杉山世民
【プロフィール】
林野キリストの教会(岡山県美作市)牧師。大阪聖書学院、シンシナティー神学校、アテネ大学に学ぶ。アメリカとギリシアへの留学経験が豊富で、英語とギリシア語に精通。
現代の私たちは、高度な情報社会に生きています。そして、ありとあらゆる知識、情報を瞬時にして手に入れることができます。便利な時代とも言うことができますが、同時に、その容易に手に入れることのできる情報の真偽や意図、真意を見抜く力も必要です。
パウロが、わが息子のようにかわいがった若い伝道者テモテに、すぐにでも会いたいと願いつつ書き送った第一の手紙ですが、「私は、近いうちにあなたのところに行きたいと思いながら、これらのことを書いています。たとえ遅くなった場合でも、神の家でどのように行動すべきかを、あなたに知っておいてもらうためです。神の家とは、真理の柱と土台である、生ける神の教会のことです」(Ⅰテモテ3・14〜15) と書いています。
生ける神の教会が「真理の柱(スティロス)」であり、「真理の土台(エドゥレオマ)」とは、どのような意味が込められているのでしょうか。不用意に聞くと、真理が真理として成り立つ基礎、基盤が「教会」にあるように聞こえます。取りようによっては、「教会」こそが真理であるかどうかを決定する基礎、土台のようにも聞こえます。はたして、すべての真理の判断の基準、基礎、土台が「教会」にある、とパウロはテモテに教えているのでしょうか。
まず第一にパウロは、生ける神の教会は「真理の柱(スティロス)」であると言いました。「柱()」は、言うまでもなく「神の家」という「構造物」(もちろん、教会は建物そのものではありませんが)を支えている重要な存在です。柱がなければ、家は建っていることができません。ガラテヤ人への手紙2・9では、エルサレムの教会において、ヤコブ、ペテロ、ヨハネが「柱として」重んじられていることが記されています。また、ヨハネの黙示録3・12には、「わたしは、勝利を得る者を、わたしの神の神殿の柱とする」とあります。このように見ますと、生ける神の教会そのものが真理であることが見えてきます。
次に、教会が「真理の土台(エドゥレオマ)」である、について見てみましょう。これも不用意に読めば、教会がはたして真理であるかどうかを判別し、決定する土台のように理解され、教会にこそ、真理であるかどうかを左右する権限があるように考えられてしまいます。しかし、パウロはエペソ人への手紙2・20で「使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスご自身がその要の石です」と書いていて、イエス・キリストこそが教会の土台であることが語られています。ただ、エペソ書で使われている「土台」という言葉は、となっていて、(セメリオン)という名詞が使われ、(エドゥレオマ)は、使われていません。しかし、基本的意味は同じです(ヘブル11・10参照)。
ただ、あえてパウロが、ここでではなくを使ったのには、何か意味があったのではないかと思われます。テモテへの手紙第一で使われているというこの言葉は、そのままの形では新約聖書には、ここだけにしか出てきません。形容詞の形ならば、数か所に出てきます。たとえば、コロサイ人への手紙1・23 「ただし、あなたがたは信仰に土台を据え、堅く立ち……」とあるように、「堅固な、揺るぐことのない(solid, firm)」という意味があります。
興味深いのは、モファット訳では、この「真理の土台」を“bulwark of the Truth”(「真理の防波堤」)と訳していることです。G・キッテルの神学事典では「教会は、神話に対する告白などに抵抗し、真理を擁護するものとして建てられている。教会は、個人個人に確かな告白の根拠を与える」と書いています。つまり、教会が「真理の土台、基礎」であるとは、教会が神に代わって真理を発布するような権威的優位性を言ったものではなく、神の生ける教会は、今日のような暗闇の支配する世界、思想の混乱の渦が怒濤のように押し寄せる世界にあって、「防波堤」のように動じることなく、静かに暗闇を照らす灯台のように、何が真理であって、何が真理でないかを、世界に明瞭に宣言する義務を有しているのです。
そのような意味で、怒濤のように押し迫り来る思想的混乱の渦の中にあって、教会は、揺るぐことのないキリストのゆえに、不動の「真理の柱、土台」なのです。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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