イザヤ48章・神は偶像に栄光を与えずご自分の名のために行動される

　神は昔、神の民はご自分の律法に違反しているという状況がありましたが、罪を犯した神の民のためではなくご自分の名の評判のために行動されたことがありました。それで、エホバ神はご自分の崇拝の拠点が復興するように取り計らわれました。

　昔、ユダ王国の中で、殺人、心霊術、淫行、偶像崇拝などの神の律法違反がはびこったため、神はユダをバビロンの手に渡しました。ユダのエルサレムは破壊され人々はバビロンに流刑にされました。　

　しかし、ユダの人々はそれでもエホバ神を呼び求めるという状況がありました。(イザヤ48:1,2)それで、エホバ神はご自分のために行動され、イスラエル人を救いました。(イザヤ48:9,11)それは、イスラエル人の状況が神の評判やみ名に影響を及ぼしたからです。

  エホバは「新しいことを、あなたが知らなかった、取っておかれたことを」その時に「聞かせました。」(イザヤ48:6)エホバ神は、どんなことを昔の神の民に予告されたのでしょうか。

　ご自分の崇拝が存続するために、ペルシャのキュロスを用いてバビロンを倒すということでした。(イザヤ48:14)「彼(キュロス)は神の喜ばれることをバビロンに行い、彼自身の腕がカルデア人の上に臨む」ことになっていました。(イザヤ48:14)そして、「彼(キュロス)の道は成功させられるであろう。」と神は予告されました。(イザヤ48:15)

　 そのようにエホバ神はキュロスを助けた理由を次のように説明されました。「というのは、だれが自分自身を汚させるであろうか。」(イザヤ48:11)それで、エホバ神は、ご自分の崇拝の拠点が荒廃するままに任せて、ご自分が汚されるままにはされませんでした。

　そのため、キュロスはバビロンからイスラエル人を解放してエルサレムにエホバの神殿の土台を据えさせました。エホバ神はキュロスを助けて成功させました。(イザヤ44:26,28)

The　Jews Return to Jerusalem in the Time of Cyrus; as in Ezra 1:1-11;illustration from a Bible card published by the Providence LithographCompany (cyrus11)キュロスの布告によりユダヤ人はエルサレムに帰ることができましたー神がご自分の名のためにそのようになることがおよそ200年も前から予告されていました

　　そして、そのことが起こる約200年も前からユダの人々にイザヤによって告げられました。エホバは神の民を救われることを、「『わたしの偶像がそれらのことを行なった。・・・』と、あなたが言うことのないため」に告げたと言われました。(イザヤ48:5)

　それで、エホバ神は、偶像に誉れを与えるつもりはありませんでした。エホバ神はご自分の「栄光をほかのだれにも与えない」と言われています。(イザヤ48:11)

　神はイスラエル人を『腹の時からの違反者』と呼ばれました。(イザヤ48:8)　ところが、イスラエル人は罪を犯していたにもかかわらず、「イスラエルの神の名を真実によらず義によらずに語り告げ」ており、「イスラエルの神に寄り掛かった」と言われています。(イザヤ48:1,2)彼らは、神が非とされた罪を行なっていましたが、それでも自分たちが神の崇拝者であると自称しました。

　それで、エホバ神はご自分のために行動されました。「わたしはわたしの名のために怒りをとどめ、わたしの賛美のためにあなたに対して自分を制し、あなたが断ち滅ぼされないようにする。」と言われています。(イザヤ48:9)

　それで、自称エホバの崇拝者たちは、その過程で多くの者が命を落としましたが、ユダ王国の末期にも存続し、バビロンがエルサレムを攻撃した時も生き残り、捕らわれたバビロンで生き続けました。そして、ユダヤ人は故国に戻ることができました。

　また、エホバ神は、ユダヤの人々が過度にキュロスに栄光を与えて、キュロスを偶像として崇拝しないように、キュロスを助けるのがご自分であることを知らせました。(イザヤ48:14,15)

　エホバ神は、聖書の中で、今の時代に起きることも予告されています。それが起こるのはまだずっと将来かもしれませんが、エホバ神はご自分が唯一の神であることを示すために、将来に起こる出来事を知らせてくださいます。

　エホバ神は、大いなるバビロンに捕らわれることになる神の民を助けて下さるのでしょうか。(啓示11;7,8,12)現時点では、どんなことが起きるのかはまだよくわかりません。

　しかし、聖書は神の民の「違犯」のために神の民の拠点が「荒廃」し、神への定期的な供え物が捧げられなくなりますが、「聖なる場所」が「正しい状態にされる」ことを予告しています。(ダニエル8:12-14)

 　エホバ神は昔罪を犯していた神の民を助けて下さったように、何らかの仕方で神の民を助けて下さるのでしょう。エホバは「わたしは同じ者である」と言われています。(イザヤ48:12)　エホバ神は、過去にそうであったように、ご自分の自称崇拝者が罪を犯していても、ご自分の賛美のためにご自分の怒りを抑えてご自分の崇拝の拠点が何らかの形で復興するか存続するように取り計らわれるでしょう。(ダニエル11:41,45)

　私たちは、エホバ神の憐れみを受けられるように神に祈りましょう。私たちは聖書の中に預言されていたことが起こるのを見る時、エホバ神が将来のことをご存知である全知全能の神であることを知ることができます。(イザヤ48:3,5)

　そして、エホバ神はご自分の名と賛美のために行動される神です。私たちは、エホバ神がご自分の名のために行動してくださることに希望をおきましょう。また、偶像ではなくエホバ神だけを崇拝しましょう。