「倒れた。大バビロンが倒れた」(2)とあるように、18章は全体として「バビロンの滅亡」について語っている。しかし、「バビロンの名を借りてはいるが、実はローマを意味しているのである。このことは前にも述べた。
無論、ヨハネがこれを書いている時点では、ローマはまだ倒れていない。それどころか大いに繁栄し、いわば絶頂期にあった。よく「ローマの平和」(パックス・ロマーナ)と称えられるように、この大帝国は絶大な武力と経済力によって不平不満を押え込み、その意味で「平和を実現していた。「すべての道はローマに通じ」ていたし、皇帝は帝国内の至る所で「神として礼拝されていた。
翳りが現れるまでには、なお300年の年月を経過しなければならない。帝国が東西に分裂したのは、皇帝テオドシウスの死後、395年である。ゲルマン民族の侵入によって西ローマ帝国が滅びたのは、それからさらに100年ほど経った475年のことであり、東ローマ帝国がトルコに滅ぼされたのはずっと後の1453年である。
だから、ヨハネが黙示録を書いた頃、誰にも見えるような形で滅亡が迫っていたわけではない。にもかかわらず、ヨハネはローマの滅びを預言する。一体彼は、どのような根拠をもって「ローマは倒れる」と言うのか?それは、「傲る平家は久しからず」というような歴史上の一般論に過ぎないのだろうか?
ヨハネは、ローマの繁栄の陰に大きな問題が潜むことを鋭敏にも見抜いていた。そして、今日の箇所で三つの要素を挙げている。すなわち、「地上の王たち(皇帝)」(9)と、「地上の商人たち」(11)と、「海で働いているすべての者たち(海運業者)」(17)である。この三者、つまり政治と商業と流通が緊密に結び合って、いわば「癒着の構造」を形成していた。それは空前の経済的繁栄をローマにもたらしたが、その富と贅沢は今挙げた少数の人々、つまり権力者と、それに群がる利権集団に独占されていた。
だが、そのような生き方がいつまでも許される筈はない。やがて必ず神の裁きを受ける。ヨハネは「イエスと結ばれて、その苦難、支配、忍耐にあずかって(1,9)いたがゆえに、この歴史的洞察をあたえられたのであった。
さて、黙示録18章にはエゼキエル書26~28章の影響が見られる。紀元前6世紀の預言者エゼキエルは自分が属する南王国ユダの堕落を厳しく責め、同時に近隣諸民族の罪をも指摘した。その中にティルス(ツロ)に関する長い文章がある。
ティルスは地中海の東岸に位置し、「海の出入り口を支配し、多くの島々を巡り、諸国の民と取引を行った」(27,3) 都市であった。美しく、堅牢で船足の速い船を多く建造し、地中海を自分の庭のように往来して、あらゆる商品を運んだ。
27章に貿易品目のリストがある。そこには「銀、鉄、錫、鉛、青銅、銑鉄」などの鉱物、「馬、軍馬、ラバ、小羊、雄羊、山羊」などの家畜、「象牙、黒檀、トルコ石、さんご、赤めのう、あらゆる宝石、黄金といった宝飾材料、「毛織物、布地、亜麻織物、豪華な衣服、紫の衣、多彩な敷物などの織物類、「小麦、きび、蜜、油、ぶどう酒、乳香、桂皮、香水萱、極上の香料などの食材や香料が列挙され、その中には「奴隷」も含まれていた!黙示録は、このリストを殆どそのまま採用している。
ティルスは、「知恵と悟りによって富を積み、金銀を宝庫に蓄えた。お前は取り引きに知恵を大いに働かせて富を増し加えた(28,4-5)とエゼキエルが書いているように、抜け目のない貿易によって莫大な富を蓄積した。(小さな島国が「経済大国になったのと似ている!) だが、その後で預言者は、「お前の心は富のゆえに高慢になったと言って、ティルスを厳しく批判する。その高慢のゆえに、この町は神の裁きを受けて滅びなければならない!
ヨハネは、ローマについて、これと同じことを言うのである。
「彼女とみだらなことをし、ぜいたくに暮らした地上の王たち(皇帝)は、彼女(ローマ)が焼かれる煙を見て、そのために泣き悲しみ、…不幸だ、不幸だ、大いなる都、強大な都バビロン、お前は、ひとときの間に裁かれた」(9-10)と嘆くだろう。
多くの「商品を扱って、彼女から富を得ていた商人たちは、…泣き悲しんで…不幸だ、不幸だ、大いなる都、麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、金と宝石と真珠の飾りをつけた都。あれほどの富が、ひとときの間に、皆荒れ果ててしまうとは(16-17)と言うようになるだろう。
そして、「すべての船長、沿岸を航海するすべての者、船乗りたち、海で働いているすべての者たちは…泣き悲しんで…不幸だ、不幸だ、大いなる都、海に船を持つ者が皆、この都で、高価な物を取り引きし、豊かになったのに、ひとときの間に荒れ果ててしまうとは」(17-19)と叫ぶことになるだろう。
大いなる都、繁栄と贅沢の象徴であったローマは滅びる。「お前の望んでやまない果物は、お前から遠のいて行き、華美な物、きらびやかな物はみな、お前のところから消えうせて、もはや決して見られない」(14)。
このように、ヨハネは目の前の繁栄に目を奪われてはいない。歴史を「永遠の相の下で」見て、ローマも高ぶりによって滅亡する、と言うのである。神が我々に望んでおられるのは、経済力・軍事力を誇って自ら高ぶる生き方ではない。主イエスとその愛に結ばれた、静かで謙虚な生き方である。これこそが、永遠の価値を持つのである。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
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