カラー新聖書ガイドブック 編者による紹介

本書の特長

　聖書は世界で最も広く頒布され、広く読まれている世界の書物です。ある人は好奇心から、ある人は霊的な助けの一環として、ある人は聖書の持つ豊かな文化的遺産のために聖書を読みます。

　このガイドブックは、聖書のそばに並べて一緒に使うため企画されています。聖書について情報を提供するだけではなく、本来ならいろいろな参考書から集めてくる情報を、まとめて見ることができることを目的としています。その情報を、文字によってだけでなく視覚的にも提供しています。写真や地図や図表は、飾りとしてではなく、そこの文章の意味を明らかにするためのものです。本書はどの訳の聖書にも使えます。　本書は、聖書と一緒に使われることを目的とするだけでなく、読者を引きつけ、また親しみやすいものであることも目的としています。聖書の背景について知識がない人を特に対象として編集されています。たくさんの専門家が、単純化しすぎない、わかりやすい方法で寄稿してくださっています。専門用語は最小限にとどめ、使う必要があるときは説明がなされています。

　第一の目的は、読者が聖書の実際の本文を理解する助けとなることです。旧約および新約に関する第二部と第三部では、聖書の各書を、一書ごとに、一段落ごとに取り上げ、内容を要約し、説明が必要な箇所には注釈を加えています。専門家による短い論説により、興味深いテーマをさらに詳しく学ぶことができます。

　次の段階は、書かれていることを解釈し、聖書が今日の私たちに何を語っているかを理解することです。すなわち、聖書のある一つの書が詩あるいは散文として書かれたのか、物語あるいは手紙として書かれたのか、また歴史的状況を理解することです。第一部の図表と論説は、その助けとなるように企画されています。また第四部の事項索引は、人物や場所や主題についての情報や写真をすばやく簡単に見つけ出すために役立ちます。

　創世記からヨハネの黙示録まで読み通すというのは、普通、聖書の最初の読み方としては最善ではありません。「聖書を読む」（第一部）は、その代わりの役立つ方法を幾つか示しています。聖書の一つの書、一人の人物、特定のテーマ、聖書考古学、文化、文学、どれから始めるとしても、本ガイドブックは助けとなります。少しやってみることに楽しみを見いだす人も、成し遂げることに楽しみを見いだす人もいるでしょう。

なぜ全面的改訂版か

　本書は一九七三年に初めて出版されました。そして一九八三年に、それまでの期間に登場した聖書の新しい訳の重要性を考慮して改訂されました。二十五年間に売り上げは三百万部に達し、二十八の言語で世界中で出版されました。アジアのある出版者のことばによると、「発展性のある作品」となったのです。

　今回の大改訂の目的は、二十一世紀の読者の役に立つことです。完全な書き直しと再デザインの機会は、編集者たちの想像力に火をつけました。過去をよみがえらせるために多くの新しい写真を取り入れ、全く新しい地図と図表を載せています。聖書学における発展を考慮し、聖書を歴史と深く関係づけています。また、読者の最近の関心も反映させています。男女を問わず多くの寄稿者に、自らの体験を語ってもらいました。詩人が詩篇について執筆し、また才能のある著作家が中東での長年の経験を生かして聖書の女性について書いてくれています。編集者たちは、天地創造への対処、物語（聖書の叙述で重要な役割を果たしている）、正義、女性の役割、多様な宗教の存在する社会、現代社会における聖書の位置等々についての人々の関心を反映させています。

　旧版でと同じく、聖書本文は、その文学上のさまざまな違いに共感しつつ、大部分があるがままの意味に解釈されています。純粋に専門的な事柄より、聖書の内容と意味に主要な関心が置かれています。学者の意見が一致しない部分についてはそう述べ、論争に陥ることのないように努めました。　　　　（後略）

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