文学ジャンル別聖書の読み方ガイド 第14回 福音書の解釈 (下)

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

関野祐二
聖契神学校校長

● 神の国理解

○ 終わりの時代が始まった
 聖書全巻、とりわけ福音書を解釈するうえで重要な枠組みは、「神の国」(Kingdom of God。天の御国、御国も同義語)という終末論的概念。主イエスの公生涯は「時が満ち、神の国は近くなった」(マルコ一・一五)との宣言で開始されましたが、それは終わりの日に完成する神統治が、主イエスの受肉でこの世に先取りされ、飛び込んで来た事実を表します。

 妙な言い方ですが、「終わりの日が始まった」のですね。わがもの顔でこの世を支配していた悪霊が騒ぎ出したのも無理ありません(マタイ八・二九)。

 御国は原理的にはすでに訪れましたがいまだ完成しておらず、私たちは召天あるいは再臨の日まで、御国の民として「すでに」と「いまだ」の緊張関係の中にこの世を生き続け、神の国の王イエスを証しします。それはアブラハムの子孫として、全世界に祝福をもたらす終末的なわざとも言えましょう(創世一二・二、三)。

○ 聖霊は御国の手付け金
 終わりの時代が訪れたしるしは、御国相続の手付け金/頭金である聖霊です(使徒二・一七、エペソ一・一四、Ⅱコリント一・二二欄外注別訳)。主イエスを信じると聖霊が心に住み、神統治が始まって私たち自身が小さな(しかし本物の)神の国とされ、福音を宣べ伝えることで御国は人から人へと拡大し、からし種やパン種のごとく成長します(マタイ一三・三一―三三)。

 御国の民たる私たちが歩むべき道とは、身体の復活と完全な救い、すなわち御国の完成という最終的支払いを待ち望みつつ、地に住み誠実を尽くし、キリストの似姿を目指して歩むきよめの道。

 そのように、神の国理解は実に積極的な信仰生活の動力となり得るのです(ピリピ二・一二―一六)。神の国という主題は、マタイ一三章はじめ福音書の随所に登場しますからご確認を。

● 御国の倫理

○ 御国の民の生活描写
 神の国との関連で見落とせないのは、マタイ五―七章(ルカ六章)にある山上の説教(平地の説教)でしょう。「自分の敵を愛し」(マタイ五・四四)に代表される高い倫理は、実行不可能な理想的教え、罪を示すための基準、神の国に入るための新約律法などと解釈されがちですが、実際には、「ああ幸いだ」(五・三塚本訳)との宣言で始まる、御国の民の生活描写、キリスト者が歩む際のガイドライン。すでに開始された神の新しい時代に人生はこうなりますよ、という具体例なのです。それは、「こうなるべき」でも「こうなりたい」でもない、「こうです、こうなります」との、実行可能な歩みです。

 ○ あなたの罪は赦されたからただし、山上の説教には実行に先立つ前提があります。それは「御国の福音」(四・二三)であり、「あなたの罪は赦された」(九・二)という無条件の赦し。これがあってこそ、打たれた反対側の?を向け、迫害する敵を愛する行為へと進むのです。

 ポイントは、神の国到来による時代の新しさ。私たちは主イエスを信じることで神の国に入れられ、単に旧約律法を実行できるできないのレベルどころではない、「律法学者やパリサイ人の義にまさる」(五・二○)義をいただいて、まともに御国の倫理を生きることができるのです。すばらしい祝福ですね。

● ヨハネ福音書

○ 神の国は永遠のいのち
 マタイ、マルコ、ルカの共観福音書とヨハネ福音書は、記事の重なりも少なく、文体をはじめ強調点など、読んですぐにわかる違いがあります。その中で、有名なヨハネ三・一六にも含まれている「永遠のいのち」という用語を取り上げましょうか。実はこのことば、共観福音書の「神の国」とほぼ交換可能な同義語なのですが、では全く同じ意味かというとそうではありません。

 共観福音書の「神の国」は、未来の完成を先取りし、その一部がこの世に侵入してきたと理解されるゆえ、「永遠のいのち」は後の世で与えられる復活のいのちを指しますが、ヨハネの福音書の「永遠のいのち」は「今ここで実現する神との交わりとその祝福」が主眼であって、神の国が今ここにあることを「いのち」という面から強調しているのです(ヨハネ五・二四)。

○ ヨハネが語るイエス
 ヨハネの福音書を読むと、主イエスのことばが「ヨハネ化」していることにお気づきでしょう。御子イエスのふところ近くに置かれ(一三・二三欄外注直訳)、永遠のいのちに生かされる中、主のことばや思い出を六十年近く温めてきたヨハネが晩年に執筆したこの福音書は、主イエスのことばとヨハネのそれが一体化し、区別がつきにくくなるほど(三・一五欄外注)。他の福音書とは異質の霊的洞察と深さをもって主イエスの人格を豊かに表現するよう、聖霊は晩年の使徒ヨハネを霊感し、福音書を書かせたのです。

 こうなると、実際にこの地上を歩んだ主イエスとはどんなお方だったのか、興味津々。四福音書どれもが正確なイエス描写ですから、あとは完成した御国で主にお会いする時のお楽しみ!

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