5章で、ヨハネは神の右手にある巻物が七つの封印で封じられている幻を見た。世界史がどこへ向かうのか誰にも分からない、という比喩である。ただ、小羊、つまりイエスだけが、世界史の隠された秘密を読み解くことが出来ると告げられた。
6章に入ると、その小羊が封印を一つ一つ解き始める。
小羊が第一の封印を解いたとき、「見よ、白い馬が現われ、乗っている者は、弓を持っていた」(2)。これはどういうことだろうか?
ヨハネ黙示録では、「白」い色は三通りに使い分けられている。第一に、天的栄光の象徴として(1,14)、次に勝利のシンボルとして(2,17)、そして第三に純潔のシンボルとして (3,4)。「白い馬」は、この直後に、「冠を与えられ、勝利の上に更に勝利を得ようと出て行った」(2)という言葉が続くところから見て、「勝利者」を意味するであろう。だが、「勝利者」とは誰か。
「勝利者」とか「白い馬」には非常に颯爽としたイメージがあるから、我々はつい、これはキリストではないかと考えたくなる。しかし、この後に出てくる三頭の馬がいずれも不吉な出来事を暗示していることから見ても、「白い馬」だけにプラスのイメージを持たせることには無理があるだろう。むしろ、ヨハネはここで、30年ほど前に起こった歴史的な出来事を連想して書いたのではないかという注解者たちがいる。この見方は捨て難い。それは、紀元62年、当時無敵を誇ったローマ軍団が東の国境において弓で武装したパルテイアの騎兵隊に惨敗したという出来事である。
だから、「白い馬」は、無敵のローマ軍団に勝利する新しい力を象徴しているように思われる。これは、神の備え給う輝かしい終末の予兆でもあるが、差し当たりローマ帝国にとっては不吉な幻である。いずれにせよ、地上の歴史には転機が訪れる。ローマ帝国といえども、永遠ではない。「白い馬」は転機の象徴ではないか。
次に、小羊が第二の封印を解いたとき、「火のように赤い馬が現われた」(4)。「赤」は血の色である。しかも乗り手には、「地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が…また、大きな剣が与えられた」(4)と言われている。これは、地上の歴史には流血の惨事や大量殺戮が繰り返されるだろう。先にパルテイアの騎兵隊がローマ帝国を震撼させたが、それ以外にも、外敵の侵攻や戦争によって絶えず平和が奪い取られるだろう。「火のように赤い馬」は、このことの象徴だ。
さらに、小羊が第三の封印を解いたとき、「黒い馬が現われた」。ゼカリヤ書6,1以下にも黒い馬が出てくる。ヨハネは単にその色を採用したに過ぎないのかもしれない。しかし、黒は飢饉のシンボルカラーであるとも言われる。飢饉が来る。
黒い馬に乗っている者は、「手に秤を持っていた」(5)。秤は食糧が不足した時に公平に分配するための道具である。そして、不思議な言葉が聞こえてくる。「小麦は1コイニクスで1デナリオン」(6)。1コイニクスは、聖書巻末の「度量衡」表によれば、約1.1リットル。1デナリオンは、当時、成人の労働者が一日働いて得る賃金に相当する。飢饉のために食糧の値段が高騰し、一日汗水流して働いても、僅か小麦1リットル、大麦3リットルにしかならないという悲痛な嘆きの声である。「オリーブ油とぶどう酒とを損なうな」というのも、飢饉の時は無駄使いするなという警告であろう。
小羊が第四の封印を解いたとき、「青白い馬が現われ、乗っている者の名は『死』といい、これに陰府が従っていた」(8)。「青白い」というのは、元来「うす緑色」のことで、死人の顔色だ。死の影が地上を覆う。その四分の一は、死に支配される。
個々の言葉の意味については大体説明した。しかし、根本的な問題が残っている。ヨハネはここで、「封印された世界史の意味をキリストが解いて下さる」と言っているのである。キリストが解き明かす世界史の行方は、白い馬・赤い馬・黒い馬・青白い馬によって象徴されるような不吉なものだ、ということなのだろうか? 「彼らには…剣と飢饉と死をもって、更に地上の野獣で人を滅ぼす権威が与えられた」(8)とあるように、この世界の歴史は死と滅びに向かって進んでいるのだろうか?
確かに、これは我々の世界の現実に近い。ほとんどそのままを描いたと言ってもいい程だ。乗り手が大きな剣をもった赤い馬!これこそ我々の世界ではないか。戦争は際限もなく繰り返される。人類の歴史が始まって以来、全く戦争のない本当に平和な時代がどの位になるか、計算をした人がいる。合計200年ぐらいに過ぎない、という。特に20世紀は「戦争の世紀」だった。
あるいは、黒い馬! 戦争は最大の環境破壊であり、それは直ちに飢饉につながる。戦時には、自分の国の軍隊も信用できない。彼らは必要とあれば村々を破壊し、家に火をつけ、畑を踏み躙り、収穫前の田を目茶苦茶に荒らすからだ。アフリカ各地の内戦では、民衆は飢えた。今も、どれだけ多くの人が飢えているか見当もつかない。
そして、その最後は青白い馬だ! 死が世界の四分の一を覆う。
これらは確かに、我々の世界の現実を、あるいは人類の不安をそのまま描いたと思われる位だ。だが、大事なことに目を留めなければならない。
黙示録は、我々は赤い馬・黒い馬・青白い馬を見るような経験を重ねるが、それが最後ではないと言う。それを潜り抜ける。死の支配は地上に広く及ぶが、全部ではない。四分の一である。そして最後には、新しい天と新しい地が現われる。
(21,1以下) これこそ、世界史の真の行方なのである。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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