、雅歌はイスラエルに対する神の愛、もしくは教会に対するキリストの愛のアレゴリーとの解釈が固定化したのです。しかし、雅歌が寓喩的恋歌である証拠はなく、預言的寓話が含むはずのイスラエル史や国家的象徴も皆無。なぜなら雅歌は、男女間の愛をストレートに表現しているものだからです。
○ 結婚の魅力を伝える雅歌
雅歌の文脈は、創世一・二章に基づいた一夫一婦の結婚による異性愛であって、結婚前の性関係や結婚後の不貞とは対照的。結婚は男女間の愛を完成し、継続するのです。雅歌という恋歌は、いかに夫婦が互いの魅力に真実な応答をし、互いの必要を満たすことができるかが焦点。恋愛とは、結婚前よりむしろ、実際の結婚生活においてこそ継続すべきものなのですね。

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