列王第二10章・重大な違反があっても報いを与えられたエヒウ

列王第二10章・重大な違反があっても報いを与えられたエヒウ

「エホバはエヒウに言われた，『あなたはわたしの目に正しいことを行なう点で立派に行動し，[また]わたしの心にあったすべてのことにしたがってアハブの家に行なったゆえに，子らが四代まで，あなたのためにイスラエルの王座に座るであろう。』」(列王第二10：30)

エヒウはアハブ王の部下でした。エヒウは預言者エリシャにより、アハブが死んでから油注がれて、イスラエルの王とされ、自分の主であるアハブの全家に神の裁きを行なう業に任命されました。(列王第二9:6～8)

エヒウはまず、アハブの子であるイスラエルの王エホラムを自ら処刑しました。また、エヒウの部下がアハブの孫アハジヤに致命傷を負わせ、アハジヤは死にました。それから、エヒウはアハブのやもめイゼベルが処刑されるように取り計らいました。そして、アハブの七十人の息子がサマリアの人々により処刑されるようにを命じ、そのようになりました。その後，エヒウはアハブの際立った者たちや知人や祭司たちを全部殺し，次いでアハブの孫であるユダのアハジヤ王の兄弟たちを打ち殺しました。(列王第二 10：1～14)

それから、エヒウはサマリアでアハブと親類関係にあった，もしくは関係を持っていた人々で残っていた者はみな滅ぼしました。(列王第二10：15～17) 次に，エヒウはバアル崇拝のための盛大な集まりを催させる策略を講じて，イスラエルのバアル崇拝者たちを全員バアルの家に集め、部下にその家の中にいる者を一人残らず殺すよう命じました。

エヒウは、アハブの家の者たちであるバアル崇拝者に対する神の裁きを行なう点で、神のご意志を徹底的に行ないました。そのため、冒頭の聖句にあるように、エヒウ王の子供たちが四代まで、イスラエルの王になることになりました。

ところが、エヒウ王はバアル崇拝者に対する裁きを行なう点では、徹底的に行なったのですが、ヤラベアムの罪、すなわち金の子牛崇拝から離れませんでした。金の子牛崇拝も、エホバに非とされる偶像崇拝でした。(列王第二10：29)それでも、エホバ神は、エヒウ王に報いを与えました。

私たちは神の前に立派に行なったと思える点があるとしても、不完全さのために、神に従う点で、落ち度があると考えるかもしれません。それは、エヒウのように神の律法に対する重大な違反であったり、もっと軽い度合いの違反だったりするかもしれません。けれども、エホバ神は感謝の念の深い神であられるので、私たちが神のご意志に調和したことを行う時に、そんな私たちに報いを与えてくださることがあることをエヒウの例は示しているでしょう。

しかしながら、新約聖書の言葉は、神の律法の重大な違反は、神の王国に関連した祝福を受け損なわせることを示しています。(ガラテア5:19～21。コリント第一6:9,10。啓示21:8)それで、今日、長期的な神の律法違反は、永遠の命の報いを得損なわせます。

私たちは神の律法に対する違反というような重大な違反は正すように最善を尽くすべきです。しかし、エヒウの例は、エホバが報いを与えるにあたって、重大な神の律法違反以外の罪は、辛抱して大目に見てくださることを示しているようです。

また、エホバにみならって、他の人の罪は、明らかな神の律法に対する違反以外は、極力辛抱して大目に見るように努めましょう。