特集 本で楽しむキリスト教絵画と映画 光と影の画家レンブラントから信仰を学ぶ

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

芸術の秋の季節がやって来ました!
例年と比べて、美術館や映画館などにもなかなか行くことができない中で、家でも楽しめる「キリスト教絵画」と「キリスト教映画」の魅力をお伝えします!

 

バイブル・アンド・アートミニストリーズ 代表/富士見聖書教会 牧師/青山学院大学 非常勤講師 町田 俊之

 

「一粒の砂に世界を見、一輪の野の花に天国を見、一人の君の手のひらに無限をつかみ、一刻の中に永遠を感じる。」

この言葉は、イギリスの画家・詩人であったウイリアム・ブレイク(一七五七~一八二七)の詩『無垢の予兆』の一部である。なんと想像力に長けた素晴らしい表現であろうか。ここには現実と想像の世界とが見事に調和し、今生きていることへの喜びの歓声が聞こえてきそうである。

およそ芸術と呼ばれるものは、現実を記録するためのものではなく、記憶するためにこそ与えられている人間の表現能力なのではなかろうか。そのために、芸術家たちは現実以上の誇張、対比、調和、統一の世界をかたち造り、我々の目の前に表してくれるのであろう。それは、現実のものではないのに偽りではなく、想像力によって生み出されたものでありながら、我々を一つの真実に導いてくれるものである。

レンブラントの生涯に少しでも触れた者にとって、大きな驚きを禁じえない。よくもこんな人生がこの世界にあるものだとつくづく思う。

当時のオランダは、経済的に非常に繁栄していた。ヨーロッパの玄関口として、大航海時代後の貿易による多大な利益を得ていた。また、プロテスタント信仰による市民社会が生まれており、それまでの教会堂中心の聖書画から、一般の家庭に飾られる肖像画、風景画などが多くの画家たちによって手掛けられていた。

また、時はバロック時代である。一六〇〇年頃のカラヴァッジョによる画風(それは光と影を用いたダイナミックな表現方法)が、当時の人々の評判をよび、全ヨーロッパに広がっていたのである。そして、このバロック美術の特徴そのものが、彼の人生を物語っているのである。

レンブラントは、一六〇六年オランダのライデンに生まれる。十代の頃から絵に関心を示し、オランダ随一の歴史画家ラストマンに学ぶ。母親は大変信仰篤き人であったらしく、レンブラント自身も母親からの影響を強く受けていた。二十五歳でアムステルダムに移り住み、翌年には出世作の「テュルプ博士の解剖学講義」を描いている。彼は肖像画の中にドラマ性を吹き込み、それまでの記録としての肖像画から芸術としての肖像画に高めたのだった。

この作品によって一躍脚光を浴び、二十八歳の時には名家出身のサスキアと結婚し、三十代前半にはアムステルダム旧市街に大邸宅(現在のレンブラント美術館)を購入する。

しかし、このような順風満帆なレンブラントに数知れない影(試練)が襲う。サスキアとの間に生まれた長男が二か月あまりで亡くなり、続いて生まれた長女も、また次女も間もなく他界するのであった。しかも、妻は二十九歳の若さで結核によって命が絶たれる。その後、多くの慰めを得た後妻のヘンドリッキェも、彼の生前に亡くなっている。

一方、画家としての名声も、三十六歳の時に描いた「夜警」を境に、段々と注文が減りはじめ、五十歳を迎えた頃にはとうとう破産宣告を受け、あの大邸宅さえも手放さなくてはならなくなるのである。

しかし、レンブラントは最愛の妻を失うことによって、彼自身の画布に向かう精神がより深まり、人間自身の内面の奥底にまでたどり着く。また、彼が描くテーマは、若き日に増して聖書の主題が多くなっていくのである。

五十三歳の時に描いた「御使いと格闘するヤコブ」(図①)は、まさにレンブラントがヤコブのように人生の苦しみの中で、神と格闘していたことを実感させるものである。そして、その御使いはヤコブを、いやレンブラントを祝福している。

その二年後の「使徒パウロに扮した自画像」(図②)では、囚人パウロの姿を自分に置き換えて、試練の中にもなお神からの祝福があることを描いている。斜め上から射し込んでいる光が印象的である。

そして、晩年に描いた作品の一枚が「放蕩息子の帰郷」(図③)である。これはレンブラントの人生そのものを語っているようだ。若き成功した画家が、父親(神)のもとから離れて、華やかな生活をしてきたが、人生のさまざまな悩みを経験し、もう一度、父親の元に帰ってきた自分がここにいる。

まさに、ここに描かれている「息子」とは「自分」のことであり、父親の優しい手に迎え入れられている。

決して罪の中におぼれ、みじめになった息子ではなく、なおも父親に受け入れられている「高貴な息子(王子)」として描かれているのだ。

レンブラントの人生は、強烈な光とともに辛苦な闇にとらえられた驚くべき苛酷なものであったと思う。

しかし、我々も画家のこのような人生に少しでも重なるところを発見するとき、描かれた絵画から多くの勇気と優しさを受け取ることになるのではないだろうか。

 

キリスト教美術を理解するために
<町田俊之の編著・監修による参考図書>
*『アートバイブル 1・2』(監修、日本聖書協会、2003、08年)
*『巨匠が描いた聖書』(編著、いのちのことば社、2009年)
*『名画とあらすじでわかる! 旧約聖書、新約聖書』
  (監修、青春出版社、2013、2014年)
*『ぬり絵で楽しむ 巨匠が描いた聖書』
  (監修、いのちのことば社、2019年)
*『巨匠が描いた聖書 ベストセレクション』
  (編著、いのちのことば社、2019年、右画像参照)
*『世界でいちばん素敵な聖書の教室』(監修、三才ブックス、2019年)

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