世界中の文化に影響を与えている聖書―絵画と彫刻

聖書は世界中の芸術に広範な影響を与えています。歴史を通して、聖書に出てくるテーマに関連した絵画、彫刻、小説、詩、映画、音楽、オペラなどは数多く存在しています。

ですから、聖書を否定するなら、世界中に広く普及している文化を否定することになります。このことは、公共の施設で、聖書を朗読することも認められるべきであることを示しているのではないでしょうか。　

今回、聖書を題材とした絵画と彫刻を紹介したいと思います。私はそれらの絵画や彫刻が必ずしも聖書の述べることと完全に調和しているとは思いませんが、少なくともそれらは聖書から大いに影響を受けています。

　　イタリア人ミケランジェロは自らを彫刻家と考えていましたが、彼の絵画も有名です。彼は、バチカン宮殿にあるシスティナ礼拝堂の壁に絵を描きました。15世紀には、壁に『旧約聖書』からの「モーセの生涯の物語」ならびに『新約聖書』からの「キリストの生涯の物語」が描かれました。また、16世紀に彼は法王の注文で、「最後の審判」を描きました。

I, Sailko(sistine1)システィナ礼拝堂の中には多くの聖書を題材とした絵画があります

　

　　ミケランジェロの作ったイスラエルの王「ダビデ」の彫刻像があります。これはフィレンツェのアカデミア美術館に収蔵されています。ミケランジェロはモーセ像も作りました。

Rabe!Florence- David by Michelangelo(david21)ミケランジェロのダビデ像

バチカン市国の総本山サンピエトロ寺院の前の広場にはパウロとペテロの像があります。内部にはペテロのブロンズ像があります。

 

St.Paul's statue with the St. Peter's basilica in the background.TiagoFioreze(paul18)サンピエトロ寺院のパウロ像

Ancientstatue of St. Peter in St. Peter's Basilica(peter1)サンピエトロ寺院のペテロ像

　「モナリザ」で有名なレオナルドダビンチは、多くの聖書関係の絵を描きました。彼のキリストの死の直前の「最後の晩餐」という絵画は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂の壁画です。毎年この絵画を見るために大勢の人が訪れます。その修道院は世界遺産として登録されています。彼は、またイエスの母マリアの絵をたくさん描いています。

15世紀のイタリア人の修道士かつ画家フラ・アンジェリコも多くの宗教画を描きました。

『受胎告知』（1437年-1446年）サン・マルコ美術館（フィレンツェ）フレスコ画フラ・アンジェリコ (maria1)

　16世紀のイタリア人画家カラヴァッジオは非常にたくさんの聖書に関連した絵画を描いています。例えば、　「ダヴィデとゴリアテ」、「キリストの埋葬」、「洗礼者ヨハネ」があります。

カラヴァッジオの「キリストの埋葬」(christ29)

コジモ・ロッセッリとピエロ・ディ・コジモの描いた「山上の話（山上の垂訓）とライ病者の癒し」はヴァティカン博物館にあります。イエスは山の上で非常に多くの人々の心を動かすことになった話しをされました。

(christ30)

　アントワープ王立美術館には、17世紀のドイツの画家ルーベンスの「キリストの磔刑（たっけい）」が所蔵されています。私はキリストは十字架ではなく杭につけられたと考えていますが、十字架上につけられたキリストの絵画は少なくありません。確かにこうした絵画にはキリストの贖いに対する信仰が見られると思います。

『キリストの埋葬』（1602年） ボルゲーゼ美術館（ローマ）ルーベンス(christ33)

「大祭司の前のキリスト」は17世紀のオランダの画家ホントホルストによって描かれロンドンのナショナルギャラリーに収蔵されています。ホントホルストはまた『ペテロの否認』を描きました。

また、昔のイスラエルの貧しい人たちを助ける取決めである「落ち穂ひろい」を描いたミレーの絵画が有名です。昔、モーセの律法の規定では、貧しい人のために、収穫の際落ちた収穫物や畑のわきの収穫物はそのままにしておいて、貧しい人がそれを拾うことが許されていました。(レビ19:9,10)

ジャン＝フランソワ・ミレーの『落穂拾い』(gleaning)

ミレーは、また農夫が夕方農作業の終わりに神に祈りを捧げている場面を「晩鐘」という絵画で描きました。

『晩鐘』1857年-1859年、オルセー美術館(millet)

19世紀の英国の画家エドウィン・ロングスデン・ロングは、中東とオリエンタルな画風を特徴としています。彼も、聖書を題材とした絵画を数多く描きました。

AnnoDomini (Flight into Egypt) (jesus33)

Paintingby en:EdwinLong, 1878. Location of painting: National Gallery of Victoria,Melbourne. (esther5)エステル

　

　　それで、聖書を題材として描いた絵画や彫刻は数多くあり、多くの人々によってその芸術性が評価されています。キリスト教と聖書が世界の芸術に影響を与えていることを否定はできないでしょう。私たちはキリスト教の文化を受け入れましょう。