「イエスに従った女性たち」

ここで引用される聖書の著作権は日本聖書協会に属します
99・9・12

「イエスに従った女性たち」

村上 伸
ホセア書 11,8-11;ルカによる福音書 8,1-3

 

「イエスは神の国を宣べ伝え、その福音を告げ知らせながら、町や村を巡って旅を続けられた」(1)。この旅には、「12人」も同行していた。「12人」というのは、いわゆる12使徒のことであって、イエスの弟子たちの中核メンバーである。そのリストは6章に載せられている(6,12以下)。

12人はすべて男性であったが、今日の個所には、その他に数人の女性たちが同行したと書いてある。この人々は、「悪霊を追い出して病気を癒して頂いた何人かの婦人たち」(2)とあるように、辛い過去を経験している。特に、マグダラのマリアなどは、「七つの悪霊を追い出して頂いた」(2)という。それが具体的にどのような症状を言うのかは分からないが、よほど難しい心の病であったことは察せられる。

 

ヨーハン・クリストフ・ブルームハルトという牧師が、南ドイツの小さな村で、1840年に始まる不思議な出来事を経験したことについて少し触れたい。

その村に、ゴットリービン・デイトウスという25歳の女性がいた。その頃、彼女は家の中に不思議な物の姿を見たり、音を聞いたり、突然激しい発作に襲われたりするようになる。相談を受けたブルームハルト牧師は、親しい親戚の人々から詳しい報告を聞いたり、医者に相談したりしながら、二年以上にわたって彼女の相談相手になり、真剣にこの女性のために祈り続ける。

その祈りは、彼自身の言葉によると、「週に2回、あるいは3回、村長と深い信仰を持つもう一人のキリスト者と共に、聖書全体を読み進めながら」続けられた、という。そして、イエスの時代と同じように今日もなお悪霊の力が人々を捕らえている事実に深く心を痛め、神の前で嘆き、呻吟(しんぎん)し、「神が勝利してサタンを足の下に踏みつけて下さるようにと祈った」。

何の解決もないままに二年が過ぎる。1842年6月、ある日曜日の夜、彼女の相談に与っていた時、突然、一種の憤怒がブルームハルトを捕らえる。彼はゴットリービンの強ばった手を握り、祈る時のように組み合わさせ、意識を失っている彼女の耳にこう叫ぶ。「手を合わせて祈りなさい。主イエスよ、助けて下さい。私たちはずいぶん長い間、悪魔の仕業を見てきました。今度はイエスがなさることを見とうございます、と」。イエスが今もなお生きていて力を発揮するということを、彼はこの時信じた。

この夜が決定的な転機となって、病状は徐々に好転し、遂にその年の年末に、「イエスは勝利者だ」という言葉と共に娘は癒される。

ゴットリービンは、癒されてから終生、ブルームハルトの宣教と癒しの業を支え続けた。彼女の墓は、ブルームハルトの墓のすぐ近くにあり、その上にはただ、名前と生年と没年、そして「イエスは勝利者だ」という言葉だけが刻まれている。彼女の一生には辛く苦しい歳月があったが、その中で「イエスは勝利者だ」ということを経験したのであり、このことの証人として彼女はその生涯を全うしたのであった。

私は、このゴットリービンという女性の姿を、イエスに従って生きた女性たちに重ね合わせて見ている。イエスに従った女性たち。「悪霊を追い出して病気を癒して頂いた婦人たち」。特に、「七つの悪霊を追い出して頂いたマグダラのマリア」。

この人たちは、単に過去に辛い病気を経験したことがある、というだけではない。イエスが悪霊を追い出して病気を癒して下さった、七つの悪霊を追い出して下さったということを、身をもって経験したのである。この女性たちは(もちろん、女性に限らないのだが)、生けるイエスの力の証人なのだ。

今日の個所の小見出しは、「婦人たち、奉仕する」となっているが、これは誤解を招く恐れがある。この所から、主な役割を果たしたのは男性の12使徒であり、女性は彼らを陰で支える奉仕者であった、という解釈を導き出すのは正しくない。

同様に、「彼女たちは、自分の持ち物を出し合って、一行に奉仕していた」(3)という最後の言葉にも、女性の役割を二次的な奉仕の仕事に限定する過った解釈を誘発する危険がある。

そうではない。

女性たちは単にお手伝いをしていたのではない。生けるイエスの力の証人だったのだ。このことは、福音書を最後まで読むと明らかになる。

イエスが十字架につけられた時、男の弟子たちは皆その場から逃げ去っていたが、女性たちはその現場にいた。「ガリラヤから従って来た婦人たちは遠くに立って、これらのことを見ていた」(ルカ23章49節)。つまり、彼女たちは十字架の証人なのである。悪霊を追い出して病気を癒して下さったイエスの解放の力、七つの悪霊を追い出して下さったイエスの生ける力の証人であったばかりではなく、苦しむ人々を解放するためにご自分は苦しみを引き受けられたという驚くべき真実の証人である。

さらに、もう一つのことを付け加えなければならない。彼女たちは、復活の証人でもある。三日目の朝、最初に墓に行ったのは彼女たちであり、そこで天使たちの告知を最初に聞いたのも彼女たちである(24章10節)。イエスは死んで過去のものになってしまったのではなく、今も生きていて力を発揮する!彼女たちは、この真実の証人となった。むろん、証人として召されたのは女性だけではない。だが、女性をこの役割から除外するという中世以来の教会が犯した間違いは、初代の教会にはなかったということに、私たちは目を留めなければならない。



The Cross Pendant

He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel

Buy Now

bible verses about welcoming immigrants

Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......

Blog
About Us
Message
Site Map

Who We AreWhat We EelieveWhat We Do

Terms of UsePrivacy Notice

2025 by iamachristian.org,Inc All rights reserved.

Home
Gospel
Question
Blog
Help