箴言5：21の黙想

箴言５：２１の黙想

「人の道は主の御目の前にあり、主はその道筋のすべてに心を向けてくださる。」（箴言5：21）

箴言5章21節には、神が私たちの人生を見守っておられるという深い真理が込められています。この「見守り」という言葉は、私たちの行動を監視するという意味ではなく、神が愛をもって常に関心を払っていてくださるということです。どんな時でも、私たちの行いや歩みは神の御目の前にあるという意識は、私たちの日々の選択や行動において重要な指針となるものです。

ある牧師のこんな証しを聞いたことがあります。その牧師が若い頃、彼の父親がこう言いました。「誰も見ていないときにこそ、本当の自分が現れるのだよ。」　彼はその言葉を胸に、若い時から正しい行いをすることを心がけてきましたが、あるとき、彼は誰にも見られていないと思ってズルをしてしまいました。しかしその夜、彼の心には強い不安と罪悪感が残り、眠れなかったそうです。なぜなら、自分の行いが神の目には映っていることを知っていたからです。彼は悔い改め、その出来事を通じて、神がどんな時も見守ってくださっているということの重みを学んだそうです。

この牧師の体験が示すように、神の見守りを意識することは、私たちの行動を律する助けとなります。たとえば、他人には見られない私たちの心の中の思いや、誰にも気づかれない行動の中にこそ、神が見ておられることを覚えるとき、私たちは「神の前での誠実さ」を持つことができるのです。この誠実さは、単なる道徳的な態度を超えたところにある私たちの信仰と密接に結びついています。

また、この御言葉は試練や困難の中でも大きな慰めをもたらします。あるクリスチャンの女性が、長年病と闘い続けていましたが、ある時、この御言葉を通して神が自分の歩みを見守ってくださっていると知り、深い安心感を得たと証言されました。彼女はこう言います。「神様が私の痛みや苦しみを見守ってくださっていると思うと、孤独ではないと感じることができました。」　このように、神の見守りの確信は、私たちがどんな困難に直面しても一人ではないことを思い出させ、前向きに歩む力を与えてくれるのです。

さらに、箴言5章21節は、信仰者としての責任をも教えています。私たちの行いや決断が常に神の前で行われていることを意識するなら、私たちは自らの人生に対してより深い責任を持つことができます。ある有名な宣教師の言葉に、「人の前ではなく、神の前に正しくあろう」という言葉があります。人の目を意識するのではなく、神の目を意識する姿勢が信仰者に求められるのです。

今日の一言：私たちは神の御目の前に生きている

鶴田健次

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