しあわせな看取り―果樹園の丘の訪問看護ステーションから 第7回 神様のホットライン

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

岸本みくに
惠泉マリア訪問看護ステーション所長
札幌キリスト召団 余市教会員

大阪、堺市生まれ。
幼い時に父を交通事故で亡くし、母の、「手に職をつけ早く自立するように」との教育方針で、子どもは3人とも医療系に進んだ。卒後15年間大阪の淀川キリスト教病院に勤め、その後、地域医療や福祉、キリスト教の共同体などに関心を持ち、各地をうろうろ。2008年より現在の惠泉マリア訪問看護ステーションに勤務。現在同ステーション所長。北海道に住んで20年、大阪弁と北海道弁のバイリンガル。

私には、神様とのホットラインがあります。
訪問看護の仕事では、病状の見極めと、いつどのような対処をするかがとても大切で、一番悩むところです。病院での看護では、多くの職員の目があり、医師もいつもいますし、何より頻繁に様子を見ることができますが、訪問では週に何度かの限られた訪問で、多くのことを見極めなければなりません。
中でも大切なのは、自宅での看取りを希望しているご家族に対し、いよいよの「心備え」をしていただく時期を見極めることです。

     *

八十五歳の呼吸器疾患の利用者さんを、ご自宅で看取りました。
病院から退院してちょうど二か月の在宅生活でした。退院時からすでに寝たきりの状態で認知症もあり、おむつ交換、着替え、洗面、食事すべてに介助が必要でしたが、八十を過ぎた奥様が一人で家事も介護も担いました。「いよいよのときは病院に入れていただくけど、それまでは、家で看てあげたい」との希望でした。
一か月が過ぎた頃から衰弱が進んだので、奥様の負担を軽減するために、私たちはほぼ毎朝、朝一番に訪問して、身体を拭いておむつを取り替えるようにしました。土曜日の訪問では、状態はとても落ち着いており、ご本人も、朝早く来ては布団をめくり、着替えをさせる迷惑な訪問者たちに「もう来んでもよいっ!」と怒鳴るほどお元気でした。
週末は娘さんも来ておられたし、この様子だと日曜は休んでも大丈夫と判断し「月曜にまた来ますから何かあったらお知らせください」とお伝えして帰ってきました。
日曜日は特に電話もありませんでしたが、礼拝を終えて部屋に戻ると、どうしておられるかな、と妙に気になりました。これは神様からのサインでした。背中を押されるようにして電話をして様子を聞いてみました。訪問看護は先手を打つことが大切です。
奥様の返事は「変わりないですよ~」という呑気なものでしたが、そのあとでこう付け加えました。「ちょっとハアハアいってる以外は」「えっ?」
心配なので様子を見にいくことにしました。すでに顔色は真っ白で、浅くて速い呼吸です。血圧は測れるし、酸素飽和度も非常に悪いというわけではありませんが、でも明らかに終末の症状です。ちょうど息子さん、娘さんもそろっておられたので、皆さんに、「この様子だと、今晩ぐらいに亡くなられるかもしれません。どうなさいますか。入院をご希望ですか」とお聞きしました。息子、娘さんはどうしたらいいか分からないといった表情でしたが、奥様が「このまま家で看ます! 今まで頑張ったんですから……。入院させても何ができるというわけでもないでしょう?」ときっぱりおっしゃいました。それで看取りの方法と心構えについて説明し、「よく読んでおいてください。ご連絡くださればいつでもすぐに来ますから」とパンフレットをお渡しして帰ってきました。それが午後三時過ぎでした。事務所に戻って、病院にFAXを送り、医師に、自宅での看取りの希望があることと、もしものときの往診の準備をしていただくようにお願いし、それから、すぐ持ち出せるように、いろいろな物品の準備をしました。今晩はいつ呼ばれてもすぐに飛び出せるよう、服を着たまま寝ないといけないな、とか考えていると、電話が鳴りました。
「四時に呼吸が止まりました」という奥様の落ち着いた声でした。そろそろだと思っていましたが、一時間後だとはびっくりでした。病院に連絡しましたら先生もすぐに来てくださいました。

     *

私が看取りの説明をして帰った後、ご家族でパンフレットを見ていたそうです。そこに書かれている状態が、今の様子とぴったり当てはまると感心していたら、呼吸が静かになったので、のぞきに行ったら、ご家族の目の前でゆっくり呼吸が止まっていったのだそうです。
「おかげで慌てなくてすみました」と奥様がおっしゃいました。愛する人の死を迎えて、自分たちで送り出すことができるなら、そこには困難な仕事を自分たちでやり遂げたという喜びと満足が与えられ、それは喪失の悲しみを越えさせてくれます。奥様の安堵の表情はそれを物語っていました。
でも、もしあのとき電話していなければ……、突然の死を迎えて、このご家族はどうなっていたことでしょう。そう思うと、冷や汗が出ます。電話をかけるように気づかせてくださった神様に感謝しました。

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Emmanuel

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