DVD 試写室◆ DVD評 何も引かない。何も足さないDVD「ヨハネの福音書」

大橋由享
友愛グループ　イエス・キリスト ファミリー教会牧師

何も引かない。何も足さない

　今回ご紹介するのは、DVD『ヨハネの福音書』。この作品の特徴は、なんといっても、タイトルが示すとおり、ヨハネの福音書を忠実に再現していることだろう。
台詞もナレーションも、すべて聖書そのまま（Good News Bibleによる）。ドラマチックにするための脚色や、ひねりを利かせた解釈も一切なし。ヨハネの福音書1章から21章までを、編集せず、カットせず、聖書に記録されているとおりの順番で、まるまる映像化した作品だ。
本作品のイエス（ヘンリー・イアン・キュージック／テレビドラマ『LOST』のデズモ
ンド役でお馴染み）は、一見、理知的で穏やかに見える。
しかし、そんなイメージはすぐにひっくり返される。宮清めのシーンだ。神殿の中が商売人たちで占領されているのを見たイエスの顔が、見る見るうちに怒りに歪む。次の瞬間、大声をあげながら、商売人の群れの中に突進するのだ。縄を束ねて作った鞭をビュンビュン振り回し、縦横無尽に走り回っては、商売人たちの台をひっくり返していく。この、狂乱とも言えるほどの剣幕に、人々はなすすべもなく逃げ惑うばかり。

この作品に描かれているのは、平和主義で穏やかなイエスではない。象徴的なのが、5,000人給食の後のエピソード。奇跡に驚き、ご自分を追って来た群衆に、イエスはご機嫌取りをしない。彼らの信仰の問題点をズバリと指摘するのだ。その結果、ほとんどの者が掌を返したように、イエスに反発し始める。弟子たちの多くも離れていってしまう。ご自分の神性を証しするシーンも、緊張感に満ちている。イエスの語ることばに、宗教指導者はもちろん、群衆の心が、驚きから怒りに変わっていく。その場の空気が、見る見るうちに、危険で険悪な色に染まっていくので、弟子たちもおろおろし始める。しかし、イエスは決してひるまない。ついには、「わたしと父とはひとつです」と宣言するのだ。人々はとうとう爆発し、「神に対する冒涜だ！」と、石を握ってイエスに殺到するのである。
もちろん、映像化された各シーンを、まったくの事実として受け取るのは危険である。しかし、サラリと読み流していた聖書の個所が、立ち上がるようにして心に迫って来るだろう。さまざまなインスピレーションを与えられ、新たな発見をすることになるだろう。私の場合、真理を語るためには、決して妥協しないイエスの姿を、再認識することができた。
この作品は、聖書を片手に、確認しながら観ることをお勧めする。

予約特価 受付中
5月末 発売予定
「ヨハネの福音書」
DVD　カラー3時間大作
音声・日本語／英語　字幕・日本語／英語
■個人鑑賞用
　家庭内鑑賞専用。貸出、上映不可。
　予約特価￥5,040→4,580　注文No.49962
■教会・図書室・団体用
　貸出可（有料不可）。教会内のみ無料上映可。
　予約特価￥10,290→9,280 注文No.49963
☆manna「ヨハネの福音書」分冊付き。
公式HPで「ヨハネの福音書」を応援してください!
最新情報を4月よりアップ！
　http://www.wlpm.jp/john
制作・発売元：ライフ・クリエイション（いのちのことば社）Tel.03-5341-6927 Fax.03-5341-6928　E-mail : [email protected]

※ジャケットデザインは変更する場合もあります。