11月6日(月)から8日(水)まで、東京で行われた第15回日本福音主義神学会全国研究会議に参加してきました。今回は「3つの『のみ』の再発見~宗教改革500年によせて~」というテーマで行われました。160人ほどの参加があり、初めてお会いする方も含め、多くの人との交わりも与えられました。3日間にわたって、楽しく有意義な研鑽の時を持たせていただきました。
今回は宗教改革のスローガンである「聖書のみ」「恵みのみ」「信仰のみ」に沿って発題が行われました。最初に内田和彦先生による基調講演と藤原淳賀先生による応答講演があり、その後鎌野直人先生が「聖書のみ」について、稲垣久和先生と河正子先生が「恵みのみ」について講演をなさいました。この他2日目の午後には青木保憲先生、藤本満先生、吉田隆先生によるパネルディスカッションも行われ、開会礼拝と閉会礼拝は大坂太郎先生と正木牧人先生がそれぞれ導いてくださいました。この中で私は最終日の朝に「信仰のみ」について発表をさせていただきました。
(ちなみに3年前に奈良で行われた研究会議では、使徒的聖書解釈について発表をさせていただきましたが、その時の発表の内容に手を入れて投稿したのがこちらのシリーズです。)私の発表のタイトルは、「救いを与える信仰~『信仰』をめぐる近年の神学的議論」です。伝統的プロテスタントの信仰理解は福音の真理への「知的確信」と神への「人格的信頼」という側面を持っていますが、さらに進んで具体的な行動も含んだ、王なるイエスへの「忠誠」として「信仰(ピスティス)」を捉えようと提案するMatthew Bates の議論を紹介し、ルカ文書におけるケーススタディを行いました。
ベイツについてはいずれ別の機会に紹介したいと思いますし、ルカのケーススタディは以前に行なったこちらのシリーズに大体の内容が要約されています。この投稿では、宗教改革500年と3つの「のみ」についてお話しした導入部分を転載したいと思います。
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今回の研究会議の中で、たくさんの先生方による素晴らしい講演がありました。私自身も多くを学ばせていただき、心から感謝しています。その中で何度か出てきた印象的な表現があります。それは、「宗教改革500年を迎えた今、私たちは改革を続けなければならない」ということばです。
初日の内田和彦先生による基調講演では、宗教改革者たちは聖書のみを最終的な権威としつつも、教会の伝統を決して全否定することはせず、むしろそれを相対化しつつ継承していった、ということが語られましたが、これはとても大切なポイントであると思いました。
ところで、今回の全体テーマは「3つの『のみ』の再発見」となっています。「聖書のみ」、「信仰のみ」、「恵みのみ」――これらはプロテスタント教会の「伝統」と言っていいと思います。私たちにとってこの上なく重要な伝統ではあっても、あくまで伝統であって、聖書そのものではありません。それらはむしろ、聖書を解釈するところから引き出されてきた原則なのです。
今朝ご一緒に考えたいことは、私たちプロテスタント教会は、この3つの「のみ」という「伝統」もまた、相対化しつつ継承していく必要があるのではないか、ということです。
もちろん、こう言ったからといって、3つの「のみ」をすべて否定すべきと言っているのではありません。しかし私たちは、プロテスタントのアイデンティティにかかわるこの「伝統」をつねに聖書から吟味し直し、その真の意味を探り続け、もし必要ならば修正を加えることを恐れてはならないし、決してこれらを聖書自体と同格の神聖不可侵で永久不変のものとみなしてはならないのではないでしょうか。このような態度を持って歩む教会こそ、「改革し続ける教会」なのだと思います。
そもそも私たちは何のために改革するのでしょうか? 私は個人的には、それは全キリスト教会の一致のためであると思います。ルターはもともとローマ・カトリック教会の改革を目指していたのであって、最初から独立した教会を作ろうと思っていたのではありませんでした。「私たちはカトリックとは違う」と言う点に自らのアイデンティティを見いだそうとするならば、プロテスタントが存続する限り、キリストのからだはいつまでも分裂状態に置かれることになりますが、それは神の御心ではないと思います。3つの「のみ」を含むプロテスタントの伝統を絶対化することはカトリックや正教会との対話や一致の可能性を閉ざし、独善的で排他的な「プロテスタントのみ」のメンタリティを生むことになるのではないでしょうか。
自らを批判的に吟味することを忘れるとき、プロテスタント教会は宗教改革当時のカトリック教会と同じような過ちを犯してしまう危険性があります。もしそうなってしまったら、おそらく神はプロテスタントにプロテストする人々を起こされることでしょう。そうならないためにも、私たちはつねに改革をし続ける勇気と努力を持ち続ける必要があるのだと思います。
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付記:今回の全国研究会議での発表とほぼ同じ内容のものを、名古屋で行われる福音主義神学会中部部会の秋の研究発表会でお話しさせていただく予定です。会員以外の方の参加も歓迎します。
日時 2017年11月20日(月) 14:30-16:30
場所 東海聖書神学塾(金山クリスチャンセンター3階)
(訂正:投稿時には「金山キリスト教会」と書きましたが、場所が変更になりました。どちらも同じビル内です)
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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