死んでしまいたいと感じる時に聖書からの励ましの言葉に耳を傾けましょう

　わたしたちは自分が神に罪を犯してしまっていると感じる時、あきらめて死んでしまいたいと感じるかもしれません。わたしたちは、聖なる神の基準に到達しないと感じるかもしれません。とても多くの罪を犯してしまっていると感じるかもしれません。でも、エホバ神はそのようなわたしたちのために備えを設けてくださっています。

(1)わたしたちの罪深さや弱さを理解して優しく扱うためのキリストの贖いの犠牲 

　神は聖なる神です。それで、わたしたちはアダムから罪を受け継いでいるので、誰も神のみ前に神に受け入れられる聖なる者として立つことができません。そのために、エホバ神は、イエスを地上に遣わして、この地上の人々を身近に観察させました。イエスは、罪深い人々と身近に接して、それでも、それらの人々を愛され、仕えてくださいました。(マタイ20:28) 

　そして、イエスは、ご自分の贖いの犠牲に基づいて、エホバ神との間を仲介してくださり、わたしたちの罪を神になだめるよう願ってくださり、とりもってくださいます。(ヘブライ2:16,17)

イエスは憐み深い大祭司として罪びとのわたしたちと聖なる神の間を仲介してくださる

 

　また、イエスの霊的な兄弟たちは、あらゆる国籍や民族やタイプの人々から選ばれることになっています。それらの人々は、地上の人々のあらゆる問題を自らが経験するので、地上の人々の問題を穏やかに優しく扱うことができます。(ヘブライ5:2) 

(2)わたしたちには解決する方法が分からなくても神は解決する知恵を持っておられる 

　わたしたちは、人間の目には、八方塞がりで解決策は一切ないと感じて絶望しそうになるかもしれません。そんな時に、あきらめて自殺したくなるかもしれません。しかし、エホバ神はご自分に頼る人を助ける方法をご存知のはずです。通常、若い人が知らない問題の解決策を年配者が分かっていることがあります。 

　でも、エホバ神は、誰よりも長生きしておられる人間世界について熟知しておられる「日を経た方」で、全能者ですから、私たちを助けることができるはずです。(ダニエル7:9) 

　多くの場合、どんな問題であっても、自分の気持ちが打ちひしがれている場合、対処をすることができません。しかし、聖書は次のように勧めています。「何事も思い煩ってはなりません。ただ，事ごとに祈りと祈願をし，感謝をささげつつあなた方の請願を神に知っていただくようにしなさい。そうすれば，一切の考えに勝る神の平和が，あなた方の心と知力を，キリスト・イエスによって守ってくださるのです。」(フィリピ4:6,7)

 

エホバ神はわたしたちの心が折れないように助けてくださるので祈りましょう

 

　それで、エホバ神はまずわたしたちが思い煩いに負けないように助けてくださいます。自殺してしまうのは、まず失望して心が折れてしまうからです。心が折れてしまうならば、苦難に対処する力がなくなってしまいます。(箴言24:10)しかし、エホバ神はわたしたちの心を包んで、平安な思いを持てるよう助けてくださいます。そうすると、苦難に対処していけば、問題が小さくなっていくかもしれません。 

　ヤコブ書には、「あなた方の中で苦難に遭っている人がいますか。その人は祈りつづけなさい。」とあります。(ヤコブ5:13)ですから、経済的な苦難、健康の問題、人間関係の問題、周囲の無理解や不親切、自分の失敗などさまざまな苦難やストレスについて自分の心にあることをすべて神に申し上げることができます。

 

自分の抱える問題をすべてエホバ神に申し上げて知っていただくようにしましょう 

 

　詩編作者ダビデも、サウルから命を脅かされましたが、ダビデ自身は、神に助けを祈り求めて、また、血の罪を犯して罪を犯さないように努めました。「わたしは苦難の中にあってエホバを呼び求め，わたしの神に助けを求めて叫びつづけた。」とダビデは、述べています。すると、ダビデの助けを求める祈りがエホバの耳に入り、エホバは彼をサウルによる命の危険から救い出してくださったことが述べられています。(詩編13:6,17,19) 

　それで、エホバ神はわたしたちを敵による命を失う危険からも救い出すことができます。ですから、一度祈って、聞かれていないと考えて祈るのをあきらめるのではなく、愛ある全能の創造者が存在することに信仰を持って祈り続け、エホバに頼り続けることが必要です。

 

ダビデは命を失う危険に直面してエホバにあきらめないで祈り続け救い出された 

 

　そして、使徒ヨハネは次のような確信を述べました。「わたしたちは神に対してこのような確信を抱いています。すなわち，何であれわたしたちがそのご意志にしたがって求めることであれば，神は聞いてくださるということです。」(ヨハネ第一5:14) 

　ですから、私たちが祈り求めることは、神のご意志に従っていなければなりません。しかしながら、それが神のご意志にかなっている場合、エホバ神は知恵を与えてくださるので、私たちは知恵を持って自分の問題に対処し続けることができます。「あなた方の中に知恵の欠けた人がいるなら，その人は神に求めつづけなさい。神はすべての人に寛大に，またとがめることなく与えてくださるのです。そのようにすれば，それは与えられます。」(ヤコブ1:5) 

　実際、私たちも私たちの周囲の人間でさえ、私たちの問題を解決する知恵も力もない場合もあるかもしれません。しかし、エホバ神は全能で愛の神ですから、その問題が私たちの力を越えていても、必要であれば、わたしたちの祈りを聞いて、わたしたちのために事態を動かしてくださることもあります。エホバ神は、ご意志にかなえば、み使いを用いて助けてくださることもあるかもしれません。 

　それで、私たちの問題をエホバ神に知っていただくようにするだけで、それは助けになります。祈ったその日に問題が解決するということはなくても、エホバ神は私たちを時間をかけて助けてくださり、わたしたちの問題を解決する知恵を与えて下さることでしょう。　 

　わたしたちは自分の抱える問題や失敗のために死にたいという気持ちになっても、愛ある全知全能の創造者エホバ神に頼って、わたしたちの心を支えていただきましょう。また、その知恵をいただくように努力をしましょう。思い煩うのではなく、なんでもエホバ神に相談して、私たちの問題を知っていただくようにしましょう。 

　また、成功しなければ、また、勝たなければ死を選ぶという考え方をするのではなく、苦難にあっても、身を低くして、エホバ神に頼りながら努力をし続けるという精神態度を身につけましょう。 

　そのようにする時、わたしたちの抱える問題は徐々に小さくなっていくことでしょう。聖書の勧めに従った精神態度を持つように努力をしましょう。そのようにして神に従って努力をするならば、苦難から抜け出せることでしょう。(箴言11:8。詩編34:6,17)