イザヤ53章・続・人類の罪を負うメシア

　2015年4月3日(金)は、イエス・キリストの記念式です。この日に私たちはキリストが人類のための贖いの犠牲を捧げて下さったことを感謝して思い起こし、天への召しを受けている人はパンとぶどう酒の表象物にあずかります。

JohnSnyder (breadandwine1)4月3日(金)天的希望を抱くクリスチャンはパンとぶどう酒にあずかってキリストの贖いに感謝します

　このことにちなんで、イザヤ53章7節から12節を検討したいと思います。

　　イエスは捕えられた時、黙っておられました。サンヘドリンの前で、多くの人が偽証をしましたが、「イエスは黙っておられた。」と述べられています。(マタイ26:63)また、ピラトの前で、「祭司長と年長者たちから訴えられている間、何の答えもされなかった。」と述べられています。(マタイ27:12,14)

　このイエスの態度は、預言されていました。メシアは、「激しい圧迫を受け、苦しめられるままに任せていた。彼はそれでも口を開こうとはしなかった。」と述べられています。(イザヤ53:7)イエスは、贖いの犠牲を捧げるために死刑にならなければならなかったので、そのままにしておられたのです。

　メシアは、「生ける者たちの地から断たれ」ることになっていました。そして、「彼はわたしの民の違反のゆえにむち打たれた」のです。(イザヤ53:8)

　マルコ15章15節によると、ピラトは、「イエスをむちで打たせ」ました。むち打ち用道具はフラゲッルムとして知られていました。それは柄につけた数本の綱あるいは革ひもにぎざぎざの骨片や金属片が取り付けられていました。

　それで、ローマ式のむちが使われたので、イエスのむち打ちの痛みは非常なものでした。イザヤ書によると、イエスが鞭打たれたのは、ご自分の罪のためではなく、神の民の違反のためでした。

　メシアは、「死に際しては富んだ階級の者と共に」なることになっていました。(イザヤ53:9)イエスは実際にヨセフという富んだ人の「新しい記念の墓」に横たえられました。(マタイ27:57)

　「エホバご自身が彼を打ち砕くことを喜び、彼を病めるものと」されました。(イザヤ53:10)イエスは、杭につけられる前に、この盃をとりのぞいてくださいと汗と血を流して祈願をされました。(ルカ22:42,44)イエスはご自分の受ける苦しみのために病んだ人のようになりました。

　イエスはご自分が罪の贖いのために死ぬことをご存知だったので、死ぬこと自体を拒否していたとは考えられません。イエスが苦しんだのは、神を冒とくする者として死ぬというその死に方であったと考えられます。

　しかし、エホバはイエスがもっともみじめな仕方で死ぬことを選ばれました。イエスはそれを受け入れられました。イエスは、「わたしの意志ではなく，あなたの[ご意志]がなされますように」とゲッセマネの園で祈られました。(ルカ22:44)エホバ神は、イエスがご自分に対して完全に従順を示され忠誠を全うされたことを喜ばれました。

Jesus　in the Garden of Gethsemane on the Mount of Olives. He was in suchagony of prayer that the Bible says his sweat was as drops of blood.An angel came to comfort Jesus.Hewas in that much agony, and yet the Lord Jesus went through with allof it.Gethsemane43 ShowEXIF(jesusprayer5)エホバはイエスが最もみじめな仕方で死ぬようにされましたがイエスは神のご意志を受け入れられました

　メシアは、「その魂の難儀のゆえに、・・・満ち足り」ます。(イザヤ53:11)イエスは最高度の苦しみのもとで、エホバ神に対する忠誠を全うできたので、満足感を覚えられたことでしょう。イエスは、「私は世を征服したのです。」と喜びの宣言をされました。(ヨハネ16:33)

　　また、杭の上で最後に「父よ，わたしの霊をみ手に託します」と叫ばれました。(ルカ23:46)イエスは自分が完全にみ父に忠誠を保つことができたという確信を持っておられました。そのため、み父がご自分を復活させてくださることに完全な信頼を置いていました。このみ父に対する信頼はイエスに安心感と満足感を与えていたことでしょう。

　　イエスは、「自分の魂を死に至るまでも注ぎ出したため」に贖いの犠牲を備える点で成功されました。(イザヤ53:12)イエスはご自分が大きな苦しみを経験することを予期しておられましたが、すべての苦しみを乗り越えられました。(ルカ9:22;12:50;24:46,47)

　　それで、イエスは多くの人々の罪を担うことができます。メシアについて、「義なる者、わたしの僕は」「彼らのとがを自ら負うのである。」、「彼は多くの・・・違反を犯す者たちのために仲裁に入った」ということが預言されていました。(イザヤ53:11,12)

　イエスは、最後まで忠誠を保たれたので、天的な大祭司の職につけられました。(ヘブライ4:14:5:10)イエスは、ご自分に信仰を働かせる者のための「永遠の救いに責任を持つ者」となられました。(ヘブライ5:9)キリストはご自分が大きな苦しみを経験されたので、大きな苦しみを経験するご自分の弟子たちを助けることができます。(ヘブライ2:17,18)

(highpriest1)キリストは天的な大祭司となられたので人々を首尾よく救うことができます

　また、メシアは「力ある者たちと共に分捕り物を分け与えるであろう。」と預言されていました。(イザヤ53:12)分捕り物とは何を意味するでしょうか。分捕り物とはとりこを意味します。(民数記31:11,12)

　エフェソス書の中で、使徒、預言者、福音宣明者、牧者、教える者などの「人々の賜物」はイエスが連れ去った「とりこ」であると述べられています。(エフェソス4:8-11)確かに、イエスが最後まで忠誠を保ってくださったことによって、人類世界の中からイエスに忠誠を示す能力のある人々がイエスによって分捕り物とされました。

　そのため、メシアの「手にあって、エホバの喜ばれることは成功を収め」ます。(イザヤ53:10)イエスは、天的な希望を持つ者たちと地的な希望を持つ者たちが救いを得られるように助ける点で首尾よく成功を収めます。イエスは天的な大祭司として、誰かが罪を犯しても、ご自分の贖いの犠牲に基づいて仲裁をしてくださいます。(ヨハネ第一2:1)　ある人はイエスは苦しみの死を遂げたので、失敗したと考えます。しかし、実際はキリストは成功者なのです。

(jesus28)キリストは贖いを遂げる点で成功されたのでエホバの喜ばれることを成功させることができます

　十四万四千人は、キリストの贖いに守られて地上にいても神の子とみなしていただけます。そして、最終的には、天に不滅の霊者として復活させていただけます。そのために、神の王国が完成することになります。(ダニエル7:22,27)

　また、大患難を数えきれない国際的な大群衆が生き残ることができるのも、キリストの贖いに守られているためです。(啓示7:9,14)また、大群衆はこの地上での命が終わったとしても、地上の楽園での人間として復活させられることになります。(使徒24:15)

    私たちは、イエスが私たちの罪をになってくださること、私たちの罪のために神との間に仲裁役をしてくださることを感謝できます。私たちはキリストの贖いの犠牲に感謝して、今年もキリストの死の記念式に出席しましょう。