箴言3章・愛ある親切によって神と人の恵みを得る

　箴言では、愛ある親切から離れることのないようにと勧められています。(箴言3:3)愛ある親切を忘れないなら、神と人の恵みを得ると述べられています。(箴言3:4)愛ある親切とはどのような特質でしょうか。私たちは神の僕の示した愛ある親切にどのように見習えるでしょうか。

　聖書の中で愛ある親切と訳されるのは、ヘブライ語のヘセドです。この語は、他に「忠節な愛」，「親切」，「善良」，「憐れみ」と訳されています。それで、愛ある親切は、忠節や憐れみと関係しています。

　愛ある親切は、特にエホバ神が示される特質です。(サムエル第二22:51)それで、エホバ神は、私たちが「愛ある親切」を忘れないように期待されます。愛ある親切を示した人はたくさんいますが、今回その中で、イエスキリストご自身とダビデが示した愛ある親切について考えます。

　ダビデは、サウルに追われていたいた間、イスラエル人に敵対していたフィリスティア人としばらく行動を共にしていたことがありました。しかし、その間も、ダビデは、イスラエル人全体に対して忠節でした。

　ダビデはフィリスティア人の王には知られないようにして、アマレク人などのイスラエル人の敵を襲撃していました。(サムエル第一27:8,10)そして、その分捕り物の幾らかをユダの諸都市の年長者に贈り物にしました。(サムエル第一30:26)

　そのようにして、サウル王に追われていた間も、イスラエルの益を求めていました。ダビデの忠節な愛は、後になって、ユダの部族の年長者が最初にこぞってダビデを王として油注ぐように動かしたことでしょう。(サムエル第二2:4)それで、ダビデの愛ある親切、忠節な愛は、神の恵みと人の恵みを得させる結果になりました。

　イエスは、ご自分の弟子たちに愛ある親切、忠節な愛を表されました。イエスは、ペテロが、ご自分を三度否認した時も、ペテロをすぐに見捨てることはありませんでした。

　イエスはご自分が最も厳しい苦難に直面する時に、ペテロがご自分を三度否認することを予告されました。(マタイ26:34)そして、イエスの予告通り、ペテロは、イエスを三度否認しました。(マタイ26:75)　通常は、苦難の時に、人を捨てる人に対しては快く思わないでしょう。(箴言25:19)しかし、イエスはペテロをすぐに見捨てませんでした。イエスは、ペテロが神の是認を失ってしまわないように神に祈願をしました。(ルカ22:32)

ThánhPhêrô chối Chúa Giêsu, vẽ bởi GustaveDoré (peterdeny1)ペテロはイエスの苦難の時にイエスを否認するという失敗をしましたがイエスはペテロに忠節な愛を示しました

　そして、後になってイエスは、ペテロの忠節に対する信頼を言い表して、ご自分の弟子たちを牧するという重要な仕事を与えました。(ヨハネ21:15-17)そのようにして、イエスはペテロに対する愛ある親切、忠節な愛を表しました。

　イエスの忠節な愛は、ペテロが死に至るまで、イエスに忠節に付き従い神への奉仕を行い続けるように動かす結果になったでしょう。(ヨハネ21:19)　そのようにしてイエスのご自分の弟子たちに対する愛ある親切は、イエスの弟子たちが神とイエスに忠節であり続けるように助けました。また、そのようにイエスがご自分の弟子たちを助けることは神のご意志でもあったので、イエスは神の是認を得ました。

　また、イエスは、不具の人や盲人や口のきけない人や貧しい人、社会的な立場の低い人に対して親切でした。イエスはそれらの人々を憐れに思われ、神から与えられた力を用いて、それらの人々の疾患をいやされました。(マタイ15:30)　また、食物を増やして、それらの人々の一時的な物質的な必要を満たされたこともありました。

 

"Healingof the Blind Man" (1871); Carl Bloch. Bible references: Mark8:22-25, Luke 18:35-42. (jesus10)イエスは立場の低い人に憐みのゆえに愛ある親切を示し多くの人がイエスの弟子になりました

　イエスからそのように親切にされて病気や疾患を癒された人は、イエスに感謝して、後になって神の王国に入る希望を持つクリスチャンとして成長した人たちも多かったでしょう。そのようにして、イエスが示された憐み、愛ある親切は、イエスに対して忠節な弟子たちを産み出しました。

　ですから、ダビデやイエスの例から、愛ある親切によって神の恵みと仲間の人間の恵みを得られることが分かります。愛ある親切は神の僕に対してエホバ神が求められる重要な特質です。

　私たちは、クリスチャンの仲間に対して可能な時は、実際的な親切を示して、愛ある親切を示しましょう。また、仲間が苦難に陥った時も、愛ある親切を忠節に示し続けましょう。そのようにするならば、神と人との恵みを得られるでしょう。