聖書 新改訳2017 どう新しくなるのか? 〈7〉校訂本文の変化

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

内田和彦

初回に、全面改訂が必要な理由を三つ挙げましたが、その一つは聖書学の進歩でした。『新改訳2017』がどのように変わるのか、今回はその点から、特に本文の問題についてお伝えしたいと思います。

新約聖書の原本は存在しませんが、残されているギリシャ語の写本や古代語訳、教父たちの引用などから、本文を復元する作業、本文批評学が、十六世紀以降、営々と積み重ねられてきました。その結果、今日私たちは原本にきわめて近い本文を手にしていると考えられます。
半世紀前、新改訳の翻訳で使用した新約の校訂本文は、ネストレ・アーラント(NA)24版でした。さらに研究が進んで改訂が重ねられ、現在はNA28版となりました。一九六五年以降、聖書協会世界連盟(UBS)はNA版を翻訳者に使いやすいように編集し、UBS版を出してきました。今回私たちは、最新のNA28版とそれに対応するUBS第5版を底本として用いました。

さて、底本が変わることによって翻訳にどれくらい違いが生じるのでしょうか。実のところ、底本が変わっても、本文の変更は全体から見ればごく一部です。また変更された箇所でも、多くの場合、訳の違いはあまり生じません。しかしまた、数は少なくても、大きく変わった箇所があることも事実です。その一つ、テサロニケ人への手紙第一2章7節を紹介しましょう。NA25版まで本文に採用されていた「エーピオイ=優しい」という語が、26版以降は「ネーピオイ=幼い」に変わりました。ギリシャ語の一文字(ローマ字にすると〈n〉)が加わっただけなのですが、その結果、前後の節も含めて訳文が変わることになりました。2章6?8節全体をごらんください。まずは、第三版までの訳、それから、『新改訳2017』の訳です。特に重要な部分には太字にしておきます。

「6 また、キリストの使徒たちとして権威を主張することもできたのですが、私たちは、あなたがたからも、ほかの人々からも、人からの名誉を受けようとはしませんでした。7 それどころか、あなたがたの間で、母がその子どもたちを養い育てるように、優しくふるまいました。8 このようにあなたがたを思う心から、ただ神の福音だけではなく、私たち自身のいのちまでも、喜んであなたがたに与えたいと思ったのです。なぜなら、あなたがたは私たちの愛する者となったからです。」
「6 また私たちは、あなたがたからも、ほかの人たちからも、人からの栄誉は求めませんでした。7 キリストの使徒として権威を主張することもできましたが、あなたがたの間では幼子になりました。私たちは、自分の子どもたちを養い育てる母親のように、8 あなたがたをいとおしく思い、神の福音だけではなく、自分自身のいのちまで、喜んであなたがたに与えたいと思っています。あなたがたが私たちの愛する者となったからです。」

「ネーピオイ=幼い」では意味が通じないとか、パウロが回心者たちの未熟さに言及するときに使うこの語を、自分自身に使うはずがない、といったことで、「エーピオイ=優しい」が本来の読み方とされてきました。「ネーピオイ」は、うっかりミスで語頭に〈n〉がついてしまったと説明されてきました。しかし、「ネーピオイ」という読み方のほうが、有力な写本の支持を得ていること、また、それを採用しても、十分に意味をたどることができるということで、判断が覆ったのです。実際、「ネーピオイ」で6?8節全体を訳し直すと、「使徒」との対比で「幼子」の比喩は生きてきます。つまり、権威を振りかざすことをしないパウロの姿勢が、「幼子」の一語でより印象深く表現されていることが分かります。そればかりか、子どもを養い育てる母親というもう一つの比喩も、8節に直接つながって、とても豊かな表現であることが明らかになります。

本文に関しては、さらに二つのことを指摘しておきたいと思います。一つは、NA28版とUBS第5版の本文を、吟味せずそのまま受け入れたわけではない、ということです。例えば、ヨハネの福音書1章3、4節で句読点の打ち方を変え、「この方によって造られたものはいのちであった」とする読み方をこれらの版は採用していますが、これには、専門家たちの間でも異論があり、私たちは採用しませんでした。
もう一つは、本文に採用されていない有力な異読のうち、特に訳に違いが生じるものは、これまで同様、脚注に明記したことです。UBS版では、本文に採用された異読の「確実度」が、ABCDの四つのランクで示されています。そのうち、不確かなもの{C}と、かなり不確かなもの{D}に判定されているものは、今回すべて確認し、採用されなかった異読の訳の多くを注に記しました。

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