どのようなクリスチャンが神に是認されるのですか(3)エホバの証人がパリサイ人のようになる危険性

(1)証人たちは聖書的に間違っていない習慣を間違った解釈のために断罪する場合がある 

　エホバの証人は、大いなるバビロンを間違って解釈しているために、他のキリスト教教会の習慣を悪くないのに、悪いとして見下げることがあったかもしれません。例えば、エホバの証人は、以前、黒い喪服を着ることは、大いなるバビロンの習慣だからいけないという説をしばらくものみの塔の読者からの質問の中で説明したことがあります。

エホバの証人は大いなるバビロンの習慣なので黒い喪服を着るのは望ましくないとされたことがあった 

　わたしも昔は、そのように考えていました。しかし、聖書の中で、死者の喪の期間に黒ではなくても、地味な特別な衣服をまとうことは昔から行われていたことです。ヤコブは息子の死を粗布をまとって嘆きました。(創世記37:34)ですから、葬式や喪の期間に、特別な黒い喪服を着ることは基本的に間違ってはいません。　今はそのことはあまり強調されません。この問題は正されたのかもしれません。しかし、わたしは黒い喪服に関する以前の見解を正した記事は知りません。 

　そのようにエホバの証人は、大いなるバビロンの解釈という聖書的に間違った教理のために、他のクリスチャンや人々が間違ったことをしていない場合も、断罪して見下げる結果になっています。しかし、他のキリスト教教会の習慣だからではなく、聖書的には、神の目に正しくない習慣をエホバの証人が悪いとしている場合もあるかもしれません。 

　例えば、偶像崇拝そのものあるいはそれに伴う習慣があります。しかしながら、その習慣が、単に他のキリスト教派の習慣であるとか、他の宗教の習慣であるということだけでは、それを悪いとは言えません。 

　そうすると、エホバの証人は、自分たちの聖書の理解のために、「わたし(イエス)に信仰を置くこれら小さな者」を見下げたり、そうすることによって「つまずかせたり」しているかもしれません。すると、「ろばの回すような臼石を首にかけられて，広い大海に沈められるほうが益になります。」とイエスから言われかねません。(マタイ18:6) 

　それで、確かにエホバの証人は、神の律法に極力従う努力を払っている点は、正しく立派であるのですが、自分たちだけが義なる者であるとする独善的なパリサイ人のようになる危険性を持っています。他の諸教会の人々の間に見られる小さな信仰や愛ある親切な行いを無視してしまうのです。 

　ですから、エホバの証人が、大いなるバビロンは、エホバの証人以外の偽りの宗教であるとする間違った教理を正さなければ、エホバの証人も過去のパリサイ人のように神から非とされる可能性があります。それゆえに、真のキリスト教の復興の中心となるという特権が、残念ながら、エホバの証人ではなく、悔い改めたローマカトリック教会やギリシャ正教に与えられるという結果になるのかもしれません。 

(2)不忠実になった奉仕者が悔い改めるなら奉仕者の立場にとどまることが許される 

　エゼキエルの預言によると、一部のレビ人、つまり神の奉仕者は、神に不忠実になります。つまり、野獣の崇拝の圧力に負けてしまい、政府に盲従して、偶像崇拝の罪を犯します。イスラエルは「糞像を慕って」さまよい、レビ人たちはエホバ神から遠く離れることが預言されています。(エゼキエル44:10) 

　しかし、聖霊で油そそがれて後、不忠実になった者たちは、もし、生きていて悔い改めれば、地的な希望を持つ者として神に奉仕し続けることを許されるようです。(エゼキエル44:12-14)つまり、悔い改めれば、神の王国に入る希望は失いますが、地上で神に仕え永遠の命を享受する立場に移されます。これは、神の寛大さと憐みの表明だと思います。 

　それで、将来、聖書の預言が成就して、何が正確な知識であるかが明らかになった時、キリスト教の諸教会の人々が悔い改める時、神は、それらの教会の人々を受け入れられるでしょう。しかし、そのことはエホバの証人にも起こるでしょう。 

　エホバ神は、正確な知識の欠如のゆえに、ご自分に対して、間違った仕方で、崇拝を捧げていることを容認はされませんが、ご自分に対する敬意を尊重され、間違いが正されるならば、やはり誉れを与えられると思います。また、間違った理解があっても、完璧を求められません。 

  ダニエルにしても、一世紀のクリスチャンにしても正しく理解できてない所があっても、エホバ神に受け入れられていたのです。(ダニエル8:27;12:8。マタイ15:16)ですから、さまざまなキリスト教が理解できていない所、間違って理解している所があっても、限定的に受け入れられているでしょう。 

　それで、どんなクリスチャンを神が是認されるかを考慮すると、エホバ神が道理にかなった方だということが分かります。エホバはさまざまな程度の信仰のクリスチャンを受け入れられます。そして、もちろん、聖書の正確な知識は、最終的に求められますが、最初から完ぺきな聖書の理解と正確な知識を求められないと思います。このことを考慮すると、エホバの証人も、他のキリスト教教会員に対して、義に過ぎた見方をしないように助けられると思います。

 

エホバはからしの種粒のような小さい信仰も喜ばれ受け入れられる 

　しかしながら、聖書を研究して、聖書預言を解明するよう努力を払い続けるならば、そのキリスト教のグループは有利な立場にたつことになり、神とイエスから保護を受けることになるでしょう。しかし、エホバの証人であれ、私であれ、聖書の知識に優れていたとしても、それだけで自分たちだけが、神に是認されると考えるべきではないでしょう。 

　正確な知識は、追い求めるべきだと思います。また、神の律法に固くつくことは必須です。しかしながら、神の律法に触れない事柄は、義に過ぎないようにする必要があると思います。そして、他のキリスト教教派が自分たちのやり方で、善を行ない、証しを行なっている時に、それを信仰の表明として認めるべきだと思います。 

　キリスト教の諸教会のクリスチャンの中にも、聖書の正確な知識に欠けていても、小さな信仰を抱き、神に忠実であるよう努力していたり、実際的な愛ある親切を示すよう努力をしているクリスチャンたちが存在することを認めるべきです。それらの人々を大いなるバビロンの一部だと断罪するエホバの証人の見方は間違っています。

 

大いなるバビロンが証人以外のキリスト教を含む諸宗教であるとする証人の解釈は間違っているその教理は証人をパリサイ人にする危険がある